突然だが、にわかに物欲が噴出して新しいMTBを購入した。車種はGARY FISHERのTassajara 2004年モデル。昨日納車されたばかりだが、実車を見ての第一印象はとにかく「デカイ」。特に家の中で見たら巨大だ。700Cのロードバイクがずいぶん小さく見える。タイヤが太いこともあるが、全体のボリューム感はロードバイクの比ではない。何もかもがアメリカンサイズだ。とにかくデカイ。これはどう見ても「戦車」だよなぁ・・・
平川釜落林道
今日はcancanさんとFSRさんとともに野迫川村へ初乗りに行ってきた。大塔村内から高野辻堂線を経て高野天川線を周回する予定だったが、高野辻堂線が山崩れのため通行止になっており、平川釜落林道でショートカットすることにした。距離的には35km程度しかないが、相当な急勾配が連続するため手強いコースだった。紅葉撮影が目的だったので写真を撮りながらぼちぼちと上ったが、それでもキツい。
これまでロードバイクにしか乗ったことがなく、MTBの乗り味がいかなるものか全く未知だった。まず平坦な舗装路を走ってみての第一印象はとにかく「重い」! うなりを上げるロードノイズと路面に吸い付くような抵抗感。これだけでものすごくエネルギーを浪費しているのが体感できる。そして上りになると効果はテキメン、ますます粘り付くような抵抗感にあえなくギブアップ。MTBは軽いギアが選べるから楽だという思い込みはとんでもない間違いであった。
ロードバイクなら少々の上りは勢いだけで上ってしまえるし、長い上りであってもある程度ギアを掛けて慣性を使った方が楽に上れる。MTBでインナー×ローまで落とすと軽い代わりにまったく進まない。ということは慣性がほとんど使えないのだ。おまけにタイヤの摩擦抵抗がものすごい。ちょっとペダリングをゆるめるとすぐ失速してしまう。たとえギアが重くても上りはロードバイクの方が楽なのだ。
MTBが本領を発揮するのはもちろんダートだ。今日はかなりぬかるんだダートの上りもあったが、2.1インチのブロックタイヤはしっかりグリップしてくれた。そして何と言っても楽しいのはダートの下り。サスペンションの効きもあって飛び跳ねるように障害物をかわしながらコーナーを攻めていくのは快感である。とにかくロードバイクと違って路面に神経を使う必要がないのはものすごく楽だ。
とかくサイクリングを始める人はMTBから入る人が圧倒的に多い。その理由は、ロードバイクなら舗装路しか走れないが、MTBさえあればどこへでも行けるという「万能車」的な考え方があるからだろう。それは確かに間違いではないが、MTBは決して万能ではない。
あえて言うならMTBは「ダート専用車」だ。ダート以外を走るべきではない。舗装路を走るのは圧倒的に効率が悪い。自転車の経験が長い人ならそんなことは当たり前として体験しているだろうが、今日MTBに乗って初めて実感した。
逆にMTBしか乗ったことがない人はロードバイクに乗り換えたらあまりの軽さに驚くだろう。どこへ行くにもMTBの人は、自分がいかに損しているかに気が付いていない・・。林道程度を走るのに2.1インチのブロックタイヤは太すぎると思われる。早速センターリッジの細めのタイヤに換えることから始めよう。