Garmin Edge 530を使ってみて

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GPS

今さら感満載ですが、ついにGarminのサイコンEdge 530を導入いたしました。買ったのは1ヶ月前なんですが、その間数回使ったので使用感をレビューしてみたいと思います。

現在はEdge 540シリーズが発売されており、すでに型落ち機種になりますが、今でもAmazonで並行して販売されています。当然、最新機種よりは安いわけで通常価格は39,800円ですが、タイムセールで35,800円になっていたところを購入いたしました。おそらくこれが最安値だろうと思います。

一応、Edge 540ともスペックを比較してみましたが、バッテリー持ちが少し長くなったり、USBがType-Cになったくらいで大きな違いはないんですよね。それなら安い方がいいわけです。というかEdge 540はお高いのでとても買えません。これが自分に買えるギリギリの値段です。

買った理由

eTrexの将来性に不安

これまではeTrex 30xをメインに使ってきましたが、購入後すでに8年経過しています。電源は乾電池式なのでバッテリーが劣化するということはないのですが、いかんせん古い機種ですから動作が遅く、最新のセンサー類にも対応していないなどいくつかの問題点がありました。

ところでいつの間にかeTrex 32xがGarminのサイトから消えてたんですよね。現在eTrexシリーズとして残っているのはeTrex SOLARという廉価な機種のみです。これは地図の表示ができず、単なるログ記録にしか使えません。eTrex 32xの後継となるべき機種ではないんですよね。どうやらGarminはもうeTrexシリーズをやる気はなさそうですね。アウトドア用途はすべてスマートウォッチに集約していく方向なんでしょう。

手持ちのeTrex 30xはまだまだ現役で使ってますが、この機種固有の持病があり、いずれボタンが陥没して使用不能になると思われます。もはや修理も不可能で、壊れたらそれまでなんですよね。今のうちに代替機種を探しておこうというのが一つの購入動機になります。

スマホに非対応

今どきのサイコンはスマホと連携して使うのが当たり前になってますが、eTrex 30xは古い機種なのでスマホには接続できません。どうやってデータをやり取りするかというと、USBケーブルで直接PCに接続するのです。もちろん家にいる時はPCがあるのでいいのですが、出先でルートを作成してナビに利用しようと思ってもPCがないと何もできないんですよね。

stravaにログをアップするときも同じことで、PCがないとその場でアップできません。日帰りならまだいいですが、旅行先だと何日分もログが溜まってしまうことになります。やっぱり今どきスマホに対応していないのは致命的ですね。

地図のカスタム性が高い

最近はGarmin以外でもBrytonやiGPSPORTなど新興勢力が次々とサイコンに参入してきて、かつてのようにGarmin一択ではなくなってきています。それでもGarminを選ぶ理由があるとすれば、それは地図のカスタマイズ性の高さです。

これまでiGPSPORTのサイコンを使って思ったことは、「地図がイケてない」ということです。その他の機能はまあまあ良いんですが、地図だけがどうにもいただけません。具体的に言うと、施設名が表示されない、鉄道や河川が表示されないということです。ほとんど道路だけのシンプルな地図で、最低限のナビ用途には使えますが、それだけで道を見つけるような使い方には向いていません。

Edge 530をはじめ、Garminのサイコンの優れたところは初めからある程度使える地図が入っていることと、サードパーティーの地図を自由にインストールできるということです。これにより好みの地図を選ぶことができますし、地図を常に最新に保つことができます。通常、メーカーが提供する地図というのはほとんど更新されないことが多いので、これは大きなアドバンテージがあります。このためだけにGarminを選ぶといっても過言はないでしょう。

早速OSMをインストールしてみた

Edge 530には初めから昭文社の道路地図がインストールされていますが、2021年時点のものなのでかなり古くなっています。そこでWebから最新のOSMをダウンロードしてインストールしてみました。

地図の入手先

無料でGarmin用のOSMを提供しているサイトはいくつかありますが、中でも更新頻度が高くて使いやすいサイトを紹介しておきます。

2022.04.16 garmin nuviの地図

上記のサイトではほぼ1週間に1回のペースで頻繁に更新されています。もちろん個人の好意によるものですから永続的に更新を期待することはできませんが、今のところは最有力候補です。

地図のインストール方法

上記のサイトから最新のOSM全国(sjis版)のZIPをダウンロードし、解凍します。中に入っている拡張子が .img のファイルが地図イメージになります。

PCとUSBケーブルで接続し、マスストレージとして認識させた後、garminフォルダの直下にimgファイルをコピーするだけでOKです。このとき既存のimgファイルを上書きしてしまわないように注意して下さい。念のため日付などを付加してリネームしておくのが良いでしょう。

コピーが終わったら、本体側の設定で使用する地図を切り替えます。「設定→アクティビティプロフィール→ロード→ナビゲーション→地図→地図情報」と階層を深くたどる必要があります。ここでインストールしたOSMだけを有効にし、それ以外を無効にすることで地図が切り替わります。

使用感

画面の見やすさ

ディスプレイは半透過型のMIPを採用していますが、明るい屋外では非常に視認性が良くて全く問題ありません。この辺はさすがGarminと思いました。

表示項目のカスタマイズ性

走行データの一覧表示は最大で10項目まで同時表示でき、十分な情報量があります。さらに複数ページを作成することができるので、用途に応じて使い分けられるのも便利。

またConnect IQから拡張されたデータ項目をインストールして、それを表示させることもできます。自分はvpowerというデータ項目をインストールして表示させています。いわゆる仮想パワーメーターなので参考程度にしかなりませんが、パワーメーターがなくてもリアルタイムでパワーを表示できるのは面白いです。

地図の情報量

標準インストールされている昭文社道路地図は国内専用に国道や県道が色分けされて見やすいのですが、施設名が表示されないところが残念です。一方、OSMをインストールすると施設名が表示されるので見ているだけで楽しいです。当然コンビニなども載っています。等高線入りの地図を選べば等高線も表示できますが、ゴチャゴチャして見づらくなるのであまりおすすめしません。

iGPSPORTの地図はコントラストが薄くて見づらいのが難点ですが、Garminの地図はコントラストがくっきりして非常に見やすいです。地味ながらこの辺も老舗ならではのアドバンテージを感じます。

ナビゲーション

ナビゲーションをするには当然あらかじめルートを作成してデバイスに転送しておく必要があります。地図から任意のポイントを選択してナビゲーションができるのかはまだやったことがないのでわかりません。

ナビを起動するといわゆるターンバイターン方式で次に曲がるポイントまでの距離と方向を知らせてくれます。転換点に近づくと自動的にズームしたり、アラームで知らせたり、その辺の機能はちゃんと備えています。

実際に使ってみたところ、転換点の認識は完全ではないものの概ね正確だと思いました。転換点というのは道路の交差点など本当に必要な箇所でのみ知らせてほしいものです。全く関係のないカーブなどでいちいち反応すると煩わしくてたまりません。ところがiGPSPORTのナビはこの辺が全然だめで、たとえ一本道であってもカーブのたびにいちいち曲がれと言ってきます。あまりに鬱陶しいのでナビは使わなくなりました(笑)。

クライムプロ

Edge 530を買った理由の一つに、クライムプロという機能が面白そうだと思ったことがあります。これは上り区間を自動認識して、ピークまでの距離と勾配をリアルタイムで表示してくれる機能です。ペース配分がわかりやすいので使いようによっては便利な機能ですが、逆に先の厳しさを思い知らされてゲンナリするという両刃の剣でもあります(笑)。


これがクライムプロの画面。当然あらかじめルートを転送しておく必要があります。上り区間が500m以上、かつ平均勾配が3%である場合に自動的に起動します。ピークまでの距離と残り上昇量、平均勾配をグラフィカルに表示してくれるので見ていて楽しいです。

ログの正確性

衛星はGPSとGLONASS, Galileoに加え、日本のみちびきにも対応しているので精度的には問題ありません。ただしGLONASSとGalileoを同時に使うことはできないので二者択一です。衛星の数を増やすとバッテリー持ちが少し短くなるらしいので、シビアな用途ではGPSのみにした方が良いのかもしれませんが、日帰りライド程度では常時GPS+Galileo+みちびきにして問題ないと思います。

今どきのGPSですから水平精度に関しては全く問題ありません。山間部に入ると若干乱れることはありますが、それはどれも似たりよったりなので仕方のないことです。

特筆すべきは高度の正確性が高いということです。Garminの機種すべてに言えますが、他社に比べて高度が非常に正確です。この辺は老舗ならではのノウハウが詰まっているのでしょう。ログをスタートした時の高度はほぼ合っていますし、途中の高度も適宜自動的に校正されて大きく外れることがありません。これがiGPSPORTのサイコンは全然だめで、高度は最初からズレてますし、時間が経つにつれてズレがどんどん拡大していきます。おそらく校正がうまく行ってないのでしょう。見かけのスペックは良くてもこういう細かい部分の完成度がまだまだGarminには追いついてないんですよね。

バッテリー持ち

バッテリー持ちは公称で20時間とされています。まあブルベなどで夜通し走るには物足りない数字でしょうけど、日帰りライドには十分です。旅行で連日走るときも毎日充電すればいいだけの話です。

100%充電してから6時間ライドした後のバッテリー残量を見てみると、86%残っていました。ということは6時間で14%ですか。思ったより長持ちする印象がありますね。おそらく日中のライドであればバックライトが点かないので公称よりは伸びると思います。夜間バックライトを点灯させると公称くらいになるということでしょう。

操作性はいまいち

機能には概ね満足していますが、唯一だめなのは操作性です。これはタッチパネルでないから仕方ない面もあるのですが、ボタンの配置やクリック感がいまいち良くないですね。

特に地図を表示している時の操作性が最悪です。一応、拡大縮小やスクロールはできるのですが、ボタンを複数回押す必要があり、とても実用的とは言えません。地図は現在位置を確認するくらいにした方がいいでしょうね。

eTrexは手放せない

いわゆる今どきのサイコンというものを体験してみましたが、いろいろ便利な機能やセンサー対応には満足できるものの、まだまだeTrexには及ばないなと実感しました。なぜなら単純に地図として使う場合の完成度が全然違うからです。

eTrexはもともとアウトドアナビという性格のモデルで、ログ記録などとは無関係に地図だけを見て走るという使い方が可能です。その地図が大変見やすく、現場で道を探索する際に非常に役立ちます。ちょっと複雑なルートだとeTrexがないと不安になります。

地図の拡大縮小は本体横の独立ボタンで即座にできますし、スクロールはジョイスティックで任意の方向へ可能です。動作は遅いものの、Edge 530とは操作性が全然違います。これだけでeTrexを使う意味があります。

というわけで未だにメインはeTrexなのです。使い分け方として、コースをよく知っている場所ではデータ取りを目的としてEdge 530を選び、初めての道や複雑なルートでは地図を目的としてeTrexを選ぶことになるでしょう。もっと大雑把に言えば、トレーニング目的ならEdge 530、ツーリング目的ならeTrexという選択になるでしょうか。

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