山ノ鼻から燧裏林道で御池へ

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登山

■コースタイム
山ノ鼻=1:00=中田代三叉路=0:45=ヨッピ橋=0:55=温泉小屋=1:30=渋沢温泉分岐=0:50=上田代=0:35=御池【total 5:35】


 山ノ鼻小屋を朝7時に出発し、まだ涼しい空気の中、昨日来た道を中田代分岐点まで戻る。昨日は気づかなかったが、足元を見るとモウセンゴケがたくさん生えている。ちょうど8時に中田代三叉路に到着し、分岐を左にとってヨッピ川に沿って進む。この道はメインストリートから外れているため、比較的人通りは少ない。


モウセンゴケ


ヨッピ橋付近の池塘

 山の裾が近づいてくると、ヒツジグサの葉を浮かべた無数の池塘群が現れた。そして間もなくヨッピ橋という吊り橋に着く。ここから見晴までの間は昨年も歩いた道だ。


ミズギク咲くヨシッ堀田代

 景鶴山の麓にヨシッ堀田代と呼ばれる小湿原があり、黄色いミズギクの花が一面に咲いていた。そこからすぐ東電小屋のモダンな建物が見えてくる。ここには水場があるので水筒の水を補給する。ここから道は湿原を離れて山の裾を通るようになり、人通りもほとんど途絶えて寂しい細道となる。今年の6月、熊出没騒ぎがあったせいか、「熊に注意」の看板がやたら目立つ。確かに熊が出てきても不思議ではない雰囲気である。山の中を抜けると東電尾瀬橋で只見川を渡る。この橋の上から見る只見川の清流は何とも素晴らしい。そして間もなく見晴方面と温泉小屋方面との分岐点に着く。分岐点から15分ほど歩くと赤田代と呼ばれる小湿原が見えてきて、間もなく温泉小屋に着く。ここも休憩所があるのでちょっと一息入れる。時間も10時になり、早くも暑くなってきた。幸いふんだんに水が湧いているので、その場で喉を潤し、さらに水筒を満タンにしておく。


上田代

 温泉小屋の先で道は二手に分かれ、左にとると三条の滝、右は山裾を巻く段吉新道である。三条の滝も行ってみたいが標高差にして200mほどの上り返しになるため、先の行程のことを考えるとあきらめざるを得ない。後にこの選択は正解だったことを思い知るのだった。段吉新道は単線の木道が敷かれ、ずっと山の中でこれと言った見どころもないが、ほとんど上り下りもなく楽である。約40分歩いて兎田代と呼ばれる場所で三条の滝からの道と合流する。ここから先、ブナ林の中のだらだらした上りが延々と続き、樹木が日照りを遮ってくれるにもかかわらず暑い。やがて渋沢を渡るところでガレた場所に出て、まともに日照りを受けるようになった。少し上に真新しい吊り橋がかかっているのが見えるが、そこにたどり着くまで本当に苦しかった。完全にバテている。温泉小屋であれほど水を補給してきたのに早くも残量が少なくなっている。吊り橋を渡るとようやく上りが一段落し、間もなく渋沢温泉からの道と合流する。ここで昼食をとって35分休憩。だんだん水の残量が気になってくる。正午過ぎに再出発し、まただらだらとした上りがしばらく続く。そしてやがて樹林を抜けると道は木道となり、西田代・横田代と続けて湿原が広がってくる。もう花は盛りを過ぎているが、キンコウカの黄色い花がたくさん咲いていた。そして間もなく上田代の広大な傾斜湿原に飛び出す。


上田代より平ヶ岳

 ここにはベンチもあって休憩できるようになっている。正面には平ヶ岳がくっきりと見える。ここから見る燧ヶ岳はなかなかの鋭鋒でかなり男性的に見える。素晴らしい眺めに今までの苦労も吹き飛ぶ。あとは下りだけだから楽なものだ。


御池田代のコオニユリ

 上田代で30分休憩した後、御池へ向かって下り始める。ここへ来てちょっと雲が多くなってきた。だいたい木道が敷かれているが、かなり急なところもある。だいぶ下った頃、御池田代という小さな湿原に出る。コオニユリがきれいに咲いていた。そこから間もなく少々ぬかるんだ道を通って御池の駐車場の一番奥に出る。これで長い山旅が終わった。それと同時に雨がポツリポツリと落ちてきた。何というタイミングの良さだろうか。

 御池のブナの森ミュージアムで写真展をやっていたので見学。その間に雨は本降りになっていた。そして今日の宿泊地・檜枝岐温泉へ向かう。宿は集落の中程にある民宿『かどや』。宿にチェックインしてからアルザ尾瀬の郷へ向かう。ここは温泉と温水プールが一緒になった施設。夕方着いてみるとなぜか人は少ない。プールで泳いでさらに疲れを倍増し、温泉にゆっくり浸かる。しかし今日の暑さのせいか頭痛が酷くなってきて早めに切り上げる。宿に帰るともう夕食が始まっていた。翌日は駒止湿原を歩いて日光へ向かった。

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