FARNA SL2 SORAには初めから11-32Tのいわゆる乙女ギア(幼女ギア?)が装着されておりまして、これで激坂も楽に登れて全く問題ないと思ってました。しかし最近ちょっと不満が出てきました。それは平地で使えるギアが少ないということです。
現状の問題点
完成車に付いているスプロケはCS-HG400-9という型番で、実はこれMTB用のALIVIOというコンポなんですが、9速はMTBコンポと互換性があるのでロードコンポと混在させることが可能なんですね。11-32Tの歯数構成を書いてみますと次のようになります。
ここで何が問題かといいますと、自分の脚力では11Tと12Tなんて絶対踏めませんから、実質7速になってしまうということなんですね。これはたとえ11速にしても小さいギアが増えるだけですから全く意味がありません。
この組み合わせだと平地で使えるギアは14T, 16T, 18Tのわずか3枚しかないんですね。この3枚だけで風向きの変化に対応しなければなりません。しかも自分のよく使う速度域にピッタリ来るギアがない気がするんです。25km/hで巡航するには14Tはやや重すぎ、16Tだと軽すぎるんですよね。
根本的な解決策
上の問題を根本的に解決する最善の方法は、チェーンリングのアウターを小さくするということです。今付いている50-34Tというのは大きすぎるので、これをアウター48Tや46Tに交換すればリアの9速がフルに使えるようになります。脚力がないのなら全体に軽い方にシフトさせてしまえば良いんですね。
しかし残念ながらSORAのクランクは50-34Tしか発売されておらず、アウターだけ交換することもできないのです。一応Tiagraには48-34Tというクランクがあるので、これを使うことも考えました。しかし10速用と9速用を混在させることはシマノは認めていません。おそらく使っても問題ないだろうとは思いますが、規格外の使い方はできるだけしたくありません。
もう一つの問題として、チェーンリングを小さくするとフロントディレーラーの位置が合わなくなる可能性があります。アウターを小さくしたらチェーンリングの歯先とフロントディレーラーの間隔が開いてしまいますが、これを1~2mmにしなければなりません。バンド式のFDならいくらでも下げられるのですが、FARNA SL2は直付式なので下げるには限界があります。見たところ、48Tならギリギリいけるかもしれませんが、46Tはどう考えても無理でしょう。最も理想的な方法ではありますが、これはあきらめざるを得ませんでした。
次善の策
チェーンリング交換が無理だとすると、次はスプロケ交換です。ロード用のCS-HG50-9だと13-25Tや14-25Tというスプロケがあるのですが、これはさすがに坂が登れないので却下。そこで目を付けたのが11-34Tです。これの歯数構成は次のようになります。
これだと11Tを捨てれば実質8速使えることになるわけです。ただ平地で使えるのが13T, 15T, 17Tの3枚しかないのは同じ。次の20Tまでの間が飛びすぎるのが問題です。ローギアは34Tまでは必要ないと思いますが、これしかないので仕方ありません。
そして最大の問題は、11-34Tに交換するとリアディレーラーとチェーンも一緒に交換しなければならないのでコストが結構高く付くということです。その割に効果は低いのでコスパとしては悪いですね。そこまでするならコンポ載せ替えと同時にやった方がいいと思い、この案も却下となりました。
最適解を発見!
上の2案がどっちも却下となり、やっぱり現状で妥協するしかないのかとあきらめていたところ、シマノのカタログを何気なく見ていたらCS-HG201-9というスプロケが目に留まりました。前からあるのは知ってたのですが、同じ11-32Tなら歯数構成も当然同じだろうと思って気にもしなかったのです。ところがスペックをよく眺めてみますと、何と歯数構成が違うことを発見。しかも理想的な並びになっているではないですか!
これだと11Tから21Tまで全て2T刻みでつながるところが素晴らしいですね。平地で使えるギアが13T, 15T, 17T, 19Tの4枚に増えます!
このスプロケはもう一つ下のALTUSというグレードに属するのですが、最新のSTRAUSS DISC SORAにはこれが標準で付いております。さすがはKhodaaBloomさん、貧脚の弱みをよくわかっていらっしゃる!(笑)
しかもこれだとリアディレーラーもチェーンも交換する必要がなく、コストはスプロケだけで済みます。これはもう早速試すしかないと思いました。9速はパーツが安いので気軽に試せるところがいいんですよね(笑)。
在庫がない!
それを思いついたのが正月頃だったと思います。早速Amazonで調べたのですが、不運にも在庫切れになってました。入荷時期も不明でいつ入るかはわからない。他の通販サイトも調べてみましたが、どこも軒並み品切れ。どうも今は世界的に自転車の需要が拡大していてシマノパーツが品薄らしいんですね。困った、これはいつ手に入るかわからんぞ・・
1ヶ月待ちましたが、2月になっても在庫は復活しませんでした。ところが2月5日頃になってようやくマーケットプレイスでぼちぼちとモノが出始めたんですね。Amazon価格より数百円高いのですが、いつ入るかわからないものを待ってられないので、その中で一番安かったFIND SHOPという店で注文しました。送料無料で2,580円。
今日になってもう一度見てみると、何とAmazonの在庫が復活してるではないですか! くっそー、300円損した(笑)。
やっと手に入った!
本当に在庫あるのか半信半疑だったので、やっぱり取り寄せになるのかなと思いましたが、予定通り2日で届きましたよ。
まさか中古とか完成車外しを送ってくるんじゃないかと思いましたが、ちゃんとした新品でしたよ(笑)。
このスプロケは小さい方2枚だけが外れます。なぜか11Tだけ黒なのが残念ですが、目立たない場所なので気にしないことにしましょう(笑)。
重量計測
交換する前にお約束の計量です(笑)。実測で前のCS-HG400-9は320g、今度のCS-HG201-9は330gでした。これはグレードの差というより、大きいギアが増えるので重くなるのは当然なんですね。50gくらい重くなることを覚悟してましたが、10gならまあ仕方ないですね。
速度概算
新しいスプロケに交換した場合、それぞれのギアで出せるスピードを計算してみましょう。ここではタイヤ周囲長を211cmとし、ケイデンスを毎分60回転とします。ケイデンスセンサーは付けてないので自分のケイデンスはよくわかりませんが、ポタリングペースならだいたい60くらいじゃないかと思います。そこで60rpmと仮定してアウター50T時の速度を計算してみました。
11T | 13T | 15T | 17T | 19T | 21T | 24T | 28T | 32T | |
速度(km/h) | 34.5 | 29.2 | 25.3 | 22.3 | 20.0 | 18.1 | 15.8 | 13.6 | 11.9 |
こうして見ると、25km/hで巡航するには15Tが最適ということがわかりますね。
実走レビュー
早速交換しました。同じ歯数だからチェーン交換も調整も必要なし。新品のスプロケは気持ちいいですな(笑)。
これで実走してみました。平地多めの33kmほどのコースです。狙い通り、25km/h前後で巡航するには15Tがピッタリでした。ということは普段60rpmくらいで回してるということですね。一般的にはもう少し高い方が良いとされてますが、息が上がらない程度ならこのくらいが自分の一番気持ちいいところなんでしょう。
13Tは30km/h以上ですね。これが自分の踏める限界です。11Tは下りでないと無理。一方、低速側は21Tまでずっと2T刻みなので、向かい風に応じて細かくチェンジできるのがいいです。
インナー側でも19Tと21Tの間が2T差でつながってるのが、緩い勾配の上りで生きてきますね。勾配の変化に応じて細かくチェンジできるので、上りも走りやすくなりました。
グロスアベレージ20km/hを出すには25km/h巡航が必須となりますが、15Tの存在で維持しやすくなったのは大きいです。これは費用対効果の高いカスタムだと思いました。もっと早く気づけよ!(笑)