実走日:2002年10月4日(金)
コース:宮町~安美京~東大見~御内蔵連~梨野~野原~栃立~戸中~安美京~宮町
愛知県奥三河地方は準平原地形をなし、適度な起伏の中に縦横無尽に道が走っている。この状況は大和高原とよく似ていて、周回コースが組みやすい。前田真三氏の写真でもたびたび取り上げられ、前から一度走ってみたいと思っていたこの地域を今回は久々にロードレーサーで回ってみることにする。コースについては「ぬのめ」さんのHPで紹介されていた『神越渓谷と下山狭』のコースを忠実にたどってみることにした。コースガイドでは駐車場についても紹介されており、大変助かる。
香嵐渓の入口に当たる宮町の有料駐車場に車を停めて11:15に出発。秋には東海地方随一の紅葉名所として賑わう香嵐渓に沿って細い道を走っていく。対岸の国道420号はかなり高いところを通っているが、こちらの道は川のすぐそばを通り、眺めもよい。交通量もほとんどなく、木漏れ日が気持ちいい道だ。少し行くと三州足助屋敷の建物がある。ゆるやかな上り坂を快調に走っていくと安美京で橋を渡って対岸の国道420号に入る。ここからはだらだらとした上りが続いて、神尾川からちょっと急な勾配となり、間もなく神越渓谷との分岐点に着く。ここでいきなり通行止の表示が立ち塞がる。1300m先で工事中のため全面通行止らしい。国道420号を約3.5km進んで加茂広域農道へ迂回するように書かれている。当然、谷をひとつ乗り移るわけだから山越えが予想される。神越渓谷へ行けなければ意味がないので、ここへ来て大いに悩んでしまう。ただこの先かなりの急坂で、強行突破してもし行けなかったら引き返すのも嫌なので仕方なく迂回路をとることにする。最悪、神越渓谷はあきらめて国道420号経由で行くことにしよう。分岐点を過ぎるといきなり8パーセントくらいの急勾配となり、それがだらだらと長く続く。少し行くとやや緩くはなるが、いつまでもしつこく続く嫌な上り。まるで責め苦のようだ。今日は気温も高く、一気に汗が噴き出してくる。正規外のルートを走らされているという精神的な疲労感が大きい。交通量は少ないものの、まったく見るものもない単調な風景と容赦なく照りつける日差しに辟易しながら、まだかまだかと思いながら上っていると、サイクルコンピュータで約3.5km進んだあたりでやっと加茂広域農道との分岐点に着いた。ここから左に折り返す形でまた山を上っていく。この道はちょっと古い地図には全く載っておらず、いったいどのくらい上らされるのか見当も付かない。山の斜面を這うような形でじりじりと上っていくと、前方に大見トンネルが見えた。これはありがたい。どうやら尾根までは上らずに済んだようだ。後で確認すると、約50mの上りであった。しかしトンネルを抜けると上った以上に下らされてしまうのだ。何ともやり切れない。神越川沿いの県道に出ると一変してゆるやかな上り坂となり、とても気持ちよく走れる。太陽が容赦なく照りつける国道420号とは対照的に、木陰の気持ちいい道だ。汗も引いて神越川の清流を眺めながら快調に上っていくと、やがて御内蔵連(みうちぞうれん)の集落に入る。何やら謂われのありそうな地名だ。そろそろ昼を過ぎているので昼食の場所を探していたが、河原に下りられそうな場所が見つからなかったので、集落をちょっと過ぎたところにある水源の管理所の横でコンビニおにぎりを食べる。
もう1時間以上過ぎてしまったが、余計な遠回りでまだ全行程の3分の1も進んでいない。先を急ぐことにしよう。この先もごくゆるやかな上りが続き、2キロ足らずで金蔵連方面との分岐点に着く。ここに神越渓谷の釣りセンターがある。平日だが結構賑わっていた。分岐を直進すると神越川から田之士里川に変わり、やや勾配も増してくる。とは言ってもそれほどきつく感じることもなく、あと170mほどの上りだ。やがて田之士里の集落に入ると田之士里湿原というのがあるはずなのだが、それらしきものは見つけられなかった。集落を過ぎ、道が川から離れる地点で下山村に入る。ここからはダラダラ上りが1キロほど続いて最高地点に至る。すでに足助から550m以上上ってきたことになる。
最高地点は峠の名前もなく、何の変哲もない場所である。そこから少し下ってほんの数百メートルで梨野の交差点に着く。ここから600mほど再び国道420号を走り、ちょっとした上りの後、直線を下り、「野原川への近道」という標識を見て右の道に入る。2~3回軽いアップダウンがあった後は長い下り坂となって3キロほどで野原の集落に出る。ここから1キロあまり国道473号を走って橋のところで足助に至る県道に入る。ここで写真を撮っていると平日にしては珍しく向こうから二人のロードレーサーがやってきて軽く挨拶する。
橋を渡って県道に入ってすぐ、またもや工事通行止の看板が目に入る。この先1キロの地点らしい。迂回路はまた山の方へ急坂を上って行かなければならない。初めのことでだいぶ頭に来ていたので、ふざけるなとぼやきつつ完全に無視して進入。川沿いに走っていくと約1キロ進んだところで工事の看板みたいなものはあったが、工事をしている様子も全くなく、何の障害もなく通過。だいたいこんなものだ。工事区間を抜けると茶畑の広がるのどかな直線路に出た。ここからしばらくは平らな道が続く。
平瀬の交差点を右折して巴川沿いに走っていく。ほぼ平坦な木陰の道でとても気持ちがよい。時々イガ栗が落ちていたりして秋の風情を感じる。走っていて楽しいと感じるのはやはりこんな道であろう。やがて道は細かいアップダウンを繰り返すようになり、川からかなり高いところを通る。時々木の間越しに巴川が見え隠れする。このあたりは小刻みなカーブが連続する。アップダウン地帯を抜けると再び川のそばを走るようになり、右岸へ渡る小さな橋が現れた。その橋の上でちょっと休憩する。
そこから3キロほどゆるやかに下っていくと戸中の集落に出た。久しぶりに現れた集落で、何となく懐かしい感じのするいいところだ。思わず写真を撮ってラストスパートへ。
さらに2キロほど下ると初めに通った安美京の橋に着いた。そこからはまた同じ道を宮町まで戻る。行きとは違ってすでに日は傾き、日陰になった道は肌寒ささえ感じる。15:15に宮町の駐車場に到着。この日は椿立にあるあすけ里山YHに宿泊する。ここは廃校になった小学校を改装した建物で、とても懐かしい感じがする。今回2度目の宿泊となったが、お気に入りの宿である。ペアレントの小川さんは昔サイクリングをしていたことがあるそうで自転車の話で盛り上がっていた。
走行距離 | 走行時間 | 平均速度 | 最高速度 | 最高地点 | 最大標高差 |
43.80km | 2:28:35 | 17.6km/h | 52.0km/h | 685m 梨野付近 |
565m |