[GAVEL] ブレーキキャリパーを交換しました

スポンサーリンク
カスタマイズ自転車

今年の1月にNESTO GAVELを買って以来、実はあまり乗っていません。乗りたくない最大の理由はブレーキがあまりにも効かないからです。下ハンを持って思いっきり握ればそれなりに効きますが、ブラケットポジションではなかなか止まらなくて怖い。

機械式ディスクブレーキは効かないと言われますが、ここまで効かないとは想像の上を行っています。新品のうちは馴染みが出ていないので効かないのだろうと思ってましたが、ある程度距離を乗ってもあまり変わらない。少し調整してみてもあまり変わらない。

こうなるとブレーキ本体が悪いのだろうという結論に行き着きますね。しばらくは様子を見ようと思ってそのままになってましたが、やはり交換してみないと気が済まなくなったのでブレーキキャリパー交換に踏み切りました。

GAVELに標準で付いているブレーキ


標準で付いているブレーキキャリパーはテクトロ製のMD-C510という型番です。これはいわゆる片押し式というタイプになります。

片押し式と両押し式

ディスクブレーキの構造は2枚のパッドでブレーキローターを挟む仕組みになっています。このうち内側(ホイール側)のパッドは固定されていて外側(フレーム側)のパッドだけが動くタイプが片押し式と呼ばれます。つまり外側のパッドが押し出されてローターを内側の固定パッドに押し付けるわけです。このときローターには若干のたわみが生じます。

一方、両方のパッドが同時に動いてローターを挟み込むタイプを両押し式あるいはデュアルピストンと呼びます。イメージ的にはリムのキャリパーブレーキと同じですね。両側から均等に押し付けられるため、理想的にはローターのたわみは生じません。油圧式ディスクブレーキは一般にこのタイプです。

両押し式の方が優れているように思えますが、実は機械式ディスクブレーキでは片押し式が主流です。シマノをはじめ、評判の高いグロータックのEQUALでさえ片押し式なのです。ですから必ずしも片押し式が悪いというわけではありません。

機械式ディスクブレーキでは片押し式も両押し式も効き自体は変わらないと言われているので、そのことが交換を躊躇させてきたんですね。

TEKTRO MD-C550を選択

効きに不満があるなら、定評のあるグロータックEQUALにするのが確実なんでしょうけど、いかんせん高い。ブレーキに33,000円はちょっと出せないですね。まあ2万くらいなら考えますけどね、値段に見合うほどの効果はないとも言われているので、ちょっとコスパが悪すぎます。

そこで考えたのが同じテクトロのMD-C550という型番。これはグラベルロードの完成車に採用されることが多い定番キャリパーですが、両押し式という特徴があります。

価格はAmazonで1個6,000円弱と手頃です。最初からこれを付けておいてくれれば良かったのですが、コストダウンのためでしょうか、GAVELにはより安いMD-C510が使われているのです。

両押し式にしてもおそらくブレーキの効き自体はあまり変わらないだろうと予想されますが、それ以外にもメリットはあります。片押し式の場合、通常は内側のパッドは調整ボルトでクリアランスの調整が可能ですが、外側のパッドはワイヤーの張りで調整することしかできません。それに対して両押し式では両側に調整ボルトがあって、それぞれ独立して調整が可能です。つまりパッドが減ってきた時の調整が非常に楽というメリットがあります。

実際はアリエクスプレスで購入

Amazonだと前後で12,000円くらいになりますが、こういうものはアリエクスプレスで買った方が安いです。以前は到着まで時間がかかるイメージがありましたが、最近はずいぶん早くなって平均1週間前後で届くようです。自分も最近使い始めたところですが、特に急ぎでなければAmazonで買うよりお得だと思います。

MD-C550で検索してみると前後セットで9,054円というのがありましたので、それを購入しました。本当に届くかちょっと不安でしたが、注文してから1週間以内に届きましたよ。

まあアリエクスプレスの常として、化粧箱にも入っていない商品をプチプチで包んでビニールテープでぐるぐる巻きにしただけという超簡易包装で届きますが(笑)、中身は無事でした。


これがMD-C550前後セットです。不良品や中古品ではないか心配になりましたが(笑)、一応ちゃんとした新品で不具合もなく安心しました。これ実はアダプターや取り付けボルトは別売りなんですが、それも付属しているのでトータルでかなり安いと思います。

重量測定

お約束の重量測定です。以下、アダプターなしでの測定になります。


MD-C510は156.8gでした。


MD-C550は157.0gでした。誤差の範囲で全く同じですね。

MD-C510とMD-C550の比較

右がMD-C510、左がMD-C550です。


まずMD-C510にはないケーブルのテンションアジャスターがMD-C550には付いています。キャリパー側にアジャスターがないとケーブル側のアジャスターで調整するしかないので面倒だったんですよね。これは大きな利点。そしてMD-C550の方がアームが長いですね。ということはテコの原理が効いて引きが軽くなることが期待できます。


上から見ると気が付くのはアウター受けの位置です。MD-C510では外側寄りにありますが、MD-C550ではほぼローターの真上くらいにあります。後で説明しますが、この違いはケーブルの取り回しのスムーズさに影響してきます。

取り付けと調整


ディスクブレーキの取り付けは初めてなので戸惑いもありましたが、取り付け自体は簡単です。これは機械式ならではのメリットで、オイルを抜いたり入れたりという手間が要らず、リムブレーキと同じようにワイヤーを取り付けるだけです。

アダプターはMD-C510とMD-C550で共通なので、付属のものは使わず、取り付けボルトも含めてもともと車体に付いていたものをそのまま流用しました。

事前準備として、パッド調整ボルトを左いっぱいまで回し、一番開いた状態にします。そしてワイヤーのテンションアジャスターを一番締め込んだ状態にしておきます。これは後でパッドが磨り減ってきた時に調整の余地を残すためです。

問題はその後の調整です。パッドとローターの隙間はコンマ数ミリというレベルなので、ちょっとズレただけでもシャンシャン音鳴りがしてしまいます。ここは非常にシビアで苦労します。

一応、順序としてはまず2本の取り付けボルトを少し緩めて自由に動く状態にします。フレーム側のボルト穴は長穴になっているので、少しだけ左右に動くようになっているのです。その状態でブレーキレバーを握ることによりキャリパー本体がローターに対してセンタリングされます。そのままブレーキレバーを握りながら固定ボルトを締め込んで固定します。これがセオリー通りのやり方です。

こう書くと簡単そうですが、実はそれだけではうまく行きません。必ず斜めになってしまってパッドとローターが当たるのです。これには大きく二つの原因があります。

一つはケーブルのテンションに引っ張られて動いてしまうことです。一般的にケーブルの取り回しはリムブレーキのようにスムーズではありません。アウター受けに対して急角度でケーブルが入ってくるため、テンションがかかって横に引っ張ろうとする力が働きます。このためにズレるのです。

もう一つはボルトを締め込む時にズレ動く問題です。仮止めした時点ではうまく行っていても、そこからさらに本締めしていくとまたズレてしまいます。これが非常に厄介。

最初はうまく行かなくて途方に暮れてしまいますが、何度も試行錯誤を繰り返しているとだんだんコツがわかってきました。要はボルトを一気に締め込むからいけないのです。そこで角度にして15度ずつくらい、2本のボルトを交互に少しずつ締めていきます。1回締めるごとにローターが当たってないか確認します。これを繰り返していけばうまく行きました。

ケーブルのルーティング

MD-C550に換装したことにより、ケーブルのルーティングが少し変化しました。


これが元のMD-C510です。アウター受けがかなり外側にあるため、ケーブルが急角度で外側へ曲げられています。これが抵抗の原因になります。


MD-C550ではアウター受けがほぼローターの真上に来るため、比較的まっすぐに取り回すことができます。


同様にフロント側もかなり強引に曲げられていたのがスムーズになりました。

センタリング調整を容易にする治具

これは必須ではありませんが、センタリング調整のためにちょっとした治具を使いました。メンテナンス用にあらかじめ買ってあったものです。


グランジ製のディスクローターセンタリングツールというものです。安いものなので一つ揃えておいても損はないと思います。


使い方はシンプルで、ローターに挟んで先端の薄い部分をパッドの間に挿入するだけです。この状態でブレーキレバーを引きます。

これがあるとセンタリング調整がやりやすくなります。やはり一発では決まりませんが、先端が入ればパッドとローターが当たってないということなので、いちいち回転させなくても確認できます。先端が入る時に抵抗を感じないくらいに調整するのが目安です。

試走の結果は?

前後のキャリパー交換が終わった時点で近所をちょっと試走してきました。やはり確実に効くようになりましたね。前はブラケットポジションではなかなか止まれなかったですが、今は十分ガツンと効きます。下ハンだとちょっと前につんのめるくらいには効きますね。リムブレーキと遜色ないか、それ以上かもしれません。

またブレーキレバーの引きも明らかに軽くなりました。やはりアームの長さによるテコ効果とケーブルの取り回し改善による抵抗減が効いているのだろうと思います。前はグラベルの下りでずっとブレーキを握っていると腕が疲れて仕方なかったですが、それがだいぶマシになるかもしれません。とは言ってもリムブレーキに比べるとまだまだ重いんですけどね。

やっぱり人の噂を簡単に信じてはダメですね。デュアルピストンは確実に効果があります。こんなことならもっと早く交換しておけばよかったと思いました(笑)。

スポンサーリンク
SORAをフォローする

コメント