サイクリングのルート作成には普段Ride with GPS(以下RWGPS)を使ってますが、無料で使えてかなり便利です。ただ一つだけ難点がありまして、ルートの中にトンネルや橋があると実際の獲得標高より大幅に大きく出てしまうという問題。これは路面の標高ではなく地形の標高を拾ってしまうために起こります。
以前はStravaでも同じ問題が起きていましたが、最近のStravaは改良されてトンネルや橋があってもちゃんと補正されるようになりました。どうもユーザーが蓄積した走行データを利用しているようでかなり正確です。ただ課金しないと使えないんですよね・・
しかし昨日あたりRWGPSからアナウンスがあり、トンネルや橋があっても平坦化して正しい獲得標高を表示できるようになったとのこと。しかも無料ですよ。これはありがたいということで早速試してみました。
完全ではないがよく補正されている
どの程度正しく補正されるのか確認するため、あえてトンネルだらけのルートを作ってみました。中にはループ橋も含みます。
確かにトンネルはきっちり平坦化されてますね。両端の標高を直線で結ぶというアルゴリズムのようです。ただ4km付近で凹んでいる箇所がありますが、これはループ橋の部分に該当します。実際には下るということはなく上り一方です。これはたぶんループ橋とループトンネルの複合という特殊な形態だからバグってしまったものと思われます。まあかなり意地悪な設定ですね(笑)。普通のループ橋ならちゃんと補正できますよ。たとえば出雲の「おろちループ」なんかも正しく補正されました。なかなか優秀。
獲得標高を見ますと495mと出ていますが、10km以降の部分で地形の凹凸を拾ってしまっているため少し多めに出ています。実際には途中にアップダウンはないため、単純に最高と最低の差を取れば330mくらいが正しい値です。実際より多めに出る傾向は相変わらずですが、以前のようにトンネルがあるとメチャクチャになることはないので、ある程度使えるようになったと思います。
Googleマップでは補正が効かないので注意
前からわかっていたことですが、RWGPSの地形データにはOSM系とGoogleマップ系の2系統があるようです。このうちトンネルや橋の補正が効くようになったのはOSM系の方です。具体的には背景地図でRWGPS, OSM, ESRI Topoなどを選んだ場合に相当します。
それに対して背景地図にマップ/地形/衛星/ハイブリッドを選んだ場合、つまりGoogleマップを利用した場合はトンネルや橋の補正が効かなくなります。なぜか一部のトンネルは補正されることもあるのですが、多くは補正されません。したがって獲得標高が実際より大幅に大きく出ます。
Googleマップの方が見やすいのでちょっと残念ですが、こういう問題があるのでトンネルがある場合はOSM系の背景地図を選びましょう。
精度ではStravaが一歩リード
これでRWGPSもStravaに並んだかに思えるのですが、精度から言えばStravaの方が一歩リードしているように思います。Stravaにはサイコンで取得したログの標高を修正する機能がありますが、それを利用するとほぼ正しい獲得標高が得られることがわかっています。これはやはり地形データではなく、ユーザーが実際に走行したGPSデータに基づいているためと思われます。単純に地形データだけで補正しているRWGPSはちょっと劣る部分はありますね。まあ有料だけのことはあるでしょう。
それでも以前に比べれば実用上問題ないレベルまで補正できるようになったので、これが無料で使えるなら活用すべきだと思います。まあそれもいつ有料化されるかわかりませんけどね。