実走日:2004年9月3日(金)
コース:里本江~赤崎~ヤセの断崖~関野鼻~門前町~輪島~白米千枚田~曽々木(泊)
今日は朝から気持ちのいい晴天。しかし晴れるのは今日一日だけらしい。午前8時過ぎに富来町サイクリングターミナルを出発する。能登金剛を経由するため、国道249号ではなく、県道深谷中浜線で海岸沿いを走る。増穂浦の海水浴場を過ぎ、高岩岬を回り込む。千浦・久喜と漁村特有の板壁の町並みを通り過ぎ、赤崎の漁港に着く。潮の香りが心地よい。
そこから少しアップダウンをこなすと「大笹波の棚田」の展望所に着く。事前に全く調べていなかったが、日本棚田百選に選ばれているらしい。整然と並ぶ棚田が美しく、早くも黄金色に色づいている。東屋があるので10分少々休憩。
前浜の集落を過ぎると間もなくヤセの断崖だが、その前に「義経の舟隠し」の標識があったので立ち寄ってみる。遊歩道を自転車に乗ったまま100mほど走ると展望所に着いた。眼下には深く切れ込んだ入り江に白波が立っている。周りには誰もいない。これはなかなか見応えがあり、ちょっと得した気分。案内板によると、兄頼朝に追われた義経が追手を逃れるため数隻の船を隠したところと言い伝えられている。
そして間もなくヤセの断崖へ。ここは12年前、某M氏と訪れた懐かしの場所である。有名な景勝地にもかかわらず、舗装もされていない小さな駐車場があるだけで他には何もない。それは12年前と全く変わっていなかった。断崖の方へ歩いてみると、やはりここも自殺の名所なのだろうか、自殺を思いとどまらせる看板がやたらと目に付く。そして断崖の前には昔はなかった柵が付けられているではないか。風化で岩盤が脆くなっているので崩れても責任は負わないとのことだが、当然観光客は乗り越えていくのだろう。昔はあの先端に立って下を覗き込む観光客が絶えなかった。当然のように柵を乗り越えて断崖の先端約1m手前まで行ってみるが、やはり下を覗き込むと怖い。平日ということもあるが、誰もいない。なんて静かなんだろう。
次はヤセの断崖から少しばかり離れた関野鼻へ。レストハウスから岬へ向かって遊歩道を下っていくと、右手の断崖に沿って弁財天へ向かう道がある。そちらには入らず先端の展望台まで行ってみる。直下には兜岩と呼ばれる奇岩があり、ヤセの断崖方面の展望がよい。団体客がやってきたのでレストハウスへ戻り、今日の宿探しを始める。もともとは曽々木の梶山荘YHで泊まる予定だったが、休館中のため付近の民宿を探すしかない。一応手当たり次第に電話してみるが、オフシーズンの平日となると休業しているところが多く、3軒続けて断られたり電話が通じなかったりする。いよいよ心細くなってきた4軒目の「横岩屋」でやっとOKが取れた。あまりオフ過ぎるのも考えものだなぁ。
今日の宿が決まったので安心して輪島方面へ向かう。深谷で再び国道249号に合流し、少し北上した赤神の道の駅で休憩。最近できたばかりらしく、何もかも真新しい。国道249号をさらに北上し、黒島町で海岸線を離れて門前町の中心部に入る。ちょうどうまい具合にコンビニがあったので、峠越えに備えて食料を調達。この先の中屋トンネルが全コース中での最高地点となる。標高わずか190mではあるが、海抜0mからの上りなので結構上りごたえはある。途中、浦上付近にあった「あすなろ館」前のベンチで昼食をとる。朝はあんなに晴れていたのにまたどんよりと曇ってきた。天気予報はまったくあてにならない。30分ほど休憩してまた上り始める。それほど急勾配ではないが、ダラダラと続くしつこい上りはなかなか辛い。左に旧道を見送るとやっと中屋トンネルが見えてきた。
トンネルに入ってもまだ少し上っているのでスピードが20km/hも出ない。上りのトンネルは嫌いだ。しかし輪島市へ続く国道にしては全く車が来ない。やはり県道七尾輪島線の方がメインの道路なのだろうか。トンネル後半からやっと下りに変わる。繩又町へ向かって快適な下りが続く。
二俣町を過ぎると鳳至川に沿った平坦路となり、やがて輪島市街に入る。ここも一度は来ているはずなのだがほとんど記憶がない。思ったより小ちんまりとした町だった。とりあえず旧「のと鉄道」輪島駅跡の道の駅「ふらっと訪夢」へ向かい、観光案内所でゆっくり休憩。その間、ザウルスでメールをチェック。昨日の志賀町以来、明日は珠洲市まで圏外となるので今しかメールはできないのだ。なぜかこういう時に限って仕事のメールやら電話やらいっぱい来る。普段はめったに来ないのに。その対応に1時間ほどかかって2時頃ようやく出発。
道の駅を後にして国道249号を曽々木方面へ向かう。多少アップダウンがあるのでしんどい。
やがて白米の千枚田に到着する。ここは道の駅になっていて奥能登随一の観光スポットになっている。観光客も非常に多い。千枚田は規模としてはそれほど大きくないが、海岸に面した棚田というのは割と珍しい。もうほとんど刈り入れが終わった後のようだ。
千枚田から一気に下ると名舟海岸と呼ばれる海岸線に出る。このあたりはしばらく平坦で走りやすい。名舟漁港を過ぎると白崎と呼ばれる岬が見えてくる。その名の通り、白い岩肌を露出している。当然ながら岬を越えるまで上り坂だ。
白崎を越えると大川の集落まで下り。曽々木はもう間もなくだ。
曽々木のシンボルである窓岩が見えてくる。窓岩の公園のすぐ前に予約した民宿横岩屋があった。この辺では大きい民宿のようだ。一人には広すぎるくらいの部屋に通された。やはりシーズンオフなのだろうか、今日の宿泊者は自分だけらしい。この宿には何と温泉がある。曽々木に温泉など期待していなかったので、ちょっとうれしい。夕食は非常に豪華で海の幸がいっぱい出た。あまりに多すぎて食べきれないほどだった。ちょっと苦しい。今日はかなり疲れているはずなのだが、なぜか寝付きが悪く、十分な睡眠が取れなかった。
走行距離 | 走行時間 | 平均速度 | 最高速度 | 最高地点 | 最大標高差 |
68.95km | 3.34.04 | 19.3km/h | 50.5km/h | 190m 中屋トンネル |
190m |