自転車終了目前にして起死回生策の登場でございます。低下したモチベーションをリセットするには物欲に走る、これが王道なのですね(爆)。というわけで、物欲大魔王が降臨して折りたたみ小径車のルイガノ LGS-POPがうちにやって来ました。
この前MTBを手放したのも、実はこれが目的だったのですね。うちには買っていい自転車は3台までという厳しい掟がございます(3台でも多すぎますが)。一台買ったら一台手放さなければなりません。それで玉突き式にMTBが旅立っていったわけです。今まで日常の足として使っていたMTBがなくなったのでちょっと困っていたわけですが、一時的にMR-4のペダルをノーマルに戻してしのいでいました。まあそれでも別に困らないんですけど、やっぱり街中ではスタンドがないと使いづらいんですよね。というわけで、日常の足として折りたたみ小径車が欲しかったというのが表向きの理由ではあります。
そしてもう一つの理由が車載なんですね・・。今まで主にMR-4をツーリング用として車に積み込み、旅行してきましたが、MR-4は折りたたみと言っても畳んだ状態では自立せず、結局展開したまま載せることになるんですね。そうすると車内のスペースを半分占有されるため、この状態で車中泊すると荷物を置くスペースが少なくなってしまいます。まあそれでもツーリングだけが目的であれば荷物も最小限にできますから何とかなります。しかしツーリングが目的ではなくて観光の足としてちょっと乗りたいような場合、めったに乗らない自転車が常にスペースを占有しているのは非常に邪魔なわけです。しかも自転車も登山も・・なんて欲張ったことを考えると、両方の道具を積まなければならないので車内が大変なことになります。最悪、一度も自転車に乗らなかった・・なんてことになると、それは単なる邪魔な荷物以外の何物でもなかったということになってしまいますね。
そこで「使うか使わないかわからないけれども、車に積んでおいても邪魔にならない程度の折りたたみ小径車が欲しい」という欲望が急浮上してきたのです。とにかく畳んだ状態で自立できることが必須条件です。まあ20インチ以下の横折り式小径車であればこの条件はすべて満たしているはずですね。だいたい折りたたみサイズが長さ80センチ前後に収まるので、これなら後部座席を畳まなくても荷台に積んでおくことが可能です。
しかし最大の問題は予算。ちょっと自転車を知ってる人なら誰でも10万円以上は出さないとまともな自転車は買えないよ・・なんてことはわかってるでしょう。小径車といえども例外ではありません。折りたたみの定番と言えば、BD-1やブロンプトン。それを買っておけば間違いないことはわかっていても、この超緊縮財政下で15万円もする自転車を買えるわけがありません(爆)。上を見たらキリがありませんので、貧乏人は貧乏人らしく安物で我慢することにしました。どうせ街乗りと車載にしか使わないわけですから、この際重さは度外視して、それこそスーパーで売ってるような1万円台の安物でいい・・と最初は思っていたわけですよ。
ところが折りたたみ車について調べていくうちに、やっぱり使っているパーツがしょぼいとか、がっつり走りたいとか、輪行もしたいとか、どんどん妄想が膨らんでいくんですね(爆)。基本的に折りたたみ車というのは走行性能をとるか、コンパクト性をとるか、どっちかしかないと思っています。自転車の走行性能はタイヤ径に最も大きく依存しますから、小径になるほど走行性能は落ちます。これは仕方のないことで、走行性能とコンパクト性を両方とも満たすという要求はもともと物理的に無理なんですね。強いて言えば、両方を高い次元でバランスさせたのがBD-1あるいはF-20Rだと思います。走りにこだわるとこれ以外の選択はあり得ないのでしょうが、どうあがいても15万円は無理(爆)。そもそも走りにこだわるならMR-4があるわけで、今さらキャラの被る自転車を買っても意味がないんですね。思えばMR-4を買ったときと同じことのデジャヴでした。あの時は結局走りにこだわってMR-4を選びましたが、コンパクト性が悪すぎました。そこで今度は走行性能はそこそこでいいから、コンパクト性と軽さを優先する方向で車種選びをはじめました。
主な使い途としては日常の足と観光地でのポタリングですから、がっつり走る必要はなく、前2枚なんてのは要りません。求められる条件としては、「そこそこ軽くて、そこそこ走れて、低価格」ということなんですね。出せる予算は3万円台前半まで。そんな虫の良い条件があるか!って笑われるでしょうけど、それがあるんです(笑)。真っ先に目を付けたのが、激安自転車ブランドのドッペルギャンガーなんですね。たぶんかなり自転車に詳しい人でも聞いたことがないブランドだと思いますが、非常に豊富なラインナップを用意しています。しかも実勢価格はほとんど3万円以下と激安なんですね。
その中でも最後まで激しく迷ったのが111 Roadflyと211 assaultpackというモデルです。Roadflyの方は16インチということで、よりコンパクト性に優れ、10.8kgという軽量さが大きな魅力です。このくらいなら輪行も難なくできますよね。しかも実勢価格は2万5千円。この値段でこの軽さはあり得ないでしょ? 最初はこれに決めかけたのですが、気になるのはタイヤの入手性です。16×1.25という特殊なサイズのタイヤを使用していて、入手が極めて困難なのですね。そこでやむなく諦めて一般的な20インチに絞りました。
次にassaultpackですが、これも実勢価格2万5千円ながら、フロントはディスクブレーキでクイックリリース、変速はラピッドファイヤーとかなり豪華な装備なんですね。しかもデザインは斬新でカッコイイ。重量は12.4kgとやや重めですが、輪行するにはこのくらいがギリギリ限界でしょう。これには大いに物欲をそそられポチりそうなところまで行きましたが、冷静に考えるとちぐはぐな仕様が目立って突っ込みどころ満載なんですよね・・。たとえば20×1.20という細身のタイヤを装着している割に高圧対応でなかったり、英式バルブだったりします。そんなの意味ないじゃん!って感じですが、見た目の派手さとは裏腹に、目に見えないところでこっそりコストダウンしているのが見え見えなんですね。しょせん安い物には裏があるってことですね。
ネットで調べて行くとドッペルギャンガーに関するネガティブな噂も聞こえてきます。今どき中国製は仕方ないんでしょうけど、品質管理がなってないんですね。ろくに検品もせずに流してるから、初期不良がデフォルトみたいな感じです。(^^; 今は改善されたようですけど、一時はシートチューブ破断のトラブルも多く発生しており、はっきり言って怖いです(爆)。まあ値段を考えれば相応なんでしょうけど、コストダウンが安全面に響いてくると怖いんですよね。思いっきり改造して楽しんでいるコアなユーザーも多いようですが、結局パーツ代だけで自転車より高く付いてしまって何だかなぁ・・って感じなんですよね。(^^;
そこでやっと本題に入りますが(^^;、ネットでたまたま情報を見つけたのがルイガノのLGS-POPというモデルです。定価は46,200円なんですが、実勢3万円台半ば~4万円弱で販売されています。ルイガノはまったく想定外だったんですが、これなら少々予算オーバーでも何とか手の届く範囲。それで一気に興味が湧いてきました。実は多くのブロガーが口を揃えて言うように、値段の割にコストパフォーマンスが異常に高いんですよね。通常、この価格帯ではリアは6~7速でシマノのTourneyという最廉価グレードを実装し、シフターもグリップシフターあるいはサムシフターというのが一般的な仕様です。ところがLGS-POPでは8速仕様でワンランク上のALTUSが付いており、しかもシフターはラピッドファイヤーが装備されてるんですね。この価格帯でこの仕様は他を探してもあり得ないですよ。そしてギア比がまた素敵なんですね。通常このクラスでは、フロントが52Tでリアが14-28Tという組み合わせがほとんどですが、LGS-POPはフロント48Tでリア11-34Tという超ワイドレシオを採用しています。クランク1回転で進む距離を比較してみますと、同クラス他モデルが2.77m~5.53mなのに対して、LGS-POPは2.10m~6.50mとより広いレンジをカバーします。フロントが小さい分不利なように見えますが、トップスピードはむしろ他モデルより高いんですね。それでいて低速側はかなりのローギアレシオになるので登坂能力も高そうです。ちなみにMR-4の最低速・最高速を同じように計算してみますと、2.84m~7.89mとなりますので、トップスピードでは劣るものの、登坂能力はかなり上回ることがわかります。フロントシングルでも実質的にダブルとほぼ同じ範囲をカバーできてるんですね。どっちかというとヒルクライム向きの自転車と言えそうです。
その他、フレームは6061アルミを採用して重量12.1kg、フロントフォークはクロモリ製、ブレーキはテクトロ製のVブレーキ、フロント20H/リア24Hのアルミ製ホイールと、それほど豪華さはないものの、きっちり要所は押さえたソツのないスペックに仕上がっていると思います。この値段にしてはあり得ないほどの満足感の高さですね。中でも気に入ったのは20×1.50というサイズのタイヤを使用していることです。このサイズは20インチ小径車で最も一般的なサイズなので選択肢が多く、入手が容易なことが特徴です。チューブはホームセンターでも手に入りますので、いざという時には安心感がありますね。
それでこのLGS-POPが大いに気に入りまして、少々予算オーバーですが、これを買おうと決めました。ところが運の悪いことに、今の時期は自転車を買うには最悪のタイミングなのです。なぜかというと、ちょうど今はモデルチェンジの時期に当たり、各社とも次期モデルに備えて現行モデルの生産を打ち切っており、在庫がほとんど払底しているんですね。自転車というのは欲しいときに買えない特殊な商品です。LGS-POPは全6色をラインナップしているんですが、調べたところピンク以外はメーカー在庫が払底していることがわかりました。あとは店頭在庫のみということになります。さすがにピンクはおっさんが乗るには恥ずかしすぎる・・(爆)。2014年モデルまで待つという手もありますが、出始めはなかなか手に入りにくいし、値引きも少ないので、どうにかして2013年モデルを手に入れたいと思いました。もともと白が欲しかったので、店頭在庫で白があるところを探しまくりました。それでやっと見つけ、店頭在庫なので即納されました。売るだけのネット店ですから、調整とか全部自分でやらなければなりませんでしたが、心配していた初期不良もなくめでたしめでたし。
昨日、試運転がてら「よろづ」さんまで往復35kmを走ってきました。20インチの小径車は自身初めてだったのですが、よく言われるように小径車特有のふらつきがあって乗り初めはちょっと戸惑いました。でもすぐ慣れちゃって、直進性も良く結構安定しているなという印象でした。ポジション的にはややアップライトで、感覚的にはママチャリに近いですね。タイヤはやや太めで空気圧低めですから、乗り味はマイルドな感じです。走りを軽くするためにはタイヤを高圧対応に換えたいところです。そして小径車でよく言われる「転がらない」感じは実感できましたね。700Cのように「スピードに乗る」感じがないので、ずっとペダルを漕ぎ続けないと進みません。これは24インチのMR-4と比べても歴然としていますね。これが小径車の限界なのかと妙に感心してしまいました。逆に700Cに乗り換えたときの感動は大きいのでしょう。ギア比が小さめなのでトップスピードはどうかと思いましたが、実際にはこれで過不足なく、トップギアはよほどスピードに乗らないと重すぎて踏めない感じでした。かなり気合いを入れて漕ぐと28km/hくらいは出ます。しかしこれを維持するのはしんどいでしょう。もともとがっつり走るような自転車ではないですから、巡航速度16~18km/hくらいでのんびり走るのが一番向いていると思います。また登坂能力は予想通り高く、かなりの激坂でもするすると登れてしまいます。峠となるとどうかはわかりませんが・・。まあこのくらいの距離を難なく走れる実力はあるってことがわかりましたから、旧街道などをのんびりと流すには最適な自転車ではないでしょうか?
ファーストインプレッションはこのくらいにして、次はスペックを詳しく見ていきましょう。