前回の記事でCOROS PACE 3を買ったものの、日常使用にはGarmin Instinct 2Sを使い続けると宣言していましたが、果たしてバッテリー交換してまで使う意味があるのか?と疑問が出てきました。

なぜ日常使用で使うのをやめたかというと、睡眠時の装着で得られる計測データに違いがあるからです。もちろんどちらが正確とも言えないのですが、今まで蓄積したデータと整合性がなくなるため、やっぱりGarminから離れられなかったわけです。
特に大きく異なるのが安静時心拍数です。自分はこれを非常に重視しており、スマートウォッチを日常的に使用する最大の目的がこれです。安静時心拍数は心身の状態を非常によく反映するため、体調が悪かったり疲れている時は普段より上昇する傾向があります。そういう時は無理しないという判断が事前にできます。また心拍ゾーンの判定にはHRR(予備心拍数)法を採用しているため、最大心拍数とともにこの安静時心拍数も正確に把握しておく必要があるのです。
これが今までと全然違うから使用をやめてしまったわけですが、よく考えると逆にCOROSの方が正しい可能性もあるわけで、一度ちゃんと検証をしてみなければと思いました。その上でどちらか一方に決めて、それを新たな基準とすれば過去のデータとの整合性は捨ててしまっても良いわけです。
検証方法
正確を期すため、GarminとCOROSを両手に着けて寝ました。睡眠時間は23:00~5:00くらいの6時間。どう頑張っても6時間以上は寝られません。勝手に目が覚めてしまう。これが老化か?😂
安静時心拍数
どちらのアプリでもホーム画面に健康データとして安静時心拍数が出てきます。

Garminで計測すると40bpmと出ました。ちなみにこれは普通です。

一方、COROSで計測すると49bpmと出ました。あれ、10近くも違うぞ? 10も上がると明らかに体調悪い証拠なので、これは体感と合っていません。
そこで思いついたのは、そもそもGarminとCOROSでは安静時心拍数の定義そのものが違うのではないか?という推論です。これを検証するには睡眠中の心拍数変化を見てみればわかります。

Garminは不親切で具体的な数値を示してくれないのですが、グラフからは最小心拍数が40bpmと読み取れます。つまりGarminで言うところの安静時心拍数とは、睡眠中の最小心拍数のことだったのです。これは他の日のデータを解析してみても全て同じでした。

一方、COROSでは最大と最小を数値で示してくれますが、睡眠中の最小心拍数は39bpmと出ています。これはGarminで計測した値とほぼ一致しています。しかし安静時心拍数は49bpmと評価されているため、最小値を取っているのではないことは明らかです。睡眠時の平均とも違いますね。具体的なアルゴリズムは公表されていませんが、おそらく何らかの平均を取っているものと推定されます。
ではどちらが正しいのでしょうか? COROSのアプリには安静時心拍数について下のような説明があります。

要するに安静にした状態で計測した心拍数の平均という定義のようです。
念のためGeminiでも安静時心拍数の計測方法について聞いてみると、次のような回答が返ってきました。
安静時心拍数を正しく測定するには、体が完全にリラックスしている状態を作るのがポイントです。朝、目が覚めてから布団の中で測るのが最も正確な数値を得られます。
具体的な測定手順は以下の通りです。
測定のタイミング
起床後、起き上がったり動いたりする前(可能であれば布団の中)で測ります。スマートウォッチ等を使用している場合は、睡眠中の平均値や最低値をそのまま参考にすることもできます。脈のとり方
人差し指と中指の2本を、手首の親指側(橈骨動脈)や、首の横(頸動脈)に軽く当てます。強く押しすぎると脈が取りにくくなったり心拍数が変動したりするため注意してください。カウントする
タイマーを使い、1分間の脈拍数を数えます。時間短縮のために「30秒間数えて2倍する」あるいは「15秒間数えて4倍する」方法でも問題ありません。記録と平均化
日によって心拍数は多少変動するため、数日間(できれば1週間程度)継続して測定し、その平均値を自分の「安静時心拍数」とするとより正確な状態が把握できます。運動の直後や、カフェインの摂取後、ストレスや疲労が溜まっているときは心拍数が高くなりやすいため、測定を避けてください。健康な成人の一般的な安静時心拍数の目安は 1分間に60〜100回 程度ですが、運動習慣がある人ではさらに低くなることもあります。
文字通り、起床直後など「活動していない状態」での心拍数を測って平均するのが正しい方法と言えます。実際にこの方法で測るとだいたい48bpmくらいであることがわかっています。
したがってGarminが表示する安静時心拍数は単純に睡眠時の最小心拍数を拾ったものに過ぎず、本来の定義からはかけ離れているんですよね。だから時々30台とか極端に低い数値が出たりするわけです。心拍ゾーンを判定するときも、ベースとなるのは活動していない状態の心拍数のはずですから、それは睡眠中の最小心拍数とは異なります。起きている状態であればそこまで低くなることはあり得ないからです。
だからこれはどう考えてもCOROSが示す安静時心拍数の方が正しいと判断するのが妥当です。
HRV
次に重要な指標であるHRV(心拍変動)について比較してみます。

Garminでは7日間の平均が54msと表示されていますが、この日の平均は51msです。

COROSでは48msと表示されました。これは正常の範囲です。
HRVに関しては心拍の間隔ばらつきを測定しているだけなので、デバイスごとの差は出にくいと思います。だからだいたい同じくらいの値が出てますね。これはどちらを信用しても良いと思います。
睡眠スコア
どちらも睡眠の段階を4段階で評価できます。それぞれのバランスによって睡眠スコアが決まるようです。

Garminでは時間のバランスが良いと評価されているようです。睡眠段階のタイムラインについては安静時心拍数のところで出したグラフを参照して下さい。

一方COROSではレム睡眠が極端に少ない傾向があり、浅い睡眠が6割以上を占めています。睡眠時間が違うのは実際には起きている時間も睡眠中と判断されたためです。タイムラインを比較すると大筋では一致しているように見えますが、各段階を判定する基準値が異なるのかもしれません。
まあ睡眠スコアについては各メーカーごとに独自のアルゴリズムがあり、全く違う結果が出ることは普通です。あまり精度が高いとも思えないので、参考程度に見るのがよいと思います。
結論
COROSへの移行をためらわせた最大の原因が安静時心拍数でしたが、ちゃんと比較してみると明らかにCOROSの方が正しいことがわかりましたので、今後はこちらを信用することにします。HRVと睡眠スコアについてもCOROSを新基準とします。
これでGarminへの未練がなくなったので、バッテリー交換してまで使うのはやめて全面的にCOROSに移行します。やっぱり多くの人が評価しているようにCOROSはGPSの精度がいいんですよ。バッテリーの持ちもいいですしね。それにファームアップデートが頻繁にあり、購入後も新機能が追加されて進化していくところがユーザーフレンドリーなんですよね。COROS人気の理由がよくわかりました。
まあサイコンはGarminなので全面的にCOROSには移行できないですけどね、いずれはサイコンもCOROSにしようと思っています。残念ながらDURAは終売になってしまいましたが、後継機を開発中だそうなので、次はそれに乗り換えるかもしれません。
Garminは恐ろしく値上がりしてとても買えなくなりました。最近はCOROSやiGPSPORTなど後発メーカーが力を付けてきて、Garminも殿様商売を続けているといずれ足元をすくわれると思いますよ。

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