IDIOM2納車後、テスト走行を兼ねて初めて長距離走ってきました。いつものよろづ往復ですが、登坂性能もテストするため稲淵の棚田から朝風峠を上ってみました。
走行感覚としては以前乗っていたMR-4に近いですね。20インチと24インチという違いはありますが、大きめの451ですから限りなく24インチに近い感じです。平地でのスピード感はLGS-POPとは雲泥の差で、グングンと気持ちよく加速してくれます。LGS-POPでは不可能だった20km/h巡航も簡単にできます。乗車感覚としては完全にスポーツサイクルそのものですね。やはりタイヤの違いが大きく、細くて高圧、しかも一回り大きいと来れば良く走るのは当たり前です。
また特筆すべきは直進安定性の高さでしょう。MR-4は乗車感覚に独特のクセがあって、久しぶりに乗るとハンドルがふらついて怖い感じがしますが、IDIOMはそんなことはありませんでした。小径車にありがちなハンドルのふらつきは最小限に抑えられ、重いフロントバッグを付けてもほとんどふらつくことはありませんでした(わざと3kg積んでみました)。これは1024.9mmもあるホイールベースの長さが効いているのでしょう。一般的なロードバイクのホイールベースが980mm前後なのに対し、それより45mmも長いのですから小径の分を差し引いても安定するのは当然です。また仮想トップチューブ長が550mmもありますから、小径車にしては窮屈さを感じません。
乗り心地はLGS-POPに比べると確かに固いですが、よく言われる路面からの突き上げ感はそれほど気になりませんでした。普通のアルミロードと同じ程度の乗り心地です。やはり特殊成形のフレームによって効果的に衝撃が吸収されているのだろうと思います。あとタイヤをもう少し太い20×1-1/8に変更(純正のタイヤも規格上は同じですが)すれば乗り心地は向上するんでしょうけど、問題はブレーキとのクリアランスが確保できるかですね・・
関係ないけど、今年は案山子コンテストまだ見てなかったんですね(笑)。一応、まだ展示されてますよ・・
見晴らしの良い場所で記念撮影。バッグは昔買って長年使っていなかったオーストリッチの小型フロントバッグを引っ張り出して付けてみました。これで財布、スマホ、カメラくらいは入りますけど、いまいち使い勝手が良くないですね。それに外したときにアタッチメントが残るのが嫌で、やっぱりこれはやめようかと思います。
40km走りましたけど、別にしんどいとは思いませんでしたね。以前LGS-POPで行ったときは二度とやらんと思いました(笑)。アベレージも15.4km/hでしたから小径車としてはまずまずではないでしょうか? このくらい走ればツーリングにも十分使えそうですね。時間さえかければ100kmツーリングも不可能ではないと思います。こうなると便利すぎてロードバイクにまったく乗らなくなってしまいそうな予感が・・(爆)
ギア比について
IDIOM2はフロントシングルなので、フロントが48T、リアは11-32Tが付いています。スプロケットの歯数構成は次の通りです。
11-13-15-18-21-24-28-32
これをもとにして走行可能な速度と登坂力について考察してみましょう。
トップ側
クランクの回転数(ケイデンス)がどのくらいだったらしんどいと感じるかは個人差があるでしょうけど、ロードレースの世界では一般的に毎分90回転と言われてますね。でもこれは相当必死こいて回してる感じなので、僕みたいなへなちょこレベルでは80回転が限界でしょう。またそれほど頑張らずにだらだら流しているときの回転数はおよそ60回転くらいだと思います。つまり1秒で1回転です。このくらいならそんなに息は上がらないはずです。これをもとに理論上の走行速度について計算してみます。ここではキャットアイのデータにより、タイヤ周囲長を155cmとしました。
走行速度(km/h)=タイヤ周囲長(cm)×フロント歯数/リア歯数×ケイデンス(rpm)×60/1000/100
1) だらだら流してるときの巡航速度(60回転)
11T → 24.3km/h
13T → 20.6km/h
15T → 17.9km/h
2) 目いっぱい頑張ったときの最高速度(80回転)
11T → 32.5km/h
13T → 27.5km/h
15T → 23.8km/h
これにより、理論上はトップスピード32.5km/hまで出せることがわかります。ただしこれはあくまでも理論値であり、80回転を維持できる脚力がなければ意味がありません。実際に11Tを回すのは相当重く、僕の脚力では追い風か少し下りでなければ回せません。したがって、これ以上重いギアはあっても意味がないのです。
実際走ってみて一番楽だと感じるのは13Tです。これなら60回転で20km/h出ますから、だらだら流すのにちょうど良いギア比です。平地では小さい方4枚しか使いません。発進時に18Tを使い、巡航時は13Tを常用します。少し向かい風になれば15Tに落とさなければなりません。11Tが使えるのはある程度スピードが乗ったときだけです。
ロー側
他のホイール径と比較できるように、クランク1回転で進む距離を計算してみます。
24T → 310cm
28T → 266cm
32T → 233cm
また比較のために今乗っているロードバイクのインナー×ロー(34Tx30T)で同じように計算しますと239cmとなります。つまりIDIOM2の一番軽いギアは乙女ギアと呼ばれる貧脚仕様よりもさらに軽いのです(笑)。これでも足りないと言うのなら脚力を鍛えなはれ!と言いたいです(爆)。
朝風峠手前の坂です。最後は結構な勾配がありますが、この程度の坂なら32Tを使わなくても28Tで上れます。32Tを使うのはよっぽどの激坂です。それでも上れないような超激坂はフロントが浮いてしまいますから危なくて乗れません。
ただ小径車は慣性モーメントがありませんので、長く続く坂はやっぱりしんどいんですよね。こればっかりは同じギア比でも700Cの方が有利になります。いくらギアを軽くしてもそれは変わりません。
以上より、トップ側もロー側も実用上十分なレンジがあり、フロントシングルで十分という結論が導かれます。改めてIDIOM2のギア比設定はよく考えられていると感心します。
フロントダブルにしたがる人がやたらと多いですが、それは結局トップスピードを伸ばしたいからですよね? 確かにフロントを52Tや53Tにすれば40km/h超えも可能かもしれません。でもそれを回せるだけの脚力がなければ意味がないんですよ。僕の脚力では48Tでさえ回せないので、あっても無意味です。そしてフロントを大きくした分、今度は上り坂が辛くなってしまいますから、必然的に小さいインナーが必要になります。でもそこまで欲張らず、トップスピードをせいぜい30km/h程度に抑えるならばシングルの48Tですべてカバーできます。48Tを700Cに換算すれば35T相当となりますから、常にインナーで走っているのと同じなのです。したがって、ダブルにしてインナー39Tを付けるのはロードで言えばトリプル化と同じことになります。そこまで軽いギアが必要でしょうか? 結論として、過度なトップスピードと過度な登坂力を求めない限り、フロントダブルはまったく不要と言えます。
そもそもミニベロでロードバイクの走行性能に限りなく近づけるという考え方が間違ってると思うんですよね。フロントダブルにするということはそういうことでしょ? でもいくらお金をかけても物理的にミニベロは700Cより確実に劣るんです。まあ道楽としてミニベロの可能性に挑戦するのは否定しませんけど、むちゃくちゃ効率の悪いことをやっているだけです。それしかないなら別ですが、長距離を快速で走りたければ初めからロードバイクに乗ればいいだけのことです。ミニベロはミニベロらしくのんびり走るのが一番だと思いますね・・
ブレーキ性能について
標準で付いているTEKTROのキャリパーブレーキは平地では十分な制動力があると思いますけど、朝風峠の激下りではやはり効きが甘く、少々怖いと感じました。タイヤとのクリアランスの関係もあり、早急にシマノに換えた方が良さそうですね。できれば105にしたいところですが、予算的に厳しいのでSORAで我慢かなぁ・・(^_^;
走行距離:40.1km
平均速度:15.4km/h