貝原から櫃ヶ岳へ

スポンサーリンク
登山

櫃ヶ岳(ひつがたけ)って聞いたことない人が多いと思いますけど、下市町と旧西吉野村の境にある山で、標高は781mあります。実はこの辺りの西山地区は桃源郷と呼ばれてまして、初春のこの時期になるとピンクや黄色の花が織りなす美しい里山風景を見ることができます。櫃ヶ岳は里からもよく見える山なので名前を知ってたんですね。今まで毎年のように自転車でこの辺りを走ってたんですが、今年は山登りを兼ねて行ってみようと思いまして、櫃ヶ岳を登ったついでに桃源郷を見てこようというプランです。

GPSログはこちら↓


登山口は県道138号線沿いの貝原というところ。県道脇に結構広い空き地があるのでたくさん停めることができます。その向かい側にいつもなら黄色とピンクの美しい風景を見られるのですが、今年はまだ啓翁桜が咲いてなくてちょっと寂しい眺め。通常、桜の開花宣言と同時くらいに満開になるはずなのですが、今年は遅れてるようで全然ですね。ちと早すぎたか。


駐車地から100mほど手前の分岐を貝原集落の方へ登っていきますと、突き当たりに善徳寺があります。ここはしだれ桜で有名なんですが、まだ全然咲いてません。お寺の前で右へ鋭角に切り返して林道へ入っていきます。


櫃ヶ岳へ登るにはこの林道をずっと歩いて行くのがハイキングコースになっているのですが、往復同じルートでは面白くないと思い、上りは山道を直登して下りは林道経由にしようと考えていました。一応事前にコースの下調べをしたのですが、ヤマレコの地図では林道の途中から分岐して尾根沿いに登っていくところにGPSのトレースが残っています。地形図に描かれている点線道とは別なのですが、ほとんどの人はこのルートを通っていると推定できました。


善徳寺から切り返して最初に尾根を回り込む地点に入口がありそうなので、その辺を入念に探しました。写真の墓地のあるカーブのところがそうなのですが、道標はおろか登山道らしきものも見当たりません。一応石段のようなものが見えたのでちょっとだけ植林の斜面を登ってみましたが、あまりにも急斜面で踏跡もなく、どう見ても道には見えませんでした。その先も注意深く探しましたが、どこにも取り付けそうな入口は見当たりませんでした。


そこからさらに進んで、谷を大きく回り込む地点に道標がありました。そこにはもちろん林道をそのまま進むように書かれていました。そこから左へ折り返す形で別の林道が分岐していたので、もしかしたらここから尾根に取り付けるかもしれないと思い少し登ってみましたが、獣害除けゲートにぶつかり、開けるのがめんどくさそうだったので諦めて引き返しました。結局、正規の林道ルートで登るしかなさそうです。まあ林道を歩いた方が距離は長くても速いんですけどね。


さらに林道を進むとハイキングコースを示す道標が出てきて、指示通り左の林道へ進みます。直進すれば南山方面へ抜けられるようですね。


分岐してからやや急な坂を登っていくと、何と突然民家が現れました。生活感はちゃんとあります。こんな上にまで人が住んでるとは驚きました。


民家のあたりからは植林を抜けて明るい雰囲気に変わってきました。ずっと舗装路なのでロードバイクでヒルクライムも可能ですが、かなり激坂で道が悪いですよ(笑)。


林道からはところどころで展望も開けます。黄色いところが西山の集落ですね。形の良い山は城山でしょうかね?


二度のヘアピンカーブを過ぎるとまた林道の分岐がありました。左の林道はおそらく山腹に沿って深戸神社の方へ行くのだろうと思います。そこからも尾根道に取り付けそうなんですが、行けるかどうかわからないので深入りはしませんでした。


どんどん登っていきますと、ようやく稜線上に出て櫃ヶ岳350mの道標がありました。ここでメインの林道から別れてもう一本の細い林道に入ります。


分岐からすぐにまた道標があり、神社の鳥居が見えました。この鳥居を抜けて山道を登っていきましたが、すぐにまた林道に合流しました。結局ちょっとショートカットしただけのようです。


コンクリート舗装された急傾斜の林道を上っていくとまた道標があったので、右の細い山道へ入って行きました。ここはかなりの急登、本日唯一の山登りらしいところでした(笑)。


そしてほどなくして木造の建物が見え、山頂らしいところに着きました。櫃ヶ岳八幡神社というそうです。


本当の山頂はそこからもう一段登ったところで、小さな祠が建っていました。


山頂を示すものはこの古びた山名板だけ。三角点はないようです。


昔は展望が良かったそうですが、今は樹木が成長してほとんど展望はありません。それでも木の間越しに未だ残雪を頂く弥山・八経ヶ岳の雄姿を拝むことができました。今日はこれを見られただけで満足してしまいました。


山上ヶ岳もちらっと見えますが、木の間からはっきり確認できるのは稲村ヶ岳と大日山の尖鋒のみ。


山頂を後にして神社と反対側に進み、林道経由で下ります。結局、ほぼ山頂まで林道が来ているんですね。


再びメインの林道に戻ってきました。栃ヶ山2.2kmと書いてありますが、稜線伝いに栃ヶ山まで縦走することができて、そちらへ行く人が多いようです。ただ道がかなり荒れてそうなのと、里へ下りる道がわかりにくいようなので、今回はパスして同じ道を引き返します。一応この辺に尾根道への降り口があるはずなので入念に探してみましたが、どこにもそれらしき場所は見つかりませんでした。おそらく道じゃないところを強引に歩いてるんでしょうね。


再び林道を下っていきますと、右手に東屋が見えました。これはハイキングコースの休憩所のようです。上りはまったく気付かなかったのですが、少し小高い場所にあるため見えなかったのでしょう。


帰り道、民家の近くで椿がきれいに咲いてました。


貝原まで下山して西山の方へちょっと歩いてみましたが、やはり啓翁桜はまだ咲いてないですね。二色が揃わないといまいち見栄えがしません。あと5日くらい待たないとだめでしょうね。この後、車で川岸の桃源郷も見てきましたが、そちらは啓翁桜が五分咲きくらいになっていました。わずかながら標高の違いなんでしょうか?

ところで林道を下っている時に右膝に違和感が少し出てきました。痛いというほどではないですが、明らかに腸脛靱帯炎の兆候。やっぱり下りでダメージ食らいますね。距離よりも標高差が効いているのだろうと思います。まだまだ安心はできないんだなと少し暗い気持ちになりました。

スポンサーリンク
SORAをフォローする