中華の罠にはまった!
まず初めに懺悔いたします。以前紹介した下の体組成計ですが、実はフェイク商品だったことが判明しました。間違った記事を書いてしまい謹んでお詫び申し上げます。
何がフェイクかと言いますと、体組成計としては全く用をなさないからです。一見ちゃんと測れているように見えますが、長いこと使っているとデータが全てデタラメであることがわかりました。そもそもやたらとAmazonのレビュー数が多いのでサクラの可能性は十分考えられたわけですが、自分が買ったときは星5つ付けたらギフト券プレゼントみたいなオファーはなかったので、サクラではないと勝手に思い込んでしまいました。フェイクを見抜けなかったことを深く反省しております。以下にフェイクと判断する理由について述べます。
体重と体脂肪率が完全に連動している
この商品を買ってから3ヶ月半ほど使っていたわけですが、どうも体重と体脂肪率が連動しているような気がしていたのです。つまり体重が増えればそれに比例して体脂肪率も増えるという感じです。本来なら体重が同じでも脂肪と筋肉の割合は違うわけで、だからこそ体脂肪率を測る意味があるわけですが、何度測ってみても体重が同じならいつも体脂肪率が同じなのです。さすがにこれはおかしいなと思い始めました。
そこで下のようなグラフを作成しました。横軸に体重をとり、縦軸に体脂肪率をとります。そして全部で25のサンプルについてその分布をプロットしました。
すると明らかに直線上に乗ることがわかります。つまり体重と体脂肪率は完全に相関していると言えます。本来なら体脂肪率は体に微弱な交流電流を流したときの応答(=インピーダンス)を測定することによって推定されますが、この商品ではそのような電気的測定を一切行っておらず、単純に身長と体重から何らかの計算式によって体脂肪率を捏造していることが明らかです。もちろん、その他のデータについても全て同様です。
電極は使われていない
この商品には電極が4つありますが、これもフェイクだということがわかりました。試しに横向きに乗ってみると、ちゃんと測れる上に結果も全く同じなのです。もちろんそんな測り方は正しくありません。さらに電極に紙を挟んでみても結果は同じでした。さすがにこれには呆れましたね。電極はただの飾りであって、インピーダンスなど測定していないことが明らかです。
以上の2点より、この商品は完全にフェイクであると断定しました。一応、体重は正確なので体重計としては使えますが、本来の体組成計としては全く用をなしません。中華にはこの手のフェイクがよくありますが、しばらく使ってないとわからないだけに巧妙であり悪質だと言えます。
そもそも1700円ほどで買った商品ですから、まともな物があると考えた方が間違いでした。国産品なら2~3万円はする商品ですからね、そんな値段でまともな物が作れるはずがありません。安すぎる商品はフェイクの可能性があると思った方がいいです。
オムロンを使わない理由
フェイクが発覚してから直ちに使用を中止しました。金銭的なことよりも3ヶ月半もの間、嘘のデータを信用して努力が無駄になったことが腹立たしいです。しばらくの間、前からあったオムロンの体組成計をもう一度使っていました。しかしこれもある理由で使いたくなかったのです。
めんどくさい
かなり昔の機種なのでもちろんスマホ連携には対応していません。当然ながらデータは手動で記録する必要があります。一度スマホ連携に慣れてしまうとそれが面倒になったのが一点。
もう一つは測定の手順が大変面倒なこと。両手両足で測るタイプなので手を前に伸ばす必要があり、壁に着けて置くことができません。いったん手前に引き出す必要があります。そして電源を入れて表示がゼロになるのを待った後、個人番号ボタンを押して、手に握るセンサー部分を引き出して体重計に乗る必要があります。こう書くと何でもないようですが、これを毎回繰り返すのは相当面倒でモチベーションを削がれるのですよ。
体脂肪率が信用できない
オムロンの体組成計で測ると体脂肪率が常に16~19%というあり得ない値が出ます。これは肥満一歩手前ですよ。さすがにあり得んやろ? もう古いので壊れてるかも? 体脂肪率というのはメーカーによって独自のアルゴリズムがあるので、数パーセント程度の誤差が出ることは普通です。どうもオムロンは高めに出る傾向があるようです。それが不愉快なので使いたくなかったのです(笑)。
次に買ったものは?
中華で懲りたので、次は日本製のタニタにしようかと思いました。オムロンは却下です(笑)。しかしスマホ対応となると結構いいお値段するんですよね。一番安いのでも8千円程度。それだけ出しても機能的には中華よりはるかにしょぼい。中華と同等の機能なら2万円はしますね。さすがに体組成計ごときにそこまで出せませんでした。日本製だからと言って必ずしも良いとは限らず、レビューを見るとbluetoothの接続が不安定だとか、アプリが糞だとか、あまり良い評価がありません。
そこでやっぱり中華ですよ(笑)。何だかんだ言って中華大好きなんですよね。だって安いんだもん(笑)。ただしあんまり安すぎるものは怪しいので、今回は少し高めの4千円台から探してみました。その辺の価格帯ではXiaomiのmi体組成計2が定番なんですが、あんまり評判が良くないのでパスして他のを探します。そこで見つけたのが下の商品でした。
Wellueというよくわからんブランドですが(笑)、これが気に入った最大の理由はデータの一覧表示が可能なことです。普通この手の体組成計はスマホ連携が前提となっているので、体重以外の項目はアプリで確認するしかないんですよね。たまにあったとしても表示は1種類で切り替え式なのがほとんどです。
しかしこの商品では8項目を同時に表示できて、しかもカラー表示でとても見やすい! こういう商品って他には見つからないんですよね。スマホがあれば要らないじゃないかと思われるかもしれませんが、やっぱりその場で確認できた方が便利なので、この機能はとても魅力的に思えました。
もちろんこれもまたフェイクの可能性がありますが(笑)、ちゃんと検証してフェイクだったら返品してやろうと思って人柱上等でポチりました。値段は通常4999円でクーポン使用で4200円程度になりますが、不定期にタイムセールをやってるので3千円台で買えることもあります。僕は3654円で買いました。
Wellue Lescale体組成計のレビュー
外観
サイズは前に買ったINSMART体組成計より一回り大きく、重さも若干あります。といっても薄型なのでとてもコンパクトであることには違いありません。表面がツルツルで電極がないように見えますが、ITOと呼ばれる導電性の薄膜が形成されており、電極の面積が広いので足のサイズや乗り方に関係なく安定して測定することができます。掃除するのも楽でいいですね。
電源は単4乾電池を4本使用します。もちろん付属しています。
ディスプレイ部
この製品の最大の特徴がこのカラーディスプレイです。体重/体脂肪率/BMI/水分率/筋肉量/心拍数/骨量/体型タイプの8項目を同時に表示できます。切り替えはできないので、それ以外の項目はアプリでの確認となります。
体重は50g単位まで表示されますが、そこまでの精度があるというわけではなく、公称精度は100g単位となります。50g単位は参考程度に考えた方がいいでしょう。
アプリはFitdays
スマホ連携の専用アプリは中華系で一般的に使われているFitdaysとなります。前のINSMART体組成計でも使っていたので、すでにインストールされていました。測定可能な項目は全部で15種類もあります(最後の体内年齢は下に隠れています)。
インストール後にアカウント登録をする必要がありますが、bluetoothをONにしてデバイス追加を選び、体重計に乗るだけで簡単にペアリングできました。接続も非常に安定しており、切れたことなど一度もありません。Amazonのレビューではつながらないと文句を言っている人がいますが、スマホとの相性が悪いか単に使い方が悪いだけだと思います。
測定時間は結構かかる
前のINSMART体組成計があまりに速かったので本当に測れているのか不安になるくらいでしたが(実際インチキだったし)、この製品は結構時間がかかるので本当に測定している実感があります。体重はほぼ瞬時に出ますが、体脂肪率その他が出るまで約10秒、心拍数が出るまではさらに20秒ほど待たされます。
心拍数も測れる
この製品の特徴として、心拍数も同時に測ることができます。心電式なので正確です。心拍数が測れるということはちゃんと電極が生きているはずなので、フェイクではないという証拠にもなりますね。
オフライン機能が便利
この製品は単体で体脂肪率その他を確認できるだけでなく、その場にスマホがなくても測定データを記憶しておき、次に同期したときに一緒に読み込んでくれるオフライン機能というものがあります。スマホを持って行ってアプリを立ち上げるのも結構手間なので、これは地味に便利な機能ですよ。
精度はどうか?
さて最後に肝心の精度です。まず体重ですが、最初に来た製品はただでさえ100g多く出るオムロンよりさらに200g多く出たので、精度不良で返品し交換しています。2台目はジムに置いてある体重計とピッタリ同じだったので正確です。個体差は結構あるようなので、精度が気に入らなければ交換した方が良いかもしれません。
そして恐怖のフェイク検証ですよ(笑)。これもフェイクだったらさすがにブチ切れます。そこで上のINSMART体組成計と同じように、グラフを作成して体重と体脂肪率の相関性を調べました。下がその結果です。
今回は体重と体脂肪率の間に相関は見られず、完全にランダムですね。ちゃんとインピーダンスを測定していればこのようにばらつくのが自然です。データは本物と思っていいでしょう。体脂肪率は13~14%の間で安定しており、オムロンとは3~4%の誤差がありますが、こっちの方が真実に近いと思いたいです(笑)。
念のため横向きに乗ったり、電極に紙を挟んでみたところ測れなかったので、フェイクではないと断定して良いと思います。
異なるメーカー間で比較しても意味がない
体脂肪率や内臓脂肪というのはインピーダンス法によって求めているわけですが、そもそもこれらは各メーカーがCTスキャン画像などを元に蓄積されたデータから推定して出しているものです。その計算式はメーカーによってまちまちですから、メーカーの違う製品どうしを比較しても意味のないことです。数パーセント程度の誤差は当然あるでしょう。
だからどのメーカーの製品が正しいというわけではなく、一度決めたらその製品の中で体脂肪率の変化に注目することが大切です。インピーダンス法というのはあくまでも簡易的な測定法ですから、絶対値には大した意味がないと考えるべきです。
まとめ
これまで3週間余り使っていますが、トラブルは全くありません。測定データも本物らしいので満足して使っています。中華の体組成計って腐るほど出てますが、その中でデータの同時表示ができるものはほとんどありません。お金のある人は日本製を買った方が安心かもしれませんが、手頃な価格で高機能なものが欲しければ十分おすすめできる商品であると思います。
コメント
紙を挟んでも数値が変わらないというのは笑っちゃいました。
でもまともな中華製もあるので、それを探す旅も
楽しいかも。
私的には以前2000円で買った中華スマートウオッチが
実にすばらしいです。。
宝さがし感覚ですかね。。
>タケヘイさん
中華は当たり外れが大きいですね。
昔は安かろう悪かろうのイメージがありましたが、最近の中華はめったにハズレはないように思います。
今回の体組成計は稀に見るハズレでした(笑)。
スマートウォッチは値段の割に高機能なものが多いですね。実用的には何の問題もありません。
いつもガシェット紹介をありがとうございます。
人柱・・もとい 暮らしの手帳的・詳細なご紹介に頭が下がる思いでございます
思い返せば、Etrex30x から貴兄の人柱・・もとい 暮らしの手帳的 に示唆されて
購入したもろもろ・・ほぼ外れが御座いませんでした。スマートウオッチ・ステムポーチ・サイコン・・ETC
ありがとうございます。衷心より感謝申し上げます。
さて 今回の体重計いつものように人柱貴兄の(失礼しました・暮らしの手帳個人版でした)
レポを見て購入しました・・
素晴らし製品ですね。
この価格でよくもまあ・ここまで煮詰めた製品を出しますね。
日本ならこの製品をこの価格出したら企業は倒産しますね。
中華 恐るべし ですね。
体重計に搭載されるセンサー類は当然ながら兵器にも搭載できるので、中華はトマホーク的ミサイルをたぶん500万位で製造してしまうのでしょうね?
ああ おそろしあ ですが、いい製品で、ほしい表示が揃った中華ベストバイ 体重計では無いでしょうか。
こんにちは。
購入されたんですね。参考にしていただきましてありがとうございます。
前回の体重計は大ハズレでしたが・・(笑)
確かにこの体重計は値段の割に非常に完成度高いですね。
あまり注目されてないようですが、中華の体重計では逸品だと思います。
こんな値段で出されては日本企業はひとたまりもありません。
近い将来、日本企業は中国に駆逐される未来が見える気がします。