以前「グラベルロードは必要か?」という記事を書きましたけど、まともに乗らないうちからあーだこーだ言って議論しても意味がないわけです。最近やっと本格的に乗り出してわかったんです。グラベルロードはやっぱりええわ(笑)。
これで手放したい気分は吹っ飛びましたのでカスタム禁止令は解除されました。なぜか毎回新しい自転車を買うとすぐ手放したくなる癖があるんですよね(笑)。確かに今までなかったものがあるんですから邪魔に思えるのは仕方ないわけです。ある程度時間が経つとその状況に慣れるってことですかね?(笑)
そこでグラベルロードに乗ってみて良かったと思える点について語ってみたいと思います。誰かをグラベル沼へ引きずり込むことが狙いなのは言うまでもありません(笑)。
グラベルロードのここが好き!
道さえあればどこでも行ける自由さ
最大のメリットはこれだなと乗ってみて実感しました。ロードバイクだとこの道面白そうだけど道が悪そうだからやめておこうという思考がどうしても働いてしまいますよね。でもグラベルロードなら何も迷う必要がなく、道さえあればどこへでも突っ込んで行けます。この自由さは一度経験したらやみつきになりますね。逆にロードバイクがいかに不自由な乗り物であるかに気付かされました。
ストレスがない
ロードバイクで一番嫌なのはグレーチングや舗装の段差など路面の障害物ですね。山奥の林道へ行けば落石や木の枝がいっぱい。そういうものを避けながらロードバイクで走るのってものすごく神経を使うんですよね。知らず知らずのうちにストレスを溜め込んでいるのです。でもグラベルロードなら路面の荒れを気にせずラフに走ることができます。これがどれほどありがたいかは乗ってみればわかります。ほんとにめちゃくちゃ楽!
乗り心地が良い
誰にでもはっきりわかる違いとして、乗り心地の良さが挙げられます。例えるなら、ロードバイクが軽自動車だとすれば、グラベルロードは高級セダンくらいの違いがあります(笑)。フレーム材質の違いなんてどうでもよくなるほど、太いタイヤがもたらす快適性は圧倒的です。乗り心地が良いから長時間乗っていても疲れが少ないんですよね。
タイヤの選択肢が豊富
最近のロードバイクは太いタイヤが標準になったとはいえ、30Cか32Cくらいが限界ですよね。せいぜいタイヤの銘柄を変えて遊ぶくらいしか自由度がありません。でもグラベルロードは細い方は28Cから太い方は40~42Cまで、ものすごく選択の幅が広いことが特徴です。あまりにも多すぎて選ぶのに苦労するくらいです。タイヤの太さを変えると自転車の性格が変わります。28Cを履いてロードバイク的に使うことも、40Cを履いてMTB並みの走破性能を獲得することも自由自在。1台でいろんな使い方ができるのが魅力ですね。
荷物がたくさん積める
グラベルロードはフレームにダボ穴がたくさん付いているのが普通で、アクセサリー類を自由に取り付けることができます。一番便利なのはダウンチューブ下のスペースで、ボトルケージをもう一つ増設できます。シートステーのダボ穴はリアラックを取り付けて大型トランクバッグやパニアバッグを装着するのに使えます。ちょっとしたツーリング仕様に改造できますね。フロントフォークにもダボ穴があって、フォークパックという簡易サイドバッグを装着できます。これだけでもかなりの容量拡張になります。
ロングライドにも適している
グラベルロードは重いからロングライドには向いていないと思われがちですが、そんなことはありません。確かにロードバイクより2~3kgは重いですが、持ち上げたら重いだけのことで乗っているときは重さはさほど感じません。またMTBと比べるとジオメトリーはロードバイクに近く、ハンドルポジションもロードバイクとほぼ同じです。性格的にはロードバイクと変わらないのです。
MTBで舗装路を長距離走るのはさすがに重すぎて苦しいだけですが、グラベルロードはロードバイクのようにスピードが出ないだけでしんどくはありません。むしろ乗り心地が良いために疲労が少なく、長時間乗っていられるのでロングライドにも適しているのです。
グラベルロードのここがちょっと…
スピードは出ない
当たり前ですが、グラベルロードはロードバイクより車重があってタイヤが太いため、どうしても巡航速度は遅くなります。ヒルクライムもしんどくはないけど遅いのです。そのためロードバイクの集団と一緒に走るには向いていません。よほど脚力に自信のある人なら別ですが、普通の人がロードバイクと一緒に走ると確実に置いて行かれます。もともと競技用の自転車ではないのでスピードを出すようにはできていません。もしグラベルロード1台でロードバイクと兼用しようとするなら、こういうところで無理が出てきます。もちろん一人で走るなら全く問題ありませんが、人と合わせることが難しいのです。
輪行には向かない
グラベルロードは重量が11kg前後あるため、これを担いで駅の階段を上がるのはかなり大変です。フレームも通常のロードバイクより大柄になりますし、独特のフレアハンドルというのも厄介なもので、通常のドロップハンドルより幅が広いため輪行袋に収まらなかったり、車内で置き場所を取る問題があります。
もちろんグラベルロードで輪行できないわけではないし、実際している人もいますが、その場合はできるだけ軽量化を進め、ハンドルも通常のドロップハンドルに換装することが条件になるでしょう。
自分はそこまでして輪行したいとは思わないし、輪行が前提になる場合は迷わずロードバイクで行きますね。
別にグラベルを走らなくていい
日本には未舗装路が少ないからグラベルロードは走る場所がないというのが不要論の根拠となっています。かつては自分もそう思っていました。しかしこれは必ずしも正しくありません。確かに純粋な未舗装路は少ないですが、日本にはそれに準じる道路が非常にたくさんあります。典型的なのは山奥の林道や県道。こういうところは舗装路とは言ってもアスファルトが剥がれていたり、落ち葉や木の枝がいっぱい積もっていたりして実質的にグラベルと変わらないところがいくらでもあります。こういう道をロードバイクで走るのは神経をすり減らすだけで非常にストレスが溜まります。走って楽しいどころか不快でしかないんですね。こういう道をヒャッハーと言ってガンガン走れるのがグラベルロードの最大の醍醐味なんですよね。
何も山奥まで行かなくても市街地でもそうですね。街乗りには付き物の歩道の段差や路肩のグレーチング。これも広い意味ではグラベルと呼べるかもしれません。ロードバイクで走るのはいかに不快かは誰にもわかるでしょう。グラベルロードが活躍できるシーンはどこにでもあるのです。
ですからグラベルロードだからと言って未舗装路にとらわれる理由は全くありません。完全に舗装路オンリーでも乗り心地の良さを楽しむだけでもいいのです。それも一つの使い方ですから。ほとんど舗装路だけど、たまに現れるかもしれないグラベルに備えて保険の意味でグラベルロードに乗るのは全然アリなのです。
ロードバイクに乗らなくなる可能性
自分も最初の頃はグラベルロードを買っても走る場所がないからどうせ乗らなくなると思っていました。だからこそ手放そうとしたわけですが、乗り込むにつれてそれは間違いだったことがわかりました。普通のロードバイクとして使っても全然問題がないからです。ダメなのは人と競走したい時だけ。そんなこと元からしませんから自分には関係なし!(笑)
そうなると逆にロードバイクに乗る機会が激減してしまうんですよね。おそらくロードバイクに乗るのは、きれいな舗装路であることがわかっている幹線道路やサイクリングロードを走る時くらいに限られると思います。ロードバイクがいかに不自由な乗り物であるかわかってしまった以上、少しでも迷ったらグラベルロードで行っちゃうんですよね。過剰装備だったとしても、別に実害はないわけですから。
グラベルロードに乗らなくなるどころか、ロードバイクに乗らなくなる可能性の方が現実味を帯びてきて、別の意味で悩ましいことになってきました(笑)。
コメント
こんにちは
最新のグラベルバイク いいですね!
ワタクシ,いまだに21Cのチューブラーで砂利道を突っ走っているモノです (笑)
一点質問させてください
> グラベルロードはロードバイクより車重があってタイヤが太いため、
> どうしても巡航速度は遅くなります。
これはデータか何かあるのでしょうか?
基本は空力抵抗とタイヤの転がり抵抗が重要で
車重もタイヤの太さも巡航速度そのものにはあまり関係がないと思うのですが
こんばんは。
客観的なデータはありません。感覚的にはそうです。
逆に同じ速度を維持するにはより大きなパワーを必要とします。
太いタイヤは転がり抵抗が大きいだけでなく、慣性モーメントが大きくなりますから登りが不利になります。
車重は平地では加速性にしか影響しませんが、登りでは負荷としてまともに効いてきます。
タイヤの太さと車重は登りの速度に大きく影響するため、全体の速度も遅くなります。
「登り」の話なのですね
巡航速度とあるので平地のことかと思いました
最近では,空気圧が等しいときにはタイヤ幅は太い方が
転がり抵抗が低いという理論と計測データがあり,
そのような考え方の方が一般的なようですが?
グラベルロードはタイヤの選択肢が少ない事以外はランドナーとほとんど同じようで、「分かる分かる」と思いながら記事を読ませて頂きました。
ランドナーの場合は輪行がもう一段面倒になる代わりに、絶対に身体が濡れないフルフェンダーも獲得できます。
フレームが出来てから無駄を省きつつ効率化を進めて快走ネオランドナーのような自転車に仕立て上げたので、もうスピード的にもほとんど不満がなく、今やロードバイクを欲しいという感情は全くなくなりました。
付けている人はあまりいませんが、グラベルロードにもフェンダーは付けられるんですよ。
軽量化の余地はまだまだあるので、さらなる快走仕様を目指してカスタムに励みます(笑)。
ほぼ足回りがメインになりますが。