長野県東御市と群馬県嬬恋村を結ぶ県道94号線に地蔵峠というピークがあり、付近一帯は湯ノ丸高原と呼ばれてスキー場などがある観光ゾーンになっています。峠の西側には湯ノ丸山と烏帽子岳という二つの山があって、半日くらいで両方一度に登ることができます。
登山口は湯ノ丸高原の駐車場。ここで標高1732mあります。トイレもあるので車中泊もできそうな場所ですね。
午前8時前に出発。登山口はロッジ花紋のすぐ横から始まり、キャンプ場までは舗装された車道が続きます。
少し行くとキャンプ場があり、中を突っ切っていきます。
キャンプ場を抜けたところから登山道の始まりです。
よく整備された道を緩やかに登っていくと、「中分岐」と呼ばれる十字路に出ます。ここは湯ノ丸山へ直接登る道との合流点です。先に烏帽子岳から登るため、十字路を直進します。
ここから烏帽子岳と湯ノ丸山の鞍部までは水平道と呼ばれており、ほぼ平坦な歩きやすい道が続きます。木陰も多くて涼しい。
地蔵峠から小一時間で烏帽子岳と湯ノ丸山の鞍部に着きました。ここまで来ると烏帽子岳の山頂が見えます。平らな広場になっていて休憩用の石の腰掛けも備えられています。この場所は風が吹き抜けてとても涼しいです。
鞍部から山頂まで1.5kmですが、この先はまともに日が当たるため超暑い。水がどんどん減ります。急坂を登り切ると稜線に出てちょっと展望が開けますが、もちろんまだ頂上ではありません。
烏帽子岳の稜線上にはマツムシソウがたくさん咲いています。
手前の岩山を登ると山名標が現れて頂上かと期待させられますが、向こうに本当の山頂が見えてガッカリします(笑)。ここには「小烏帽子岳」と書いてありますが、別名「偽烏帽子」と呼ばれることもあります。これは良くできたトラップです(笑)。
小烏帽子岳から少し下り、もう一度最後の岩場を登ります。近くに見えているようでこれが結構遠いんです。
岩場をよじ登ってやっと烏帽子岳山頂に着きました。標高2066m。鋭峰だけあって360度遮るもののない展望が得られます。
後ろに見えるのは四阿山と根子岳ですね。
中央に見えるのは菅平高原、遠くには妙高山が見えています。
こちらはこれから登る湯ノ丸山です。
ちょっと隠れてますが、右に蓼科山、左に南八ヶ岳が見えます。
霞んでいるので写真には写りにくいですが、はるか彼方に北アルプスも見えます。残雪があるからすぐわかりますね。
烏帽子岳から来た道を引き返し、鞍部まで戻ります。この分岐を左にとると湯ノ丸山です。ここから標高差にして250mほどあります。
道中ではウスユキソウがたくさん咲いていました。
初めは樹林の中ですが、次第に木が疎らになってガレた岩場を登るようになります。まともに日が当たって超暑い! 水の残量が心配になってきました。
暑さで体力を奪われ非常にきつい上りでしたが、鞍部から35分ほどで湯ノ丸山山頂に着きました。標高2101m。山頂はとても広いんですが、学校登山の子供達に占領されたため、もう一つのピークである北峰へ向かいます。
先ほど登ってきた烏帽子岳が向かいに見えます。こうやって見ると二つのピークを持つ双耳峰であることがわかりますね。
眼下には嬬恋村のキャベツ畑が見えています。
北峰へは尾根伝いにすぐ行けます。見晴らしが良くて気持ちの良い道が続きます。
北峰までは10分とかかりません。標高2099.1m、三角点はこちら側にあるようです。狭い山頂ですが、こちらの方が高度感があります。この岩の上に座ってお昼を食べました。
浅間山が大きく見えます。
北峰から南峰を見るとこんな感じ。
再び南峰まで引き返し、12時半頃下山を開始します。基本的にあとは下りだけです。すぐ下に湯ノ丸高原の駐車場が見えていますが、標高差にして400m近くあるのでこれが結構大変なのです。
半分くらい下りますと、「鐘分岐」と呼ばれる十字路に出ます。ここには文字通り鐘があります。遭難防止を願って建てられたそうです。ここを左に行けば行きに通った中分岐に出ます。
さらに下りますと広場があり、庭園風になっています。背後には湯ノ丸山が大きく見えます。ここまでは地蔵峠から近いため、観光エリアになっているようです。
いったん平坦になった後、わずかに上り返します。
どんどん下っていくと、突然スキー場のリフトが現れます。ここで道が途切れるように思えますが、標識にはリフトの右側を下りる道と左側の林の中を下る道の両方が書いてあります。
どっち行くか迷いましたが、リフトの右側を下りました。芝生の上を下りるのでこれと言った道はありません。距離的にはわずかに近いようですが、ゲレンデを真っ直ぐ下りていきますので爪先がつんのめって結構辛い。獣除けのゲートを抜けるとすぐ前が駐車場でした。下りは1時間強というところですね。
午後1時半過ぎに駐車場に戻りました。休憩も含め、行動時間は5時間半に及んでいます。今回の山旅で最も長い行程でした。水は1.5L持って行ったのですが、最後には底をつきました。この暑さではそれでも足りないようです。以前、蓼科山で軽い熱中症になったことがありますが、暑さは本当に体力を奪います。給水は十分に考えないとヤバイですよ。