人生初の落車顛末記

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自転車自転車趣味

お恥ずかしい話ですが、旅先で落車をしてしまいまして、そのまま帰還となりました。自分はこれまで30年以上サイクリングを続けてきて一度も落車した経験がなく、無事故・無落車が秘かな自慢でもあったのです。本当に自転車でこけたことは滅多になく、立ちゴケすらしたことがありません。こけたのと言えば、凍った雪道で明らかに滑ることがわかっていてこけたのが2度ほどあったくらい。ちょっと転んだ程度でした。

それが今回は明らかに落車と言えるくらい派手にこけてしまい、負傷もしました。そして救急車を呼ばれる事態になってしまいました。この日は軽くポタリングの気分だったのですが、まさかこんなことになるとは夢にも思いませんでした。気の緩みと言えばそれまでですが、何もなさそうな路面でなぜ突然こけたのか、未だに原因はわかりません。

ただ派手にこけた割に自分の怪我は軽い擦り傷程度で、骨折など一切ありませんでした。そして自転車はひっくり返って自分の上に覆い被さってきたにもかかわらず、どこも壊れていなかったのです。そのため自力で乗って帰ることができました。こんな軽微な被害で済んだのが不幸中の幸いでしたが、どう考えても不思議で仕方ないのです。

当初、現場付近を見渡して障害物になりそうな鉄板にぶつかって前転したものと思い込んでいましたが、後になって考えるとこれは不自然であることに気付きます。そして状況証拠を積み重ねていった結果、それは絶対にあり得ないという確信に変わりました。

ここでは注意喚起の意味も込めて、落車に至るまでの経緯とその後の対応、そして状況証拠と自分の記憶を頼りに真の落車原因を検証した結果を書き残しておきたいと思います。

落車までの経緯


この日は清里駅から出発して、特に目的は決めず野辺山周辺をポタリングしようと考えていました。


最初に立ち寄ったのは清里と野辺山の間にあるJR鉄道最高地点です。


その後、そこから近い国道沿いにある八ヶ岳眺望広場に立ち寄りました。


それから野辺山方面へ向かって国道141号を走行していました。八ヶ岳眺望広場を出てすぐのところです。このあたりは緩やかな上り坂になっています。そして赤丸で囲った付近で落車が起きました。


現場付近のGoogleストリートビューも貼っておきます。同じ鉄板はありますが、撮影時とは状況が少し変わっています。

落車時の状況

自分は白線から30センチほど左側の路側帯内を走っていたと思います。緩い上り坂であるためスピードは出ていません。GPSログの解析から落車直前の速度は18.1km/hであることが特定できました。まあ速くはないですが、何かにぶつかればそれなりの衝撃がある速度です。

一見何の障害もなさそうに見える路面を順調に走っていたところ、突然下からゴツンと突き上げるような強い衝撃を感じました。そして一瞬、体が浮き上がるような感覚がありました。

転倒の危険を感じたので、普通なら何とか体勢を立て直そうと努力するのですが、そんな暇もなく一瞬で前に投げ出されました。突然のことで何が起こったのか状況を飲み込めませんでした。この時、一瞬だけ路面を確認した気がします。その時は確かにアスファルトの上を走っていたと記憶しています。

路面に投げ出されるとともに、自分は前方へうつ伏せに倒れました。その時、自転車は自分の左側にあったことをはっきり記憶しています。

自分が路上に倒れた後、どのくらいの時間があったかわかりませんが、少し遅れて自転車が自分の上に落ちてきました。そして自転車の下敷きになりました。

倒れた後、反射的に体の怪我を確かめました。手足に痛みはないし、骨折はしてないようです。頭はどこも打っていないと思います。ただ下顎に痛みがあるので触ってみると出血していました。唇の内側も少し切ったようで、血の味がしました。

こんな車通りの多い場所で倒れていたら目立ってしょうがないので、早く起き上がらなければと焦りましたが、上に乗っかっている自転車が重くて思うように体が動かないのです。地震で家具の下敷きになったらこんな感じなんだろうなと思いましたよ。なかなか起き上がれないもどかしさから、少し落ち着くまで待とうと地面に伏せていました。その間、2~3分のことだったと思います。

自分はうつ伏せになっていて周囲の状況が全くわからなかったのですが、おそらく路上に倒れてて動かないのを心配して車を止めたのでしょうね、前方から一人の男性が近付いてきて大丈夫ですか?と声をかけてきました。そして上に乗っかっている自転車をどけてくれて、自分はようやく起き上がることができました。その時点でどこも痛いところはなく、普通に歩けました。

落車後の対応

これも状況がよくわからないのですが、その後すぐ高校生と思われる5人くらいのグループが集まってきました。たまたま近くを歩いていたのか、男性と一緒に車に乗っていたのか、そこまではわかりません。聞くと地元の学校ではないようで、たまたまこっちに来ていたらしいです。そして顔から出血しているのを見て救急車を呼びましょうと言ってきました。そんな大ごとにはしたくないし自分はどこも痛くないので大丈夫と言ったんですが、確認だけでもしてもらった方がいいと言うので素直に従いました。

最近は救急出動が多くて混んでるらしいので、大したことなければ後回しにされるんでしょうね、30分くらいかかると言ってました。時間かかるから先に行っていいよと言ったんですが、到着して処置が終わるまで待っていてくれました。本当に申し訳ない。

30分強くらい待ったと思いますが、ようやく救急が到着しました。サイレンを鳴らして来たのが恥ずかしかった(笑)。一応事故なんで、警察も一緒に来ました。こんなのどかな場所に数人の救急隊と警察官で何だか物々しい雰囲気に。

救急からはまず事故時の状況を聞かれ、怪我の具合を確認されました。そして吐き気がしないか、手足の痺れはないか、持病の有無について聞かれました。あと血圧とSpO2を測定され、頭の損傷と骨の異常がないか確認されました。その後、傷の消毒だけしてもらって処置は終了です。

ストレッチャーも用意されていて、病院に行くか聞かれましたが、自分はどこも痛くないので大丈夫ですと丁重にお断りしました。意識ははっきりしてるので大丈夫だろうと言ってくれました。ヘルメットは被っていたのであまり心配はされなかった様子です。人生初の救急搬送だけは何としても避けたかったですから(笑)。

その場合、不搬送同意書という書類に記入を求められます。救急隊としては病院搬送することが任務なので、本人の意思で辞退した場合はその確認が必要になるわけです。

自分では救急車のお世話になるほど大した怪我ではないと思ってたんですが、一応体の状態を確認してもらえて安心できた面はありました。こんな些細なことで駆けつけてくれて適切に処置してくれた救急隊員には本当に頭が下がります。

その後は警察から事故当時の状況について聞かれました。車は全く関係ないことがわかっていたので単独事故扱いですが、保険で自転車を修理したりする際に事故証明が必要になるので、調書は作っておかないといけないらしいです。まあ自分は自転車保険には入ってますが、車両の保険まではかけてないので使うことはないですけどね。

警察からは怪我の具合と車台番号の確認、そして自転車の損傷箇所の写真を撮影されました。こんな些細な事故でも警察はしっかり調査するんですね。自分のしょーもないミスで仕事を増やしてしまって本当に申し訳ないです。親切にしていただいた警察の方には感謝しかありません。

そして何よりも救急を呼んでくれた高校生の皆さん、本当にありがとう。いざという時に冷静に行動できるのは凄いことです。状況を的確に説明して救急要請し、到着するまで待っているなんて簡単にはできないことですよ。若いのに本当に立派。今どきの若い者は‥なんて一括りにしちゃいますが、こんな立派な若者もいるんだと、そのことに感動しましたね。

身体の負傷具合

派手に落車した割に、自分でも信じられないくらい怪我がありませんでした。普通、こういう落ち方をすれば少なくとも膝や肘から血を流しているのが当たり前ですが、全然ない。確認できる怪我の箇所は以下で全部でした。


一番大きいのは下顎やや左側の擦り傷。直径3センチくらいです。血が滲んでいてじゅくじゅくしていました。

その他は、左頬骨のあたりに見た目わからないくらいの軽い擦り傷、唇内側の切り傷、左膝に直径3ミリくらいのごく小さい擦り傷、そして右手小指の付け根あたりに軽い打撲痕だけでした。

機材の損傷状況

落車した瞬間、終わった!と思いました。自分の身体より自転車を心配するのは自転車乗りの性でしょうか(笑)。でも帰ってから入念に確認してみると本当にどこも壊れていない。ハンドル周りにちょっと傷が入っただけでした。通常真っ先に壊れるハンガー周りは無傷。おかげで何の問題もなく乗って帰れました。これも奇跡としか言いようがありません。確認できる損傷箇所は以下で全部でした。


右STIレバーの傷。


左STIレバーの傷。こちらは角度が少しずれていました。


eTrexの画面に傷。まあ表示部分は外れているので使用上問題はありません。


ライト後部に小さな傷。

本当にこれだけです。フレームには一切傷入ってません。全てがハンドル上面に集中しているため、ハンドルから逆さまに着地したと考えるのが自然ですね。

その後の経緯

大した怪我もなく、自転車も壊れていないのでサイクリングを続行しようと思えば可能でした。でもちゃんと点検しないと怖いし、第一この状況で続行できる神経は普通ないでしょう。これはやめとけということだと思ったので、迷うことなく中断を決めました。幸い清里まではほぼ下りなので、ここからならすぐ帰れます。めちゃくちゃゆっくり走ったのは言うまでもありません(笑)。

本当ならもう一日滞在してどこかサイクリングする予定でしたが、行先を考えあぐねるほど行きたい場所が見つからないので、一日繰り上げて翌日帰宅することにしました。テンション激下がりでサイクリングするような気分ではないし、むしろ早く帰れてラッキーくらいの気分でした(笑)。

落車の原因となった障害物?

今回は何らかの障害物に接触して落車したことは確実ですが、それが何だったのかは実際に見ていないのでわかりません。


現場付近を見渡すと、唯一障害になりそうなのはこのめくれ上がった鉄板だけでした。路側帯内の路面もじっくり確認しましたが、障害になりそうな段差や陥没は何もないんですよね。石が落ちているということもありませんでした。

落車直後はこの鉄板に前輪がぶつかって前転したんだなと自分で思い込んでいました。警察にもそのように説明しました。状況を見る限り、原因としてはそれしか考えられないからです。

前転説は否定?

落車直後は気が動転していて記憶が混乱していたのだと思いますが、後で冷静になって考えてみると鉄板にぶつかって前転というストーリーはどう考えても不自然だと思い始めました。上の写真を見てわかるように、鉄板は路側帯の一番端、側溝の上にあります。いくら何でもこんなギリギリ端を走ることはあり得ないと思うのです。よそ見していたら別ですが、ちゃんと前は見て走ってましたからわざわざ自分から突っ込むことなどあり得ないはずです。

それにもし前輪がこれだけの鉄板に当たったら亀裂が入ってバーストしてもおかしくないし、フォークが曲がったり、ホイールが振れたりするはずです。自転車が大破してもおかしくないくらいの衝撃ですよ。でもフロント周りにはどこにも損傷は見られません。

もし前輪が鉄板に当たれば前からの衝撃を感じるはずですが、実際には後輪側から衝撃を感じました。これは間違いありません。それに前転したら前に思いっきり飛ばされて、こんな怪我では済まないはずだし、背中から着地した可能性もありますね。何よりも自分が自転車と一緒に前転したという記憶は全くないのです。

当初は自分の上に自転車が落ちてきたことから自転車と一緒に前転したのだなと勝手に思い込んでいたのですが、これはどう考えてもあり得ない。前転説は自分の勘違いだったに違いないと疑念を抱き始めました。

真の落車原因を検証する

自分は理屈に合わないことは徹底的に調べないと気が済まない性格なので(笑)、できる限りの状況証拠を集め、断片的な記憶を掘り起こしていきました。その結果、ある仮説が浮かび上がってきました。

決定的な状況証拠

前輪が鉄板に当たるほどギリギリを走ることはあり得ないと思いましたが、もしかしたら左のペダルが接触した可能性は考えられます。それを思いついてペダルの状態を確認してみました。


すると思った通り、左のペダルには鉄のサビが付着していました。接触して削れた傷も2ヶ所確認できます。もちろん右のペダルにはありません。このことから左ペダルが鉄板に接触したことは確実となりました。逆にペダルに接触したということは前輪には当たってませんね。

それならばペダルが鉄板に接触して転倒したのは確定的だと思われます。でもこの写真を見て何かおかしいことに気付くでしょうか? このペダルは片面SPDで片面フラットなのですが、傷があるのはSPD側なのです。フラット面にはありません。シューズが固定されている状態であれば、この場所に傷が付くことは絶対にあり得ません。

もしかしたらフラット面を踏んでいた可能性もありますが、それはまずないと思います。ごく短い距離ならフラット面を使うこともありますが、この先はしばらく止まる予定がなかったので、間違いなくSPD面を使っていたと思います。それにペダルに接触したら足裏の感覚で気付くと思うんですよね。

そうだとすれば、なぜSPD面に傷があるのか? 唯一の可能性はシューズが外れた後に接触したということです。衝撃を感じて自動的に外れたのか、とっさに外したのかはわかりませんが、自分が倒れた時にはシューズは両足とも外れていました。ですからシューズが外れた後に接触した可能性はあり得るのです。

鉄板は直接の原因ではない?

自分が落車した瞬間、自転車は左側にあったことを記憶しています。これはほぼ間違いありません。その時、まず右足から着地して左足を上げて自転車から飛び降りたような気がするのです。

その後、自転車は左側へ倒れたのかどうかですが、もし倒れたとすればその場で止まるはずですから、自分の上に落ちてくることはないはずです。それに自転車が倒れる時は、必ずハンドルバーエンド、サドルの角、ペダルの横が最初に接地するので、そこに傷があるはずなんですよね。でも左右とも傷は全く見当たりません。

このことから自転車は自立したまま前に転がり、ペダルが鉄板に接触した可能性が考えられるのです。ほとんどあり得ないようなレアな状況ですが、そうとしか考えられないんですよね。

鉄板の高さから考えて、接触した時にはペダルは下死点付近にあったと思われます。その位置で後ろ向きに力がかかるとペダルを正回転させようとします。後輪が前に進もうとする力と鉄板が後ろへ押し戻そうとする力が釣り合ってロック状態になると思います。人間が乗っていない状態だと前輪に荷重がかかってませんから、後輪に大きなトルクがかかれば簡単にウイリー状態になって前輪が浮き上がると思われます。その後、後輪を支点として後転する形で自分の上に落ちてきた可能性が考えられるのです。

ほとんどあり得ないようなストーリーですが、落車してから自転車が落ちてくるまで少しタイムラグがあったことからその可能性は否定できません。ハンドル上面以外、どこにも傷がないこととも辻褄が合うのです。自転車がどういう形で乗っかっていたのかは直接見ていないのでわかりませんが、最初に助けてくれた方が自転車を動かした後、進行方向後ろ向きに置かれていたように記憶しています。それが記憶違いでなければ後転して落ちてきたことと一致します。

もちろん自分の記憶違いでフラット面を踏んでいた可能性が絶対ないとも言い切れません。そうだとすれば上の仮説は根底から崩れ、単純にペダルが鉄板と接触して転倒し、横に倒れたというストーリーになります。でもその場合、ハンドルの両側に傷が付いていることは説明が付かないんですよね。

自転車の下敷きになったことが事態を悪化させた

今回の事故は単純な落車ではなく、転倒と自転車が落ちてきたことは分けて考えるべきだと思っています。つまり自転車が落ちてきて自分が下敷きになったのはあくまでも二次被害なのです。その原因はおそらく鉄板です。

もし単に転倒しただけであれば、恥ずかしいのですぐ起き上がって何事もなかったように立ち去ったはずです。そして何食わぬ顔でサイクリングを続行していたでしょう。しかし自転車の下敷きになって動けなくなったことで人目を集めてしまい、事態が思わぬ方向へ進んでしまいました。そりゃ路上に人が倒れていたら誰でもびっくりするでしょう。

真の原因は何か?

自分が考えるストーリーでは鉄板は二次被害の引き金になったに過ぎず、最初の落車は別の原因があるだろうと思っています。それは最初に感じた下からの突き上げです。

しかし路面の段差や陥没など障害になりそうなものは何も見つかりませんでした。もし可能性があるとすれば、大きめの石しか考えられません。石ならば衝撃で飛ばされてどこかへ行った可能性があります。現場の左側には側溝があるので、そこへ落ちてしまえばわかりません。アスファルトと同化して見落とした可能性もあるでしょう。

残念ながら状況証拠からそれを確かめる術はありません。真の原因は未だに謎に包まれたままです。しかし原因がわからないままでは今後何に気をつけて良いのかわからないんですよね。

怪我が少なかった理由

大きな落車をした割に自転車がほぼ無傷なのも奇跡的ですが、自分の怪我が驚くほど軽いのも信じられないんですよね。普通こういう落ち方をすれば肋骨を強打して最悪骨折する恐れがあります。不思議なことに、服が破れたり汚れていることも全くないんですよね。何もなかったようにきれいなままです。

一つには緩い上り坂でスピードが出ていなかったということがあるでしょう。これは幸運と言わざるを得ません。もし30km/hくらい出ていたらもっと大きな怪我を負っていたはずです。

そして最大のポイントは落車した時の姿勢にあったと思います。断片的な記憶をたどっていくと、衝撃があって前に投げ出された後、最初に右足から着地したと思います。そして右手を前について体を支えながら、左足を引きずる形で自転車から降りたと思われます。そのことはシューズの傷み具合からも読み取れます。


落車後のシューズの状態。右に比べて左の爪先には削れた跡が多数見られます。しょっちゅうグラベルを押し歩いていたのでその時に付いた可能性もありますが、左の傷みが激しいことは確かです。

つまり最初に足から着地したことで、体へのダメージは最小限に抑えられ、非常にソフトに着地したと思われます。起き上がった直後、右足の太腿に強い筋肉痛を感じたので、瞬間的に大きな力がかかったのだろうと思います。右手の打撲痕もとっさに手をついたことを物語っていますね。

下顎の傷がいつできたのかはわからないのですが、もしかしたら自転車が落ちてきた弾みで地面に打ち付けた可能性もありますね。これも二次被害の可能性はありますが、確証のしようがありません。

あとヘルメットの左前部にごく薄い擦痕が見られました。ほぼかすったくらいでしょう。これは左頬に擦り傷があることとも合致します。もしヘルメットを被っていなければ額を打った可能性はありますね。

落車を避けるためには

Twitterをやっていると落車した話はよく見聞きするのですが、やはり自分が当事者になってみないと危機感は湧かないですよね。起きてしまったことは仕方ないので、今後それをどう生かすかにかかってますよね。外を走る以上、落車のリスクをゼロにすることはできませんが、自分の心がけ次第で限りなく小さくすることはできると思います。

油断は大敵

今回はのんびりポタリングで、しかも上り坂でスピードが出ていなかったから気の緩みがあったことは確かです。でもどんなライドであれ油断は絶対禁物です。

下り坂で高速ダウンヒル中は神経が張り詰めてますから滅多に事故は起きないものです。自転車に限らず、ほとんどの事故は気が緩んだ時に起こります。明らかに危険な場所では滅多に事故は起こりません。安全そうに見える道、通り慣れた道こそ危ないのです。

サイコンなどに気を取られているのは危険だし、景色に見とれているのもいけませんね。景色を楽しむのは立ち止まってからにしましょう。

必要以上に端に寄らない

道路の端には段差やグレーチング、ガラス破片など危険な障害物がいっぱい潜んでいます。端へ行けば行くほど危険度が増します。交通量の多い道ではつい端の方を走りがちですが、これはやめた方がいいです。車が来たら避けられるくらいの余裕を残して車道寄りを走るのがベター。

下を見て走ろう

車との接触ばかりが注目されますが、ロードバイク事故の大半は単独事故なんですよ。中でも一番怖いのが路上の障害物です。今回それを思い知らされました。路上の障害物が原因で大けがをした方も知ってますから、これだけは最優先で注意すべきなのです。

前3下7くらいの割合で注意を払うのがいいと思いますよ。基本的に前方にある物にぶつかることはまずないわけですから。下と言っても直近ではなく、できるだけ早く発見できるように10メートルくらい先を見るのがいいですね。

特に石は要注意です。林道なら落石があって当たり前と思ってますが、国道に石が落ちているとは普通思わないので、よほど注意しないと見落とします。

段差は斜めに乗り越えない

初心者がよくやりがちなミスですが、段差に浅い角度で進入するとロードバイクの細いタイヤは制御を失って容易に転倒します。これで何度も怖い目に遭いました。段差を乗り越えるときはできるだけ直角に近い角度で進入しなければなりません。それが無理なときは降りて持ち上げることです。

怪我をしない体づくり

落車はしないに越したことはありませんが、万一落車してしまったとしても怪我をするかしないかは個人差がかなりあると思うんですよね。しょっちゅう骨折している人もいれば、かすり傷で済む人もいる。これは一体なぜなんでしょうか?

サイクリングを持続可能にするには怪我をしないということが大前提だと思うのです。パワー自慢の剛脚を目指すより、怪我をしない体を作る方が長い目で見て得ではないですか? 怪我をしたらその間乗れなくなるし、下手をすると二度と乗れなくなる可能性もあり得ます。

自分は貧脚で全くパワーはないですが、今まで怪我をしなかったのはそれなりの理由があったと思うんですよ。怪我を負うリスクを減らすためにはどうすればいいか考えてみました。

体の柔軟性が大事

体が固い人は怪我をしやすいとよく言われますね。自慢じゃないですが、自分は体がかなり柔らかい方で、前屈で指十本つけられます。体が柔らかいと何が良いかというと、落車したような場合に機敏に動けてダメージを最小限にすることができるからです。

これは意識してできることではありません。無意識の反応として体が自動的に動いているのです。そんな時に体が固いと自由な動きを妨げてしまいます。怪我をしやすいというのはそういうことですね。

柔軟性を身に付けるにはストレッチを続けることが一番ですね。自分は登山の膝痛対策として始めましたが、毎日欠かさず続けることで膝痛は出なくなったし、体も相当柔らかくなりました。筋トレするよりお得だと思います。

骨を強くしましょう

骨は文字通り体の屋台骨なのです。骨が脆くなると体中がガタガタになります。自分の親を見ていてそう思いましたね。自分は今まで骨折をしたことがないですが、骨は相当強い方だと思っています。

骨を強くするにはカルシウムは十分摂りましょう。でもカルシウムだけでは駄目で、ビタミンDも一緒に摂る必要があります。ビタミンDは骨の合成を促進する重要な栄養素です。食物やサプリから摂ることもできますが、日光を浴びることでも体内で生成されます。現代では日焼けは悪いことのように思われていますが、適度に日光を浴びることは大事です。過度な日焼け対策はやめた方がいいですよ。もともと人間の体はそのようにできているのですから。すべての常識は疑いましょう。

グローブは着けましょう

落車したような場合は必ず手をついてしまうので、その時に手を怪我する可能性が非常に高いです。今回も手をつきましたが、グローブをしていたので軽い打撲痕だけで済みました。なかったらかなり怪我をしていたと思いますね。

ヘルメットを被るのはもちろんですが、グローブは必ず着けた方がいいですね。サイクリングする人は普通していると思いますが、どんなゆるポタであっても怠らずにするべきです。どこでこけても同じことですから。

結び

今回は人生初の落車を経験して大げさな事態になってしまったのですが、大した怪我もなく帰って来れたのは幸いなことだったと思います。ただこういう事故を起こしてしまうと周りの人を巻き込んで大きな迷惑をかけてしまうので、絶対にあってはならないと思いました。今回の経験を生かして、今後は路上の障害物に十分注意し、安全運転に心がけます。そして路上で困っている人を見かけたら今度は自分が助けてあげようと強く思いました。

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コメント

  1. きんなん より:

    詳細な分析さすがですね。
    しかしこれだけ詳細に振り返っても落車の原因はハッキリとは分からないですね。
    もし落車を引き起こすようなものを踏んでたとしたらホイールに傷やパンクが発生している可能性が高いんじゃないかなと個人的に思います。

    ちなみに自分はロードバイクを始めて間もない頃に事故したことがあります。
    現場は道路の舗装をやり直す工事中で、車道の舗装が削られてガタガタになっていました。
    路側帯の外側は手つかずだったので、そっちに乗車したまま退避しようとした次の瞬間、自転車ごとふっ飛ばされて頭から落ちていました。

    削られた舗装と手つかずの路側帯の間には2~3センチの段差ができており、ロードに乗り始めた頃でまだコントロール技術も未熟だったのが原因でした。

    フロントホイールがポテチになってしまったので、工事の責任者の方に車で最寄りの自転車店にまで送ってもらい、そこでひとまずのフロントホイールを購入して自走で家まで帰りました。

    車で送って頂いた工事の方には後日お礼の手紙と菓子折りを送りましたが、まだ始めたばかりの頃だったこともありこんな他人に迷惑かけてまでサイクリングなんてやりたくないと思ってしまいました。結局それで辞めることはありませんでしたが。

    自分の場合その後何回か落車と事故を経験してしまいましたが、今は走行ペース的にも運転的にも無理はしないと心がけこの6年間ほどは大きな事故なくこれています。

  2. SORA より:

    そうなんです、石を踏んだとしてもタイヤに傷は入りそうなんですけどね、傷も全くないんです。狐につままれたみたいでますますわけわからないです。

    段差乗り上げは典型的な初心者のパターンですね。しかも頭から落ちたら非常に危険ですね。落車したら他人に迷惑をかけてしまうのが一番辛いんですよね。

  3. romi より:

    こんにちは、まずは大きなけがが無くて幸運でありましたね。

    落車はいきなりな感じで起きてしますので、恐ろしいですね、たまたま横に大きなトラックとか走っていなかったとか・それほどスピードが乗っていなかったとかの、幸運が重なって今現在命がつながっている感がしています。

    (そうゆう私が3月に落車して鎖骨骨折してようよう自転車再開できています)

    面白くレポート「不遜ではありますが、落車してるのに自転車の破損が気になる辺り、自転車乗りあるあるで身につまされました」
    を拝読させていただきました。

    私も落車の状況を振り返ると、路面に敷いてある鋼板の段差2CMくらいに浅い角度で前輪を乗り上げてハンドルを取られて転倒パターンでした。

    しかし段差に浅い角度で乗りあげる事は自転車乗りならだれでもタブーであることは知っている事柄であるのに何故にそうなったか?は

    路面をよく見ていなかった に集約されていました。

    人生おりかえし地点も過ぎて還暦超えの私は、気持ちは15歳時と何ら変わらないのですが、肉体は経年劣化がはなはだしく反射時間・反応速度・肉体の柔軟さ、はどうする事もできない耄碌状態なのです。実は視力もだいぶ衰えている、特に動体視力。

    まぁ 歳ですわ・・落車した時に鎖骨が折れたことは認識できていました、救急車案件である事も自分の肉体の尋常でない痛みで判ってはいたのですが、「救急車呼んだら自転車を置いとかなあかんなぁーと考え」「あかんそんなんしたら自転車100パー盗まれる」と考え自宅まで20k自転車を漕いでかえりました。

    実に恐ろしいのは、貧乏自転車乗りの貧乏根性ですわ・・・

    家に帰りついて山の神が開口一番 「ええ歳のじじぃがぁー、いきってロードバイクなんか乗り回すからコケるんやー、耄碌じじぃー」とのありがたい言葉を胸に自転車再開させていただいております。

    あだまだ暑い時期がつづきますが、お体ご自愛いただきましてお元気におすごしくださいませ。

  4. SORA より:

    こんにちは。
    ほんとに命がつながってるのはいろいろな幸運のおかげなんですよね。
    小さめの段差だと大丈夫と油断してしまうこともありますよね。最近は絶対怖いので停止寸前の速度まで落としてから乗り越えます。
    救急搬送されたら自転車はどうなるんでしょうね? 実は自分もそれを考えました(笑)。
    骨折しながら自転車こいで帰るとは自転車乗りの鑑ですね(笑)。
    ご自愛くださいませ。

  5. 山羊 より:

    こんにちわ、参考になる情報沢山あり楽しく拝見させて頂きました。
    私もスタート時のチェーン落ちで右斜め前方に落車したことあります。
    速度はゼロで落車したのですからそりゃビックリですよ。
    私は両面SPDですが、釈迦に説法で大変恐縮ですがSPDは踵方向に力がかかると外れる場合が有りますよね。
    貴殿の落車原因の考察を拝読して私なりに考えさせて頂くと、登り坂でパワー出している&左足シューズ爪先などが鉄板などの障害物に当たるとビンディングが外れ左足がすっぽ抜け状態となり前方へ体が投げ出され、同時にバイクには逆回転モーメントが発生してバイクは急停止&体の上に乗っかる状態になったのでは……と推測しました。
    理由は、後輪が突きあがった、SPD面側に傷がある、ハンドルバー前方に傷がある、など状況証拠と一致するからです。
    最後に。
    私は安全運転の為の自己ルールとして基本的に路側帯や側溝は走らない様にしてます。
    仰られるように非常に危険ですし車道では無いからで、白線が有る道路では白線ギリギリ車道側を走ってます。
    では、では。

  6. SORA より:

    こんばんは。
    まず現場は平坦から緩い上り坂にさしかかるところで、ペダルにはほとんどトルクがかかっていません。
    それにシューズの爪先に当たったとしたら覚えているはずなんですよね。
    自分でも状況をはっきり思い出すことができませんが、そういうことはないと思います。何の前触れもなく突然衝撃が来ました。