神末上村から学能堂山

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登山

あまり知られていませんが、奈良と三重の県境に学能堂山(がくのどうやま)という標高1021mの山があります。山系としては三峰山脈の一角を占めるようです。不便な場所にあるため登る人も少ないのですが、山頂からの展望は奈良県随一で360°遮るもののない眺望が得られます。

過去に3度登ったことがありますが、最後が2012年だったので11年ぶりに登ってみたいと思いました。この山に登るには大きく3つのルートがあり、美杉町杉平からの最短ルートと近年よく利用されるようになった伊勢地のミツマタ群生地から林道を経由するルート、そして御杖村の神末上村から稜線伝いに登るルートがよく知られています。

今回は最短ルートの杉平から登ろうと思っていたのですが、最近は伐採作業中で通行止めがあったり道が荒れているという情報があったので避けました。そして伊勢地からのルートはまだ登ったことがないので興味ありましたが、林道歩きが長く、距離・標高差ともに最も大きいため敬遠しました。残るは神末上村からのルートです。こちらは以前一度だけ登ったことがありますが、尾根のアップダウンが多くややしんどい印象がありました。しかし稜線歩きを楽しめる唯一のルートであり、標高差は最も小さいことからこちらに決定。奈良からだと最もアプローチが近いのも便利ですね。

GPSログはこちら↓


前にも来たことあるので駐車場所はわかっていました。上村集会所の前に数台分の駐車スペースがあります。ここに停められなければ少し手前の路肩にも広い場所があります。


上村のバス停、観光案内所の建物が目印です。ここから川沿いに歩いて小さな橋を渡ります。


突き当たりの民家の前にあるこの小さな道標が登山口の目印です。ここを左へ進み、未舗装の林道に入っていきます。


林道に入ってすぐ獣害除けのゲートがあります。鍵はかかってないので開けて通ります。開けたら必ず閉めましょう。


林道を1kmほど進むと、大きく右へ曲がった直後にこの道標が出てきます。ここは以前間違えた場所で、さすがに今回は間違えません(笑)。うっかり林道を直進しそうになるのですが、道標の向きに注目です。左を向いていますね。どうも「学能堂」の文字だけ見て安心してしまい、方向を見ない人が多いようです。自分もそうでした(笑)。やはり間違える人が多いんでしょうね、黄色いテープで方向が強調されていました。


登山道は道標の左の山側へ入っていきます。やはりテープで目印が付いていますが、ここは非常にわかりにくいので要注意です。この前に道標を立てれば間違えないのになぁ?


しばらく鬱蒼とした植林帯を沢沿いに登っていきます。


沢沿いの道ではちょっと早いですがヒトリシズカが咲き始めていました。


いつしか沢の音も聞こえなくなりました。学能堂2.3kmの道標が現れると谷沿いを外れ、急斜面を一気に駆け上がっていきます。ここから植林が疎らになり、少し明るい雰囲気になってきます。


急登がようやく終わると尾根上に出て小須磨峠に到着します。標高820m。ここも植林の中で展望は全くありません。


小須磨峠には三峰山への縦走ルート案内がありました。稜線伝いに行けるようですが、踏跡不明瞭のため上級者向けらしいです。


小須磨峠からは尾根上の道となりますが、次の白土山までまた急登が続きます。この辺から自然林も現れて明るい雰囲気に変わってきます。


白土山の手前でバイケイソウが出てきました。


そして白土山に到着。標高980m。自然林の中ですが、やはり展望はありません。


白土山を越えたところから学能堂山が初めて姿を現します。こうやって見るとかなり距離があるように見えますが、歩きやすい尾根道なのでそんなに時間はかかりません。しばし稜線縦走を楽しめます。


何度かアップダウンを繰り返すと東俣山のピークがありました。この山名板に気付かなければ通り過ぎてしまう場所でした。


東俣山から下り切ったところが鞍部で、あと0.4kmの道標があります。標高940m付近まで下ってますので、あと80mほど登り返さなければなりません。実はここからが一番キツい!


学能堂山直下はものすごい急登で一気に登ります。今日一番の上り! こういうところこそ階段が欲しいですが、何もありません。滑らないように注意しましょう。


植林帯を抜け、最後のガレ場のようなところを登ると学能堂山の山頂にたどり着きます。背後には堂々たる局ヶ岳がそびえています。


山頂は台地状になっていて、見渡す限り何もありません。360°の展望とはこのことを言うのでしょう。本当に気持ちの良い場所です。


西側には古光山や倶留尊山などおなじみの曽爾の山々が連なります。


北には大洞山と尼ヶ岳が間近に見えます。


北東に見えるのは矢頭山など美杉の山塊と思われますね。


東には松阪の市街まで見えました。


南東方向にひときわ目を引く鋭峰は局ヶ岳。ここから見るのが最も美しい姿です。


局ヶ岳の少し右には栗ノ木岳と修験業山。どちらも登ったことあります。


真南には三峰山が長々と横たわります。


南西方向に見えるのは北部台高山脈。国見山から明神岳までの主稜、そして桧塚・桧塚奥峰の支稜までよく見えます。


そして台高山脈の一番北にそびえるのが高見山。ここから見ると完璧な三角形に見えます。これほど美しく見える場所を他に知りません。手前にはさっき通ってきた白土山が見えます。


西の方には音羽山塊、そしてはるか遠くに金剛山まで見えます。中央付近に見える白い建物は御杖小学校のドーム屋根です。あの辺が桜峠ということですね。


文字がちょっと読めませんけど、おそらく二等三角点があります。この場所は奈良県の最東端にあたり、奈良と三重の山を両方とも見られる素晴らしい展望台です。

よかったら山頂からのパノラマ動画もご覧下さい。

山頂で1時間ゆっくり休憩してから同じ道を下山しました。平日ということもあり、下りの白土山で一人すれ違った以外、誰にも会わなかったですね。正味の所要時間は上り1時間50分、下り1時間30分といったところでしょうか。非常に急な坂を上り下りしましたが、意外と膝は全く問題ありませんでした。

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