HONOR Band 5を購入した経緯と導入について先に書きましたが、その後8日間使ってみましたので使用感についてレビューしたいと思います。導入編はこちら。
Huawei Healthのホーム画面
Huawei HealthをスマホにインストールしてHONOR Band 5とペアリングが完了すると、ホーム画面にはその日の歩数や心拍数などのデータ一覧が表示されます。画面を下へ引っ張ると随時更新できるようになっています。
ウォッチフェイス
HONOR Band 5のホーム画面はウォッチフェイスと呼ばれ、時計と歩数などの主要データが表示されます。
通常、画面は消灯していますが、画面下の丸いホームボタンをタッチ、あるいは手首を返す動作をすると自動的に点灯します(設定で無効にすることもできます)。ただし節電のため5秒経つと消えてしまいます。
ディスプレイは120×240ピクセルのAMOLED(有機ELパネル)を採用しているため、非常に高精細で発色も鮮やかです。このクラスのスマートバンドとしては最高の画質と言えるでしょう。
ウォッチフェイスのデザインは本体内にもいくつか入っていますが、Huawei Healthのアプリを通してさらに追加することもできます。シンプルなものからポップなものまで、全部で数十種類は用意されています。追加したウォッチフェイスはアプリからデバイスに転送してインストールする形になります。
歩数計
ウォッチフェイス画面から下へスワイプすると歩数計の画面が現れます。何もしなくても歩数は常にカウントされます。
健康維持のためには毎日8000歩以上歩くことが推奨されていますが、自分は一歩も家から出ないので一日1000歩も歩かないことが多いです。いかに歩いてないかバレてますね(汗)。
歩数計の画面をタップすると消費カロリー、距離など、さらに詳細な情報が表示されます。距離は加速度センサーからの情報をもとに計算していると思われます。正確なGPS計測に比べると若干長めに出るようですが、おおよその目安にはなります。
心拍計
心拍計には1回測定モードと連続測定モードがあります。
ウォッチフェイスから数回スワイプすると現れるのは1回測定モード。タップすると心拍測定が開始され、1分弱で確定値が表示されます。
連続測定を行うには、アプリ側の「ヘルスケアモニタリング」で設定を行います。
HUAWEI TruSleepを有効にすると睡眠トラッキングを行うことができます。これは後述。
活動促進通知をオンにすると、1時間以上座りっぱなしの状態が続くとバイブレーションで警告を行います。ちなみに自分はしょっちゅう「ゴルぁぁ~、歩かんかい!」と怒られてます(笑)。
「心拍数の継続的な監視」を有効にすると24時間連続で心拍数を計測します。計測方式は最小間隔で連続的に測定するリアルタイムモードと、活動状況に合わせて自動的に最適化されるスマートモードを選ぶことができます。バッテリーの持ちを考えるとスマートモードにしておくのが良いでしょう。
連続計測を有効にしている場合、アプリ側で心拍数の時間変化を見ることができます。だから何?って感じですが、ここでは「休息時の心拍数」というのが重要な指標です。自分の安静時心拍数がどのくらいか把握しておくことにより、これが普段より上がっていると体調が悪い、あるいは疲れているということを判断する目安になります。
体調が悪いと熱はなくても心拍数が上がるのが普通ですので、普段より安静時心拍数が10以上高いと明らかに体調が悪いと判断できます。そんなときは無理をせず早く寝ようとか対策ができますので、体調管理にも役立ちます。
SpO2測定
SpO2というのは酸素飽和度のことで、血中のヘモグロビンが酸素と結びついている割合を示します。これを測ることにより肺機能の正常性を知ることができます。別名パルスオキシメーターとも呼ばれて医療器具として市販されていますが、最近はCOVID-19の影響で品薄になっているようです。
実はこの機能を持っているスマートウォッチは大人の事情で日本国内向けには発売されていません。ですからSpO2測定機能はHONOR Band 5の最大の目玉であり、これだけを目的に買う人も多いようです。
ウォッチフェイスから数回スワイプするとSpO2測定画面が現れ、タップすると測定開始します。結果が確定するまで1分くらいかかります。バンドの締め付けが緩いと失敗することもあるようです。通常の心拍測定時は緑色LEDが点滅しますが、SpO2測定時は赤色LEDが点滅しますので、専用のハードウェアを持っていることがわかります。
SpO2は健康な人では96~99%になるのが正常と言われており、95%以下になると肺機能の低下が疑われます。ただし運動直後などで疲れている時にも下がることがありますので、あくまでも目安です。正式な医療器具ではないのでどこまで精度があるかは不明ですが、これが90%近くまで下がると非常にヤバイ状態ですので、すぐ病院に行った方がいいでしょう。
SpO2の測定は結構コツが必要で、いい加減に測ると失敗したりデタラメな値が出ることがあります。まず測定中は腕を動かさないようにし、机の上などに固定することが必要です。また外光が入り込むと失敗するようなので、なるべく暗いところで測ることをおすすめします。
SpO2は健康な人なら常に98%前後なので、測ってもあまり変化がなく意味はないかもしれません。しかし運動直後などで疲れているときは95%程度まで下がりましたので、疲労度を測るバロメーターとしては一応目安になるかもしれません。
睡眠モニター
Mi Band 4ではなくHONOR Band 5を選んだ大きな理由は睡眠モニターの充実度でした。今までXiaomiのAmazfitアプリを使っていましたが、それでは「浅い睡眠」「深い睡眠」くらいの大ざっぱな情報しか得られなかったんですね。睡眠時間も結構な誤差があり、かなりいい加減な印象を持っていました。たとえばこんな感じ。
しかしいろんなレビューを見てますとHuawei Healthアプリが提供する睡眠モニターは非常に精度が高くて情報量が多いということを聞いていたので、それに大いに期待してこちらを買ったわけです。
実際に8日間、毎日装着して睡眠ログを取ってみた結果の一例を下に示します。
こちらが睡眠の分析画面です。心拍数と体の動きから睡眠時間を判断しているのだろうと思いますが、いつ寝ていつ起きたかは実感とほぼ一致しています。「深い睡眠」「浅い睡眠」に加えて「レム睡眠」もしっかり区別してくれます。さらに途中で起きていた時間もちゃんと記録されています。
「深い睡眠の連続性」というのも分析してくれるんですね。自分はこれがかなり悪いようです(笑)。
単に結果を分析するだけでなく、睡眠の質をスコアリングし、より良い睡眠のためのアドヴァイスまでしてくれます。ちょっとしたモチベーションにはなりますね。やっぱり睡眠モニターに関しては噂通りXiaomiよりはるかに上を行っていました。
その後、半年ほど睡眠ログで使っていますが、記録の精度は非常に高く、Xiaomiとは比べものにならないと思います。睡眠管理が主な目的であれば断然HONOR Band 5をおすすめします。
ただ実際に眠っている時間を記録しているかというとそうでもなく、たとえば夜中に目覚めて寝付けなかった時でも睡眠中になってますし、朝起きてから布団の中でウダウダしていても睡眠中になります。でもトイレに立つと確実に覚醒として記録されますね。おそらく体の動きを感知していて、ある程度心拍数が低く、横になってじっとしていると睡眠中とみなされるようです。
またバンドを付けているかどうかはセンサーに入る光で判定しているようですね。このため外してロッカーの中に入れておくと勝手に心拍が測定されて昼寝と判定されてしまうことがありました。これはちょっといただけません。
ワークアウト
ワークアウトというのは運動を行った時の記録を取る機能です。HONOR Band 5では全部で10種類の運動に対応しています。5気圧防水なので水泳モードというのもあります。ただし日本のプールではほぼ使えないので意味がないのですが(笑)。
ワークアウト画面に入ると運動の選択メニューがあります。
実は買ってから初めてわかったことですが、「屋外サイクリング」だけはHUAWEIのスマホと連携する場合だけ使用可能で、それ以外の機種ではメニューにも出てきません。そんなん聞いてないぞ!(笑)
これは本体内にGPSを内蔵していないため、スマホ側のGPSを利用するからなんですが、HUAWEI製でないとダメとは何ともはや・・。これもまたアメリカ絡みなんですかね? まあ僕はサイクリングで使うことはないので別に構わないのですが、これを目当てにしていた人には要注意ですね。詐欺と言われそうです(笑)。
これは屋外ウォーキング中の画面です。運動中は心拍数や歩数、歩行距離などが表示されます。距離は加速度センサーから計算していると思われますが、GPS計測と比較すると若干長めに出るようです。正確ではありませんが、そこそこ実用的な精度です。
ただこれも節電のため5秒経つと消えてしまいます。リアルタイムで心拍数などをモニターするにはその都度手首を返して画面を点灯させなければなりません。これが結構面倒。しかも直射日光下では見づらい。この機種に限ったことではないですが、一般的なスマートウォッチをアウトドアで使う上での宿命と言えますね。その点、反射型液晶で常時表示が可能なAmazfit Paceは最強なのです。僕は屋外ではやっぱりこれを使いますね。
ワークアウトを終了してスマホと同期すると、運動の詳細な記録が見られます。ここでは消費カロリー、平均ペース、平均歩幅などがわかります。もちろん運動の種類によって表示項目は変わります。GPSは内蔵していないので、歩いた経路は記録されません。スマホを持っていても同じのようです。そうすると素朴な疑問が一つ、屋外ウォーキングと屋内ウォーキングってどこが違うんだ?(笑)
もちろん日々の運動の記録はアプリ内に蓄積されていきますので、一ヶ月にどのくらい運動したかということが一目で把握できます。日頃から運動不足を気にしている人には良いモチベーションになるでしょう。
通知
スマートウォッチやスマートバンドの主要な機能として、スマホ側の通知を手元で表示させるという機能があります。これができるといちいちスマホを取り出さなくてもメールの件名やTwitterのリプライなどを知ることができるので便利なわけです。
ただしHONOR Band 5は日本語に対応していないため、通知はできても不完全です。これは初めからわかっていましたが、僕は家の中で使うことがメインですので、通知は必要としません。PCを見れば済む話。だから通知は常に切っています。
アプリ側の設定で、どのアプリからの通知を受け取るかを選択できます。
通知は一応来ますが、ひらがなとカタカナが表示されないので意味不明。まあこれを見れば宅配便からのメールであることくらいは何となくわかりますけどね(笑)。
というわけで通知はできないことはないですが、実用的ではありません。ちゃんと日本語で通知を確認したい人は迷わずMi Band 4を選びましょう。
その他の機能
ウォッチフェイスから数回スワイプしてMoreをタップすると、その他の機能が選択できます。ここにはタイマー、ストップウォッチなどおなじみの機能があります。ヒルクライムのタイム計測などには使えるでしょう。
あと僕は使っていませんが、スマホ側の音楽再生を手元で操作するリモート機能、スマホを紛失したときに音を鳴らして探す機能というのもあります。
バッテリー持ち
HONOR Band 5のバッテリー持続時間は公称で2週間となっており、20日間を謳うMi Band 4に比べると少し劣ります。事前の情報によると実際の持続時間はもう少し短いらしく、2週間は持たないと聞いていました。
実際にフル充電から8日間使ってみたところ、バッテリー残量は27%でした。ということは何とか10日くらいは使えるってことですかね? まあ常時つけていたわけではないし、通知も切っていますから実際はもうちょっと短いかもしれません。それでも実質1週間もてばスマートバンドとしてはいい方だと思います。充電も簡単ですから、それで不満はありません。
まとめ
僕はもともと時計嫌いですので、スマートウォッチのようなゴツい時計を常時つけるのが嫌でスマートバンドを試してみたかったのですが、確かにこのくらい小さければ着けててもそんなに気にならないし、そのまま寝てもOKでした。睡眠モニターという目的には十分使えますね。ただそれでも常時つけてるのは嫌なので、家の中で使うかなぁ?ってとこでした(笑)。
一方アクティビティートラッカーとしてアウトドアで使うにはいまいち使えないと思いました。まずGPSを内蔵していないので移動経路のログは取れませんし、肝心の画面が直射日光下では見づらく、しかも常時表示できないのが不便すぎます。こういう目的にはやっぱりAmazfit Paceでないとダメでした。
というわけで、この手のデバイスはトレーニング用というよりやっぱり健康グッズとしての性格が強いと思います。つまり血圧計とか体重計とか、そういう類のものです。まあ健康が気になる人にはいいと思います(笑)。
価格的には約3,800円と安く、これだけの機能があれば十分コストに見合う価値があると思います。GPSこそないものの、スマートウォッチに搭載されている機能はほぼ持っているので、初めてのスマートウォッチとしても最適でしょう。これまで一度もスマートウォッチを使ったことがない人がちょっと試してみるには買いやすい価格です。
もちろん日本語に対応していないことや通知が不完全なこともありますので手放しで薦められるわけではありませんが、Mi Band 4とどちらを選ぶかは通知が必要かどうかで決めればいいと思います。通知と電池持ち以外はHONOR Band 5の方が優れている点が多いです。
2021.8.24追記:
現在HONOR Band 5は販売終了となりましたので、代替商品としてHUAWEI Band 6を紹介しておきます。こちらはHONOR Band 5より画面が大きくなり、情報量がアップしています。もちろんSpO2の計測もできますし、通知も日本語でちゃんと表示されるので全く問題ありません。価格と機能のバランスが非常に優れたモデルです。今のところ1万円未満で買えるスマートウォッチとしてはベストの選択でしょう。