1994.10.2 富貴から玉川峡へ~高野山周辺~

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自転車

実走日:1994年10月2日(日)
コース:隅田~火打~富貴~筒香~丹生川~九度山~隅田

 夏の暑いときは峠なんて想像するのも嫌だったが、涼しくなってくると無性に峠を越えたくなる。今回は未開拓のエリアである高野山周辺を走ってみた。久々に本格的な上りを堪能できた。距離は長くないが、かなりハードな山岳コースである。

 橋本市隅田の恋野橋を出発し、紀ノ川沿いの狭い県道を東に進む。2kmほど行った火打で富貴の標識を見て右折するとすぐ上り坂となる。ここから富貴に到達するまではただひたすら上りが続く。つづら折れの急坂ではないが、だらだらした上りが延々と続くのでかなりつらい。常に右手に深い谷を眺めながら上る。それほど急坂ではないのにすぐインナーローを使ってしまうところが情けないが、足に負担をかけてはいけないのでしかたない。しかし最近つけたSPDペダルの威力は絶大である。こんな坂でも時速10~15kmで上れる。昔使っていたノーマルペダル、あるいはトゥーストラップ付きだったらすぐ時速10kmを切ってしまうだろう。ペダルの「押し」だけで上るのがいかに効率が悪いかがよくわかった。

東ノ川の峡谷

 途中展望が開ける箇所があり、写真を撮るために立ち止まる。斜面にへばり着くようにして建つ民家とさらに上方に続くガードレールが見える。ときどき急坂もある狭い舗装路をさらに上っていくとようやく大深の集落に着く。ここからはさっき写真を撮った場所が下に見えてかなり上ってきたことがわかる。ここまで来ると高度的にはもう半分以上上っている。あとは高度計の表示が上がるのを励みに上り続ける。

奈良・和歌山県境

 かなり上って和歌山県高野町の標識が現れる。普通、県境は峠の頂上にあることが多いが、ここは坂の途中にある。高度計はすでに600mを越えているのでそろそろ頂上に着くはずだ。しかし、なかなか上りは終わらない。なおもだらだらと上り続け、ようやく西富貴の集落が見えてきた。明るく開けた田園地帯に入り、最後の急坂を上り切ったところが標高600mの最高地点である。高度計の実測値は675mとなっているので75mの誤差がある。明らかに気圧が下がったためであろう。ここは西富貴の集落の中の小高い丘のようになった場所で、地形的には峠ではない。標高差500mの上りはかなりつらいものがあった。ここまでは約13km、所要時間は約55分であった。

 このコースは西富貴の最高地点を過ぎるとあとはすべて下りなので精神的に楽である。ゆるい坂を下っていくと東富貴の集落に入る。こんな山の上にしては民家の数も多く、かなり大きな集落である。東富貴からしばらく下ると出屋敷峠を越える林道との分岐があり、右の道に入る。川沿いのゆるやかな下りで感じのよい小径である。最初に出会う集落が上筒香で、今井峠を越えて野迫川村に通じる道との分岐があり、標識通り高野方面の道に入る。中筒香、下筒香と集落を通過するとあとは全く集落がなく、人気のない山の中を走る。それにしても秋のツーリングは本当に気持ちがよい。特にこんな山の中では。しかし気持ちよく走れるのもほんのわずかの期間ではある。国道に出る手前はかなり急な下りになっている。

 やがて国道371号線と合流してさらに下り続ける。この道も交通量は少ないが非常に狭い。ほとんどが1車線で車同士の離合ができない箇所もある。すぐ横の川は丹生川で、荒々しい岩肌を持つ美しい渓流である。どんどん下っていくとやがて玉川峡の青少年旅行村に着く。ここからは河原に降りられ、キャンプの適地になっている。もう少し下った川口で軽く昼食をとり、道を確認してから出発する。川口からさらに2kmほど下ったところで九度山の標識があり、左の県道102号線に入る。

 この道もまた丹生川に沿ってゆるやかに下っていく。道が狭く、ガードレールがないので少々怖いようなところもある。アスファルト舗装とコンクリート舗装が交互に現れ、少し走りにくい。この道沿いにもキャンプ場が多いが、もうシーズンも過ぎており釣りに来ている人がいるくらいでそれほど人影はない。なおツーリングマップではこの道は途中で切れているが、何の問題もなく通れる。道なりに進んで行けばやがて国道370号線に出る。

 国道370号線を右折して南海電鉄九度山駅まで下っていく。九度山駅前の交差点がかなり複雑になっているが、右の黄色いセンターラインのある2車線の道に入る。そして2kmほど行って紀ノ川の橋を渡る手前で右の狭い道に入る。こちらが国道370号線である。この道は民家の軒先を通る非常に狭い道で、乗用車1台がぎりぎり通れるぐらいの道幅しかない。いつまでこの状態が続くことかと思わせるが、少し行くと広い2車線となり安心する。あとは紀ノ川の堤防の上を淡々と走っていく。この辺はもう消化コースなので全力で飛ばしたいところだが、こういう時に限っていつも向かい風で25km/hが限度である。河川敷に運動公園があるので車で来るときはここに置いておいた方がよい。南海電鉄の鉄橋の下をくぐってもう少し頑張ると出発点の恋野橋に戻る。

走行距離 走行時間 平均速度 最高速度 最高地点 最大標高差
54.98km 2:43:01 20.2km/h 46.0km/h 600m
西富貴
530m
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