■コースタイム
沼山峠=1:15=尾瀬沼ビジターセンター=0:20=三平下=1:00=沼尻=1:20=見晴=1:00=竜宮=1:15=中田代三叉路=0:50=山ノ鼻【total 7:00】
昨年に引き続いて今年も尾瀬を訪れた。アプローチは昨年と同じく北陸自動車道経由で上越から小出を経由し、夜9時頃御池に到着。今年から無人ゲートが設けられ、駐車料金が一回1,000円必要になっている。そのまま駐車場で朝まで仮眠する。満天の星空が明日の晴天を約束しているようだった。そして翌朝6時の始発バスで沼山峠へ向かう。よほど日頃の行いが良かったのか、今日も朝から快晴である。沼山峠に着いて、昨年とは逆に尾瀬沼に向かって歩き出す。早朝のさわやかな空気が心地よい。木道を登っていって峠にはすぐ到着。少し下ったところに沼山峠展望台があって、ここで初めて尾瀬沼の姿を見ることができる。その後は淡々と下って行って、やがて大江湿原の端に出る。このあたりには薄紫のギボウシがたくさん咲いていた。美しい花々に見とれながら木道をもう少し歩くと大江湿原の中心部、平野家の墓がある丘に着く。丘の周囲には鮮やかなピンク色のヤナギランがいっぱい咲いていた。そこからあと少しで尾瀬沼ビジターセンターにたどり着く。
大江湿原とヤナギラン
三平下より燧ヶ岳
ビジターセンターから尾瀬沼の南東岸を通ってほんの20分ほどで三平下に到着。昨年は沼の北側のコースを通ったため、この道はまだ歩いていない。三平下の少し手前、展望所のあるところから燧ヶ岳が最も美しく湖面に映える。
尾瀬沼南岸からの燧ヶ岳
三平下から先、尾瀬沼の南岸はほとんど通る人もなく、実に静かである。結構アップダウンも多いが、木陰の多い感じの良い道である。沼を隔てて湖面に映る燧ヶ岳も美しい。やがてかたわれ田代と呼ばれる小湿原が現れると間もなく沼尻の休憩所に着く。
白砂田代
休憩所では水の補給ができるので水筒を満たしておく。15分ほど休憩し、10時15分に尾瀬ヶ原を目指して出発。少し歩くと白砂田代と呼ばれる小さな湿原があって、池糖には水草がたくさん見られる。そこから間もなく白砂乗越と呼ばれる峠を越えるが、尾瀬沼側からの上りは非常に短く、難なくたどり着いてしまう。ここから段小屋坂と呼ばれる長い下りが延々と続く。結構すれ違う人は多いが、圧倒的に鳩待峠から入って尾瀬沼へ向かう人が多いようだ。ここはコースを逆にした方が断然楽である。小一時間かかって長い樹林帯を抜け、燧ヶ岳への登山口を右に見送ると間もなく下田代十字路に着く。
下田代より燧ヶ岳
燧小屋の前の休憩所で昼食をとってしばらく休憩し、12時10分に再出発。複線になった木道をまっすぐに歩いていく。燧ヶ岳がだんだん後ろへ遠ざかっていく。小さな川を渡り、ちょっとした樹林帯を抜けて後ろを振り返れば燧ヶ岳が夏空に美しく映えている。このあたりから見る燧ヶ岳は最も形が整っていて美しいと思う。やがて福島・群馬県境の沼尻川を越える。この川沿いは帯状の樹林帯となっている。そして樹林を抜ければ間もなく竜宮に着く。昨年はここで引き返したが、今年はこれから先のコースが楽しみだ。
中田代の池塘
竜宮とは木道を挟んで反対側の池塘へ地下で水が湧き出しているという珍しい現象らしいが、ちょっと見た感じではよくわからない。竜宮付近には無数の池塘群が点在し、尾瀬ヶ原でも最も美しいポイントである。このあたりで集中的に写真を撮る。尾瀬の銀座ともいうべき場所で、人通りもかなり多い。
下ノ大堀川
下ノ大堀川を渡り、やがて中田代三叉路に着く。午後2時を回り、さすがに暑くなってきた。太陽は容赦なく照りつけ、直射日光を遮ってくれるものは何もない。はっきり言って灼熱地獄だ。さわやかな尾瀬はどこへ行ったと言いたい。贅沢かもしれないが、天気が良すぎるのも考えものである。このあたりは牛首と呼ばれ、尾瀬ヶ原が最も狭くなった部分だ。ここを境に上田代へと入っていく。
ヒツジグサ
山ノ鼻までもう一息なのだが、あまりに暑くてかなりバテ気味である。水の補給もできず、水筒の水も残り少なくなってきた。池塘に目をやればヒツジグサが白い花を咲かせている。未(ひつじ)の刻に咲くからこの名がある。そう言えば昨年は花を見なかったが、それは午前中だったからだ。浮島がたくさん見られる上田代の池塘群を眺めながら、黙々と歩く。そして午後3時30分にようやく本日の宿・山ノ鼻小屋にたどり着いた。
部屋に案内されると、四畳半くらいの小さい部屋だったが何と個室である。この盆休みの時期に何という贅沢だろうか。どうも山ノ鼻は鳩待峠からあまりに近すぎるため、泊まる人が少ないようである。風呂にも入れてゆったりくつろいでしまう。夕食も山小屋にしてはかなり上等だった。日没時に夕暮れの写真を撮りに行ったが、今日の夕焼けはあまりきれいではなかった。翌日に備えてさっさと寝る。