実走日:2002年5月24日(金)
コース:尾道~向島~因島~生口島
3年前の5月に開通直後のしまなみ海道を走行しているが、このときは生口島から今治までの往復であったため、今ひとつ満足感に欠けるツーリングであった。今年本格的なフォールディングバイクのジャイアントMR-4Fを購入したこともあり、輪行が容易になったので、初めての遠征として尾道~今治完全走破を計画した。一応中間で一泊すれば走行可能な距離ではあるが、せっかく四国まで来たのだからゆっくりしていきたいので、さらに北条まで走ってもう一泊する予定とした。とりあえず生口島の瀬戸田しまなみYHの予約を確保。
天理発8:33の電車で出発し、大和路快速に乗り換えたまではよかったが、何と久宝寺駅手前で人身事故があったとかで10数分停車。このまま行くと大阪駅での乗り換えが危ない。さらに遅れは増大し、大阪駅に着いたときには姫路行き新快速との連絡が2分しかなかった。大阪駅で2分乗り換えはどう考えても無理と半ばあきらめていたが、その新快速も3分ほど遅れたため、結局余裕で間に合った。しかしこの新快速というのがくせ者で、平日の昼間にもかかわらずスーツ姿のビジネスマンで超満員。座れるどころか輪行袋を置くスペースさえ見つからず、結局足の間に挟んで立つ羽目になった。かなり迷惑である。神戸でようやく座席が空いたので座れたが、この車両はドアの両側に補助座席があって、そこには輪行袋を置けないのだ。それでまた仕方なく足に挟んだまま補助座席に座ることになる。この223系新快速は輪行には要注意の列車である。姫路で11:04発三原行き各駅停車に乗り換え、あとは尾道まで一本だ。一応座れたものの、普通列車というのは初めは空いているようでも地方の中心的都市に近づくにつれて急速に混んでくる。岡山・倉敷・福山の手前では昼間にもかからわず学生らで大混雑であった。いくら交通費を節約するためとはいえ、普通列車は避けるべしとの教訓を得たのであった。尾道には13:47に到着。普通列車で5時間ならそこそこ近いだろう。
駅前で自転車を組み立て、すぐ向かいにある渡船乗り場へ向かう。スロープを下りていってそのまま船の中に入り、中で料金を支払うシステムになっている。乗船料金は自転車込みで110円。地元の人も自転車で乗り込んでいてローカルなムード満点である。船はすぐ出発し、運河のようなところを通ってほんの5分もかかるかかからないかのうちに向島に到着。航路付近は古い家並みが続き、わずかな時間ではあるが情緒溢れる船旅であった。ちなみに向島へ渡るには尾道大橋があるが、この橋は歩道が非常に狭く危険なため、しまなみ海道のルートからは外されている。実際走った人の話によると恐ろしくて二度と通りたくないということである。そして何よりも尾道駅から離れているため、かなり遠回りになってしまう。ここは素直に渡船に乗るのがおすすめである。
渡船を下りていよいよしまなみ海道の走行を始める。乗船場から川沿いの道を南進するが、1キロも走らないうちに早くも自転車のトラブルが発生。なぜかサイクルコンピュータの数字が0km/hのまま動かない。よく見るとマグネットの位置がずれていてセンサーと離れてしまっている。輪行中に列車の揺れで一度倒れてしまったことがあり、たぶんそのときにずれたのだろう。携帯したドライバーでマグネットを取り付け直して何とか復活。突き当たりの国道317号を右折し、そのまま直進して県道に入る。このあたりは町の中心部で交通量も多い。道越で海岸に突き当たり、左折して向かいの岩子島との間にある御幸瀬戸と呼ばれる海峡に沿って南へ走る。このあたりまで来ると交通量も減って走りやすい。津部田地区を過ぎて布刈鼻を回り込むと巨大な因島大橋が見えてくる。ここに屋根付きの休憩所があったので自転車を止めてちょっと休憩。
ここまでだましだまし走ってきたが、実はもう一つ自転車のトラブルが発生していた。ハンドルバーに取り付けていたフロントバッグが荷物の重みに耐えかねて「おじぎ」を始めてしまったのである。出発前に重量を測ったところ3.5kgもあって、着脱式のアタッチメントには相当な荷重がかかっていると思われる。取り付けネジの締め付けが緩かったようだ。折り畳み式のアーレンキーで増し締めして何とか「おじぎ」は収まった。しかしいくら何でもこの荷物は重すぎる。しかも重心が高いため、ハンドルを取られて非常に乗りづらい。これは完全に失敗であった。これからこの荷物を積んだまま走るのかと思うと憂鬱である。
しばしの休憩の後、因島大橋に向かって長いスロープを上り始める。ここは勾配が緩く作られていて上りやすい。そしていよいよ因島大橋の橋上に出る。この橋は上下二段構造になっていて、上段は自動車専用、下段は自転車歩行者専用道となっている。下段は枠組みがあって展望が良くなさそうに見えるが、実は真下に非常によく海が見える。これほど海が間近に見えるのはしまなみ海道でも随一であろう。
長い因島大橋を渡り終え、大浜崎の近くを通って北海岸の県道に出る。県道をしばらく走った後、鉄工団地の手前で「しまなみ海道」の標識を見て左折する。ここから少し山の中に入り、少々アップダウンがある。峠を越えてやや狭い道となるが、まっすぐ行けば重井町で広い道に出る。ここを左折して小さな川沿いに走るとまた「しまなみ海道」の標識があって、信号を右折する。暑さでずいぶん喉が渇いてきたので、信号の手前にあったコンビニでジュースを買って小休止。西瀬戸自動車道に並行する県道に入るとまた少しの上りとなる。一旦自動車道の下をくぐって、運動公園の辺りで頂上となり、そこからまた自動車道をくぐって下りとなる。そのまま下れば西海岸の県道に出て、間もなく生口橋が見えてくる。やがて生口橋の下をくぐってアプローチ路に入る。ここも緩やかな勾配になっていて上りやすい。
途中に休憩所があったのでまた一息入れる。この辺りから斜張橋の生口橋が美しく見える。だらだらと上って橋上に出る。ここも眺めが良い。橋を渡っていよいよ生口島に上陸だ。
ここからしまなみ海道は北回りの県道沿いに付けられている。ずっとフラットで走りやすいが、最北部の名荷地区を過ぎたあたりからまともに向かい風になってきた。これまでもずっと感じていたのだが、今日は南西の風が強い。こうやって海岸線に出ると遮る物がなく、まともに風を受けるようになる。今日の宿泊地までもう少しなのだが、疲労も重なってなかなか進まない。すごくもどかしく思える。そしてやっとのことで耕三寺や平山郁夫美術館のある瀬戸田町の中心部にたどり着く。ここから先は三年前も訪れたことがあるのでよく知った道だ。
瀬戸田の町並みを抜けるとまた海岸線のすぐそばを通る。沿道にはソテツなどが植わっていて南国的な雰囲気がある。休憩所が設けられているのでまたちょっと一休み。だいぶ日が傾いてきて、いい雰囲気になってきた。まさにサンセットロードである。ここからあと1キロ少々走って、垂水地区にある瀬戸田しまなみYHに到着。予定通り5時頃に入ることができた。わずか33キロであったが、本日の走行はこれで終了。平日ということもあるが、本日の宿泊者は他に年輩の男性が1名のみと寂しい状況だった。ペアレントさんもお客が多かったのは最初だけで、今はずっと落ち着いていると話していた。
走行距離 | 走行時間 | 平均速度 | 最高速度 | 最高地点 | 最大標高差 |
33.12km | 1:52:58 | 17.6km/h | 44.5km/h | 45m 因島大橋 |
45m |