前回はグラベルロードを検討したところまで書きましたが、結局重くて走らないということ、そしてスルーアクスルが最大の障害となってグラベルロードは却下されました。
そうなるとやっぱりノーマルロードが良いという結論に傾いてきます。もともとロードバイクは要らないから手放したのにそれはあり得ないだろ?と最初は抵抗がありました。もちろんクロスバイクなど他の中間的な車種も検討しました。しかし考えれば考えるほどノーマルロード以外にあり得ないという結論に収束していくのです。
そうなると再購入というより実質的に買い換えに近い形になりますね。ここで重要なのは、買い換えとなると前よりグレードアップになっていなければならないということです。グレードダウンしてしまうと売らなきゃよかったということになってしまいます。それだけは避けなければなりません。
しかしグレードアップとなると当然前よりも価格がアップしてしまうわけです。前回も予算は12万が限界だということを言ってましたが、今回はさらに財政状況が悪化しており、それ以上は出せるわけがない。むしろさらに予算を絞りたいところでした。ただ幸運にも今はモデルチェンジの過渡期にあり、定価よりもかなり安く買うことができます。たとえば2割引とすれば、定価15万円相当のモデルが12万円で買えるわけですから、予算をアップせずにグレードアップすることは可能です。そういう観点から次のロードバイク選びが始まったのです。
前回はどうだったか?
前のロードバイクを買ったのが2015年6月。その時の記事をもう一度リンクしておきます。
この時買ったのはKhodaaBloomのFARNA 700-Tiagraというモデル。実際の購入金額は税込11万2千円ほどでした。スペックはフルTiagraでブレーキだけ105、重量は9.2kgというものです。価格から考えるとこの値段でフルTiagraが付いているならコスパは非常に高いです。
したがって、すべての出発点はここからとなります。これよりランクを下げることは許されないわけです。
コスパって何だ?
ここで前回の失敗を踏まえてコスパについて考え直さなければなりません。普通、自転車のコスパが高いというと、「値段の割に良いパーツが付いている」ということを暗黙に意味していると思います。しかし、その考え方って正しいのでしょうか?
自転車って大きく分けるとフレームとホイール、それ以外のパーツ(いわゆるコンポ)で構成されているわけですよね。しかし我々がコスパについて言及するとき、なぜかパーツばかり見ていてフレームは完全に無視されているのです。パーツは後から交換が可能な汎用品であるのに対し、フレームだけは交換が効きません。いわばフレームは自転車の本体と言えるものです。にもかかわらず、フレームが全く考慮されてないっておかしくないですか?
前回の失敗は、とにかくパーツだけを見てコスパを判断していたことにあります。値段の割にいいパーツが付いているという意味でのコスパだけを追求していたわけです。この点は反省しなければなりません。
自転車はフレーム本位で選ぶべし!
仮に完成車価格が同じであったとして、以下の2つのモデルがあったとします。あなたならどちらを選びますか?
(A) そこそこのフレームにグレードの高いパーツが付いている
(B) 高級なフレームに廉価グレードのパーツが付いている
ここで初心者なら間違いなく(A)を選ぶと思いますね。理由は簡単で、パーツのグレードの違いというのはわかりやすいからです。ちょっと自転車をかじった人ならシマノコンポのグレードくらいすべて暗記しているでしょう。だから値段の割にいいパーツが付いていたらそれに目を奪われてしまいます。
それに対してフレームの違いというのはわかりにくいです。さすがにアルミとカーボンの違いくらいは誰でもわかると思いますが、同じアルミで高いのと安いのがあるのはどういう理由か初心者には全くわからないでしょう。だからフレームの違いというのは無視されてしまいがちなのです。
完成車価格が同じなら、普通に考えて良いパーツが付いているモデルはそれだけフレームにお金がかかってないと考えるのが自然です。一番わかりやすいのは最廉価モデルの値段を見れば一目瞭然です。たいがいのメーカーではフレームが共通でコンポだけ異なる複数のモデルを出してますよね。そして最廉価グレードとなるとほぼClarisです。安いのだと8万円台からありますね。とすると、そこからパーツ代とホイール代を差し引いた金額がほぼフレームの価格ということになります。安いのだと5万円未満になるでしょう。つまりフレームの価値はそのくらいしかないということです。それに豪華なパーツを付けたって見かけの安さに騙されているだけです。
自転車の乗り味はフレームで決まります。しかも後から交換が効かないものです。一般的に言って、安いフレームは重いです。重いフレームにいくら高価なパーツを付けても軽くはなりません。つまりカスタムのし甲斐がないということです。一方、高級な軽量フレームはパーツ次第でさらに軽くすることが可能です。初めから良いフレームを手に入れておけば、後からパーツ交換してグレードアップしていく楽しみが生まれます。
だから自転車はパーツではなくフレームで選ぶことが結果的に長く乗り続けられることになり、満足度が高いことになります。自転車を買うということはフレームを買うということであって、パーツを買うのではありません。パーツなんて後から替えればいいだけですから、それにこだわってコスパの高いモデルを選ぶということはナンセンスです。
ジオメトリー至上主義
自転車の乗り味はフレームで決まると言いますが、もっと正確に言えばフレームの素材とジオメトリー(寸法)で決まります。このうち素材はカーボン、アルミ、クロモリでほぼ特性が決まってしまいますから、同じ素材ならあとはジオメトリーの違いに注目すればよいわけです。ジオメトリーというのはメーカーのカタログに必ず書かれています(これがないのはスポーツバイクと呼べません)。
ロードバイクにも大きく分けてレーシング系、エンデュランス系がありますが、乗り味を決める最も重要なファクターはリアセンター長で、一般的にレーシング系では短め、エンデュランス系では長めに取られます。リアセンター長が短いほど加速性が良く、長いほど直進安定性に優れるとされているからです。
他にもシートアングルやヘッドアングルは乗り心地やハンドリングに影響を与えます。一般的には角度を寝かせるほど乗り心地やハンドリングがマイルドになるでしょう。ヘッドチューブ長というのも結構重要で、これが長いとアップライト気味になり、短いと前傾が深くなることが予想できます。
ジオメトリー表を読み込むことによって、そのフレームがどういう意図で作られているのかが見えてきます。メーカーのカタログを読み漁ってジオメトリーを比較するのは楽しい作業です。
速いロードに乗りたい!
ロードバイクに快適性を求めて一時はグラベルロードに色気を出したりしたわけですけど、結局のところロードバイクって速く走れないとつまらないんですよ。乗り心地なんて二の次でスピードこそ命です。最近それに気付きました。昔はとにかく飛ばしてました。止まる暇も惜しんで・・。だから自転車が楽しかったんです。それが写真だのSNSだのが入ってきてアベレージが極端に遅くなりました。それで自転車がつまらなくなったんですね。原点回帰を求めるためには遅い自転車ではダメで速い自転車でなければならないのです。遅い自転車で良ければミニベロで十分でしょ?
軽さは正義!
ロードバイクの世界では100グラム1万円という定説がありますから(笑)、軽量化するにはとにかくお金がかかります。もちろんお金さえ出せばいくらでも軽いフレームを手に入れることはできますが、そこは貧乏人ですから予算に限界があります。
したがって、限られた予算の中で最も軽くて速く走れるフレームを選ぶことがミッションとなります。当然ながら予算が12万くらいではカーボンはとても無理でアルミ一択になります。最近はアルミフレームも進化しており、廉価グレードのカーボンより高級アルミの方が良いと言われております。したがって、最軽量のアルミフレームを手に入れるということがロードバイク選びの基準となったのです。