GPSログ
レポート
三重県の飯高北奥林道へF氏、O氏、A氏とともに自転車仲間4人で行ってきた。他の3人はMTBだが、自分だけロードバイク。一抹の不安がよぎる。
例によってすったもんだしたが、今は波瀬駅となっているグリーンライフ山林舎前の駐車場に集合してスタートする。
R166をしばらく走った後、月出の集落から林道飯高北奥線に入る。
いきなりお約束の崖崩れ。しかしこんなのは序の口。自転車は倒木をくぐり抜ければ通れる。
見上げる先は・・・
はるか上には道の続きが見える。あそこまで登るのか・・・
結構な激坂を登っていく。
ススキのきれいな広場があったので撮影会。
三峰山のゆりわれ登山口付近。
林道ピーク付近は落石が多い。
やっと林道ピークに到着。開通記念碑がある。ここで地図を広げながら作戦会議。
ピークから少し下っていくと、奥福本登山口に見知らぬ林道の分岐が。林道三峰局ヶ岳線というらしい。どの地図にも全く載っていない新設林道のようだ。本来、どこへ行くかわからない道など入るものではないが、行けるところまで行ってみようという軽い気持ちで誘われるように足を踏み入れてしまったのだ。
激坂を登っていくと、だんだん荒れた雰囲気に。さすが通行止になっているだけのことはある。ここなんか落石が酷く、めちゃくちゃヤバそうな雰囲気。
電波塔の広場。
ピークらしき場所からは雄大な展望が開け、ススキに埋まる美しい場所があった。あまりの素晴らしさに感嘆の声を上げていた。結構まともな道じゃない? この時点で一行はすでに引き返そうという気も消え失せ、必ずどこかへ抜けられるという確信に変わっていった。
ピークから調子よく下っていったのも束の間、唐突に道が崩壊していた。マジか?
褒められたことではないが、あきらめの悪い我々は何とか抜けられそうなルートを見つけて強行突破を試みる。自転車をバケツリレー式に搬送していく。こういう時に大勢いると心強い。苦戦したが何とか突破に成功、再び林道に復帰した。と同時にこんなところは二度と通りたくないと思った。この先にまた崩落があったらどうしよう・・・とか冗談を言いつつ順調に下っていった。
ところが、である。その冗談が現実になった。いきなり出現した通行止のゲート。その向こうにはどう見ても道はない。万事休す。一行はあまりのショックにしばらく動くこともできず固まっていた。
あきらめの悪い二人が林の中を歩いて道の続きがないか探しに行ったが、崩れているというより道そのものが開通していないようだ。どう見ても抜けられそうにはない。我々の頭の中では林道というものは下から上へと延びていくので必ず抜けられるはずという思い込みがあった。しかし実際には上から工事が進むことも多く、下りの途中で突然終わることもあり得るのだ。
この時点で我々は引き返す覚悟を決めた。これまで下ってきた道のことを思い返すと気が遠くなる。それよりもあの崩落現場をもう一度渡り直すのが何よりも気が重い。しかしそれより他に帰る方法はない・・・
まさかまた通るとは思わなかった崩落現場をもう一度渡り直す。最も安全と思われるルートでやはりバケツリレー式に自転車を搬送する。多少手際が良くなったようだ。そこを越えてしまえばあとは上るだけ。まぁ上りはいつかは必ず着くのだからもう心配はない。景色をもう一度楽しめると思えばそれはそれで良い。。
多少しんどかったが、まだ余力もあり景色を楽しみながら無事分岐点まで戻ることができた
とんだ寄り道になったが、奥福本の分岐点まで戻った後は飯高北奥林道を快調に下っていく。
R422との合流点にある「つるや」前の駐車場で小休止。
この後、R166を波瀬まで走ってデポ地に戻った。
結局、飯高北奥林道の500mに加えて、三峰局ヶ岳林道の往復で獲得標高1000m以上は上ったはずである。今回の件で得られた教訓は「どこ行くかわからない道は通るべからず」ということだった。「どこかへ抜けるはず」という確信は絶対に持ってはいけない。山で道に迷って疲れているときなど、往々にして「この道を行けば里に下りられるはずだ」という確信を抱きがちである。これは非常に危険なことだ。夕方が迫っていたりするとどうしても気が焦る。そういう時、自転車を担いで無理やり斜面を下ったりするのは愚の骨頂。遭難するのは確実だ。いくら疲れていても「元来た道を引き返す」・・・これが鉄則である。今日は誰も愚かな判断をする者はいなかった。
コメント
SECRET: 0
PASS:
おおっ早速のレポートですね!
いろいろあったけど、楽しませてもらったです。
簡潔にまとめられてていいっすね。あのときの衝撃と落胆が甦りますわ。
「どこ行くかわからない道は通るべからず」なるほど、この道に入ったときにSORAさんが、「どこへ下りるかわからへんしなぁ」とつぶやいていたのを聞き逃しませんでしたヨ。
一人だったら、絶対泣いてますヨ。4人だったから、笑い話で済んだのかも。
ちと反省したっす。