実走日:2002年10月5日(土)
コース:田口~中設楽~振草~津川~見出~田口
奥三河ツーリング二日目は設楽町を起点にして東栄町・豊根村・津具村の四町村をめぐる予定。幸い昨日の疲れは全く残っていないようだ。宿泊地のあすけ里山YHからは県道33号経由で35kmほどの距離ではあるが、意外と時間がかかって設楽到着が11時になってしまった。設楽警察署の南の信号を左折し、少し入ったところにある「奥三河総合センター」の運動公園の駐車場を利用する。ここは少し高台ではあるが、とても広いので利用しやすい。
11:20に設楽町田口を出発。NTTの前を通って国道473号に出るといきなり「まわり道」の看板が目に入る。約8キロ先で水道工事のため通行止と書いてある。ちょっと嫌な予感がしたが、ここまで来てあきらめるわけにもいかないのでそのまま国道473号に入る。ゆるやかな坂を上っていき、ちょっとだけ下ったところが和市の集落である。国道とはいっても交通量は非常に少ない。時々向こうからも車が来るところを見るとどうやら行けそうな感じだ。もう一度軽く上って間もなく提石トンネルに到着。素堀りのなかなか味のあるトンネルである。中は白色の蛍光灯の照明があって、ライトがいらないほど明るい。トンネルを抜けると向こうからクラシックカーの一団がやってきた。これで行けそうだと確信する。
ここから先は一転して長い下りとなり、しばらくダウンヒルを楽しむ。しかしそれも束の間、黒倉の集落でまた通行止の看板が現れた。この先水道工事のため全面通行止と書いてある。左の道を上って平山方面へ迂回するように指示されていた。車はすべてそちらの方から来るのであった。しかし通行止であってもたいていの場合、土砂崩れなどを除いて自転車は通れることが多い。自転車に山を上らせる気か!と怒りながら、通行止を無視して強行突入する。すると数百メートル先で一応工事はしていたが、工事車両が駐車していただけで道路そのものには全く支障がなく、問題なく通過することができた。指示に従って迂回などしていたらとんでもない目に遭うところだった。そこで工事区間は終わり、気を取り直してまたダウンヒルを楽しむ。やがて下りが終わった頃、神田の集落手前で気持ちの良い直線路に出る。嘘のように静かで快適そのものだ。この先神田の集落を過ぎ、神田川の渓谷を右に見ながらゆるやかに下っていく。渓谷を抜けるとまた開けた谷に出て、左の山の斜面にへばりつくように集落が点在している。ここからは2車線の広い道となり、路面もきれいで40km/hの高速巡航が可能となる。快適な道が3キロほど続いた後、わずかに上って信号のある中設楽交差点に着く。
中設楽から180度折り返す形で国道151号に入る。ここからいきなり8パーセントくらいの上りが始まる。少し上ると橋があって、その向こうに真新しい中設楽トンネルが口を開けていた。ちょっと古い地図には載っていないこのトンネルは国道151号の中設楽バイパスである。その右手には川沿いの旧道がある。どうせ同じところに出るのならバイパスを通っても面白くないので右の旧道に入る。こちらも最近まで国道だったから2車線の広い道である。しかし全く車の通行はない。最初のうち川沿いにしてはちょっと急な上りが続くが、林間でとても気持ちよく上れる。すると道が大きく左にカーブする地点で湧き水があった。ちゃんと水道の蛇口と流し台まで付けられている。これはありがたいとボトルの水を補給し、ついでにそこでコンビニおにぎりを食べる。こうしている間にも車は全く通らなかった。
昼食休憩の後、12:45に再出発。湧き水地点を過ぎると上りはすぐ終わり、山の斜面に沿った平坦道となった。下には中設楽バイパスが見える。そして間もなくバイパスに合流した。わずかに下りもあったが、結局こちらの方が初めのうちに上り切ってしまった形になる。とても快適な道であった。合流後はまたゆるやかな上り坂が続く。百番台の国道にしては非常に交通量は少ない。柴石峠への道を左に見送り、さらにだらだらと上ると県道80号との分岐に着く。計画の時点でここはどちらへ行くか迷っていた。一見県道80号の方が川沿いで楽そうに見えるが、実は津具の町へ出る直前でかなり厳しい上りが待っているのである。一方、国道を直進すれば太和金トンネルまでつづら折れの上りが続くが、そこを越えてしまえば川沿いの緩やかな上りとなる。結局同じ高さまで上るのだから、先に楽して後で苦労するか、先に苦労して後で楽をするかの選択である。実際に分岐まで来て迷わず先に苦労して後で楽をする方を選択した。太和金トンネルからわずかに下りもあるが、同じ高さまで上るなら距離の長い方が楽だと考えられるからである。
国道を直進するとすぐにやや急な上り坂となり、左にカーブして橋を渡る地点では10パーセントほどの急勾配となったが、そこを過ぎると間もなく勾配は一定し、上りやすくなった。だいたい5~7パーセントくらい、無理なく上れるほどの勾配である。鬱蒼とした杉林の中をカーブしながら徐々に高度を上げていく。途中で一回休憩して再び上り始めると、道はついにほとんど平坦になってしまった。最初に苦労した分、後はずいぶん楽だ。18km/hくらいまでペースアップし、ぐねぐねと何回かカーブすると間もなく太和金トンネルが現れた。峠にもいろんなパターンがあるが、最後に楽をさせてくれるこんな峠が一番好きだ。トンネル前で写真を撮り、車が切れた合間を見計らってトンネルに突入する。トンネル内はやや道幅が狭くなっており、結構暗い部分もある。バッテリーランプを点灯して30km/hくらいで通過。トンネルを抜けるとまぶしいくらい明るい風景が広がり、豊根村に入る。ここから少しだけ下って津川で大入川を渡り、津具村との分岐点に着く。
ここから大入川沿いの県道を進んで行くが、津具の町までまだ標高差100メートルあまりを上らなければならない。川沿いだからそれほどきつい上りはないが、だらだら上るというよりは時々一気に上ってまた平坦になるというパターンを繰り返す。左手には大入川の渓流が美しい。そして津具村との境界を越える頃にはほとんど平坦となって、やがて田んぼの広がる津具村の町並みが見えてくる。
津具村は三方を高い山に囲まれた標高700mほどの台地上に開けた町であり、どこから入るにも峠を越えなければならない。その中で唯一南側だけには高い山がなく、そのまま斜面となって切れ落ちている。ちょうど山の中腹に開けた小さな平野のような感じである。こんな地形はなかなか珍しいのではないだろうか。津具川に沿って開けた平地の中を進んで行くが、わずかに上っているのとやや向かい風のためペースが落ちる。20km/h前後を保ちながら町並みを抜け、県道80号と合流する見出の交差点に着いた。ちょうど商店の前に自販機があったのでエネルゲンで水分補給。ちょっと休憩してから出発する。この交差点を直進するとまたゆるやかに上って、1キロほどで設楽方面へ下る県道10号に出る。合流点の大桑がこのコースの最高地点705メートルである。
県道10号に入るとワインディングの連続する豪快なダウンヒルとなる。見通しが悪くあまり飛ばせないが、30~40km/hくらいで下る。標高差300メートル、10キロ以上続くダウンヒルは爽快そのものだ。あっという間に八橋の集落まで下ってきた。ここから先は勾配も緩くなり、ペダルを回す必要が出てくる。
そして滝瀬を過ぎ、国道257号に出る1キロほど手前からはわずかに上り坂となる。最後にちょっとだけ上って国道257号との交差点に出る。実はここから設楽の町までまたちょっとだけ上らなければならないのだ。最後の最後で上りになるため、一応体力は温存してきた。こういうのは丹念に地図を読んでいないと見過ごしてしまうだろう。設楽の町もまたちょっとした台地の上にある。ヘアピンカーブが連続するのできつい上りを覚悟していたが、実際は大したことはなく、12km/hほどのペースで上り続けて田口に着く。役場前を通って15:10頃、奥三河総合センターに帰着する。その後はまた足助経由で帰途についた。少々暑かったが、二日とも快晴に恵まれて久々に遠征ツーリングを楽しんだ。
走行距離 | 走行時間 | 平均速度 | 最高速度 | 最高地点 | 最大標高差 |
51.51km | 2:33:42 | 20.1km/h | 45.0km/h | 705m 大桑 |
440m |