修験業山と栗ノ木岳

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登山

毎日拷問のようなお天気が続きます。ヒマ人は気が狂って死にそうです(爆)。この葛藤ってヒマ人にしかわからんだろうなぁ・・(^^;

ここで自転車乗ったら確実に嫌いになりますので、山に行ってきました。しかし今年はまだ本格的に登ってないので、足ができてない。行きたいところはあるけれど、いきなりやると膝をいわしそうなので、もうちょっと手近なところはないかと考えたら、修験業山と栗ノ木岳があったのを思い出しました。二つともそんなに高い山ではないんですが、なぜか今まで一度も登ったことがない未踏峰でした。たぶん展望があまり良くないと聞いていたので、いまいち足が向かなかったんでしょうね。標高差700m、距離は7km弱とまずまず手頃です。同じ行くなら未踏の山を攻めたいので、二つ一気に登れるお得な周回ルートを選びました。

修験業山、栗ノ木岳って名前も知らない人が多いマニアックな山だと思いますが、飯高あたりのR166を走っているとよく見える山です。特に栗ノ木岳は尖っているので局ヶ岳と間違える人も多いですね。展望はいまいちらしいですが、ブナの原生林が美しいということで、新緑を楽しみに行ってきました。

登山コース図


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登山口は美杉側の川上若宮八幡宮にあり、神社の前に広い駐車場があります。神社の境内を抜け、社務所の横にある「修験業山登山口」の石標を見て登山道に入ります。8:50にスタート。

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しばらくは川沿いに進んでいきます。いくつかの滝を見ることもできます。道が崩れている箇所があるので、標識の通り迂回します。

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45分ほど登ったところで堰堤に出ます。ここを右側から巻いて乗り越えた後は川沿いから離れ、尾根への急登が始まります。しばらくは薄暗い杉林の中をジグザグを繰り返して登っていきます。

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やがて視界が明るくなり、自然林の混じる尾根道に出ます。しかしこの後さらにきつい登りが待ち構えています。

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栗ノ木分岐に出る手前くらいのところ。ロープの張られた非常にきつい登りが続きます。噂に聞く急登とはこれのことですか・・。しかし思ったほどではなかったですね。手を使わないと登れないところもありますが、まあゆっくりでもいずれは着くので上りはどうってことはないです。

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きつい上りを乗り越えた後は比較的緩やかになり、栗ノ木分岐に着きます。ここを右に行けば修験業山、左に行けば栗ノ木岳です。後でまたここへ戻ってきますが、とりあえず修験業山のピークを目指してピストンします。

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稜線に出ると今までとは景色が一変して、自然林の中の大変気持ちの良い道になります。今ごろはバイケイソウの緑が鮮やかです。

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稜線にあるブナの大木。これを見るともうちょっとで高宮に着きます。

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高宮の近くに一本だけシロヤシオの木があり、白い花を咲かせてました。三峰山も昨年はダメだったけど、今年は当たり年なのかなぁ?

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そして鳥居のある小さな広場が高宮です。標高は1061mで、川上若宮八幡宮の奥宮になっています。

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高宮からは南側の展望が開けています。眼下には飯高の谷を見下ろし、背後には南亦山や仙千代ヶ峰でしょうか、大台町方面の山々がよく見えます。

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北側には美杉方面の山々が見えます。左から学能堂山、大洞山、尼ヶ岳と続きます。

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とりあえず修験業山のピークへ急ぎます。ブナの原生林がきれいです。

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高宮から15分くらいでしょうか、修験業山のピークに着きました。一応、三角点が設置されています。標高は1093.8mあります。しかし展望は何もなし。まあこれでピークは踏んだということで・・。特に見るべきものもないので、早々に高宮まで引き返します。

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高宮へ戻る途中、行きは気づかなかったのですが、正面に栗ノ木岳が見えるポイントがありました。

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再び高宮に戻って、お昼を食べました。少し場所を変えると住塚山、国見山、古後山あたりの曽爾の山々が見えました。

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お昼を食べた後、再び栗ノ木分岐まで戻り、栗ノ木岳を目指します。ここから上りだと思ってたら、いきなり下らされます。ちょっと下った尾根上に展望の開けるポイントがあり、実に堂々たる風格の迷岳が姿を現しました。

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いったん標高950m付近の鞍部まで下って、また登り返します。急な上りですが、ブナの原生林がきれい。

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急坂を登ってやっと頂上だと思ったら、実は前衛峰でした。正面に栗ノ木岳のピークが見えます。栗ノ木岳へはもう一回標高950m付近まで下らされて、また急な坂を登らなければなりません。読みが甘かったんですが、こういうのって辛いですよね・・(^^;

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このあたり山ツツジがたくさん咲いていて、激坂の疲れを癒してくれます。

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最後の激坂を登りまして、ようやく栗ノ木岳のピークに着きました。標高1066mです。栗ノ木分岐から30分くらいだろうと高をくくっていたら、しっかり小一時間もかかりました。

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栗ノ木岳も展望は良くないですが、北側に少しだけ曽爾・美杉方面の展望が開けます。大洞山と尼ヶ岳が見えてますね。ここから見ると大洞山がきれいな円錐形に見えるのが意外でした。花はもう終わってしまいましたが、このあたりシャクナゲの木が多いです。

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頂上は樹木に覆われて展望が効かないのですが、頂上からほんの10メートルほど東へ進んだところの岩場からは一気に展望が開けます。飯高の町並みや伊勢方面までくっきり見渡せます。

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また今まで見えなかった北部台高の山々がここへ来て初めて姿を現しました。桧塚や明神岳、国見山のあたりが確認できます。

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この先も結構長丁場ですので、あまり長居もできず、13:40頃に栗ノ木岳を後にして下山を開始します。まず若宮峠まで狭い尾根を下りますが、これがまたきつい。足場の悪いところもあるので、ロープを頼りながら慎重に下ります。

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若宮峠への下りの途中で初めて局ヶ岳が姿を現しました。距離も近く、圧倒的な存在感で迫ってきます。

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30分ほどかかって若宮峠に到着しました。ここは美杉と飯高を結ぶ古くからの峠道なんでしょうか? 「若宮駐車場」の道標に従って左へ下ります。

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若宮峠からしばらく石のゴロゴロした非常に歩きにくい斜面を下ります。ものすごく急坂の上、ズルズル崩れて滑りやすいので要注意です。またこの道ははっきりした踏跡はなく、時々不明瞭な場所があります。特に涸れ沢を渡るところで道が途切れており、見失いそうになりますが、わからなくなったら周りを見回して赤いテープを探しましょう。赤テープはたくさん付けられていますので、それを見失わないようにすれば迷うことはありません。途中、この道標のある尾根の分岐に出ますが、ここは標識の通り左へ下ります。国土地理院の地形図には尾根道が載っていますが、これは廃道っぽいので行かないのが無難です。

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ところどころこんな感じの歩きやすい道もあるのですが、長くは続かないのですね・・。次から次へと「障害」が現れます。

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やがて川音が近づいてきて沢を渡ります。何度も何度も渡渉を繰り返しながら、沢の両岸を行ったり来たりする感じです。そしてこんな倒木に行く手を阻まれることが二度。向こう側に赤いテープが見えるので道は間違ってないはずですが、どうやって乗り越えるかしばらく悩んでしまいました。ここは下にわずかな隙間を見つけてくぐり抜けることに成功。こういうところで思わぬ時間を喰います。

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若宮峠から駐車場まで距離にしてわずか1.8kmくらいのはずなんですけど、なかなか着きません。これでもかというほど沢を渡らされます。気分的には10キロくらい歩いた気がしますね(笑)。そして最後の渡渉の後、このコンクリート階段を登るといきなり駐車場に出ます。午後3時50分、若宮峠から実に1時間40分を要しました。山は登るより下る方が難しいって言いますけど、この山ほど実感させられることはないですね。上りは平気だったのに、下りでどっぷり疲れてしまいました。

今日は雲一つない最高のお天気で、未踏峰2座を制覇できて大満足でした。たしかに頂上からの展望は良くないですが、随所に展望が開けるポイントがあり、展望も十分楽しめる山だと感じました。何よりこの時期、ブナの新緑が大変美しく、それを見ているだけでも心が癒されます。訪れる人も稀ですから、静かな山を楽しみたい向きにはうってつけです。ただ若宮峠からの下りは正確なルートファインディングが要求される難易度の高いコースであり、安易な気持ちでは踏み込まない方が無難です。

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